不安の中の板垣の笑顔ー『風林火山』１３

　　　　　　　　第13回 「招かれざる男」

　何を考えているのか？果し合いの延期を申し入れる勘助（内野聖陽）を、今だ信じきれない板垣は、信じ切ってはいないが、何をしでかすか？勘助への期待が不安を上回る御屋方様の隣で、心配そうに事態の成り行きを見守る表情で始まった今回、板垣は台詞は少なめでも、カメラが捕らえる表情は見ごたえ充分！（笑）

　御屋方様の次男は病の中、むやみな戦いをする事を諌める板垣。御屋方様も血を見ることが無いように祈っている事を知り、勘助に戦さを許可しながらも、何か起こったら（勘助が家臣を切ったら）勘助を切り捨てるようにとの命に、ひときわ表情がひきしまる板垣。

　船上での決闘の成り行きを、河原で重臣らと御屋方様の隣で見守る板垣。身を乗り出して秘策の行く末を見つめる。策により戦わずして勝利した勘助が「兵は騎動なり」と宣言する姿に、御屋方様も納得。板垣も御屋方様の思いを裏切らぬ結果に胸をなでおろし、久々の笑顔。大笑いの小山田（田辺誠一）、感心した様子の飯富（金田明夫）の横で、甘利（竜雷太）だけは、反対に、苦々しく卑怯だと悔しがる。

　晴信と三条夫人（池脇千鶴）の二人目の男子・次郎が失明、夫人の不安な気持ちを晴信がぬぐおうとしていた矢先、甘利、飯富らと共に、御屋方様に、関東管領の佐久侵攻を報告し『今は、戦は避ける時』と言う晴信に、戦の為、重い腰を上げるよう御屋方様に苦渋の決断を迫る板垣。笑顔一転、厳しい表情に。

　戦場での戦いが、今回の見せ場の一つ！見守る御屋方様・家臣ら勢ぞろいの中、『兵は騎動なり』を実証すべく奮闘する勘助の策は見事！その見事な表情･話しっぷりに、笑ってしまった。（笑）勘助は屋敷を与えられ準備万端！登場人物も増え、いよいよ勘助の腕、ならぬ、智恵の見せ所、戦いの日々へと進んでいく。そして、三条夫人の不安・心の乱れは、いよいよ大きくなっていく予感。板垣の気苦労は尽きる事がない。