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板垣、束の間の笑みー『風林火山』鑑賞記18

2007-05-11 00:08:11 | S.Chiba
           第18回 「生か死か」

 今回の板垣・千葉ちゃんは、珍しく笑顔がいっぱい。とはいえ、重臣として、傳役として、勘助(内野聖陽)を推挙し?!由布姫(柴本幸)をあづかる立場から、心配事は尽きない。

 由布姫を自分の屋敷に丁重に迎え入れた板垣の、大きな瞳が由姫の言葉に揺れる。「手荒く扱われたほうが気が休まりまする。」と真っ直ぐ前を見て話す由布姫。肩を落とす板垣のなんともやるせない表情。晴信よりも、勘助よりも、由布姫は、難しい?手が焼ける?!

 勢ぞろいした重臣たちの前で、遂に晴信(市川亀治郎)が「由布姫を側室に迎えようと思う」と宣言する。早速、「おそれながら」と板垣が苦言を。由布姫をどうしたら良いものか、思案するものの、いい考えは浮かんでこない。御屋方様から意見を聞かれ「諏訪勢が、御屋方様をそこまで、憎んでおりましょうや?」と話す勘助を見つめる板垣。>「わこ様を!」と言うが、生まれるかどうかは神頼みと言う勘助。思わず「男女の睦み事は戦のようには行きますまい」と板垣。「所詮男女の睦み事も屈するか治めるか、戦と変わりありますまい、御屋方様の知略がものをいいまする」と言う、小山田信有(田辺誠一)の言葉に、さすがの御屋方晴信も「こりゃ又妙な話になってまいったのう」と複雑な表情大の男ら集まって、眉間を寄せ姫一人の処遇を思案する様は、深刻と言うより滑稽。諸角虎定(加藤武)と板垣の「ねや」をめぐるやり取りに、こっちも思わず苦笑してしまう。

 姫に断られ屋敷に戻って来た勘助を迎える板垣は、暖かい。「恨みを捨てねば、生きられぬ。あの姫はかつてそちと同じじゃ。」と諭す。「諏訪郡代として諏訪に向かう。・・・・姫の事で諌めるので厄介払いさせられたかも」と笑いながらも「諏訪の立ち場としては姫の事が気にかかる。」と表情を曇らせ、「困った事があったら伝兵衛に託せ。」と勘助に告げる去るシーンは、どこかの番組を思い出し懐かしい感じも。(笑)

 屋敷の庭で焚き火をする板垣の姿は、戦の合間のひと時の休息、束の間の穏やかな時間の流れを感じさせるが、その背中が寂しげにも見えるのは、父親代わりとまで言っていた晴信が、一人立ちしていく姿を見守る、親代わりとしての複雑な心境の表れ?笑顔の奥にも、なんとなく寂しげな表情だ。
出番も少しに?こっちも寂しくなってきた。
 

 由布姫をめぐって重臣・男性陣がああだこうだと屋敷で思案する一方、女性陣の悲しい表情が、心に沁みる今回、まずは、禰々(桜井幸子)が悲痛な訴えと共に、虎王丸の行く末を案じつつこの世を去る。哀れなやつれた姿が胸に迫る。晴信の身を案じ側室の話をする大井夫人も又、表情は険しい可憐な正室、三条夫人(桜井幸子)は、御屋方様・晴信を思い由布姫に会いに行くが、一人傷つき帰る事に。

 そして、今回、クライマックスともいえる、由布姫と甘利虎泰(竜雷太)の対決シーン。傷つき果てているはずのだが、太刀を突きつけ自害を迫る甘利と相対しても、凛として、我が生き方を貫き通す由布姫。その姿、心を見通す賢さに、甘利は勘助が止めるまでもなく、自ら由姫の元を去る。

 思いと思いがぶつかり合うその中心にいる御屋方・晴信、その存在感は充分声も話し方も回を追うごとに、低く貫禄を増して見せる市川亀治郎さん、御見事!今回は、苦悩する勘助が、若く見えた?!(笑)
コメント
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