2007年10月26日、総務省消防庁・厚生労働省による「救急要請における産科・周産期傷病者搬送実態調査」の結果が「報道資料」として発表されました。 その内容を受けて各報道機関がニュースとして報じたわけですが、少しばかり気になった部分があったのでメモ代わりにエントリーとしてアップします。
【妊婦の救急搬送“たらい回し”、昨年は2668人】(2007/10/26 読売新聞)
先ずタイトルの『たらい回し、昨年は2668人』の数値だが、数の多い少ないは別として、「たらいまわし」と呼ぶような事態が2,668件発生したのだろうと読める。しかし、本文を読むとそうでもないようだ。
救急搬送されながら、病院への受け入れを1回以上断られた妊婦が昨年1年間、全国で2,668人いたことが26日、総務省消防庁と厚生労働省の調査でわかった。
ここまで読んだ時点で????となってしまうのだ。「1回以上断られた」これだけで「たらいまわし」。つまり、たらいまわしの定義は、1回以上断られると言うことなのか…。随分言葉から受ける印象とは違うものを定義にしているのだと思ってしまう。
搬送開始時点に受け入れ先が決まっていなかった妊婦3万4917人の7.6%にあたり、10回以上断られた例が7都道府県の45人にのぼった。
この数値から見る限り、10回以上断られた例は45人で全体の0.13%。1回以上を定義としているので7.6%という大きな数値に見えてしまうのだろう。
受け入れ先が決まっていなかった妊婦のうち、最初の打診で病院に搬送されたのは3万2249人(92.4%)。1~2回断られたのは2001人(5.7%)、3~4回447人(1.3%)、5~9回175人(0.5%)だった。
つまり、2回以内が34,250件で98.09%。これを「たらいまわし」と呼ぶのだろうか? 尚、4回以内では34,697件で99.37%となっている。 数値の見方は人様々だろうが、私のイメージよりは高い値(対応できている)だった。(不勉強なものでスミマセン…)
たらいまわし(1).足で盥を回す曲芸。
(2).ある一つの物事をなれ合いで他の者に送りまわすこと。
果たして搬送理由は「馴れ合い」なのだろうか?
受け入れられなかった理由は、容体が重くて対応できないなどの「処置困難」が1,306人(26.6%%)、「理由不明・その他」1,181人(24.1%)、「手術・患者の対応中」842人(17.2%)、「専門外」572人(11.7%)の順だった。
一番気になるのは、「たらいまわし」の言葉のごとく無為に時間が過ぎてしまった事例がどの程度存在するのか?と言うことなのだが。記事では触れてはいないが、総務省発表の資料では、以下の内容となっている。
単位=分 | 件数 | 比率 |
~ 30 | 33,910 | 97.10% |
30~ 60 | 907 | 2.60% |
60~ 90 | 84 | 0.24% |
90~120 | 18 | 0.05% |
120~150 | 2 | 0.01% |
150~ | 1 | 0.00% |
※数値の明記されていない30分以内については推測値 |
60分以内が99.70%。私は専門ではないので、この数値がよいものか、悪いものかは分からない。しかし、医療現場の人たちによりこの数値が支えられているものだと思う。
さすがに、たらいまわしは撤回した模様。 同じソースじゃないけど。
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