文珠川慧久の道楽帳2

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FUSION IP-Phone SMART サービス(050番号)をiPhone 5Sで実用的に使う為の調整方法

2017-09-22 | VoIP
1 iOS標準メールアプリの調整方法5つ

1.1 概要
現在の050電話サービスは、VoIP及びSIPという標準プロトコルで構築することができるようになったばかりです。それ以前から似たような電話サービスは存在しており、それらのサービスは通信事業者が、網及び端末、両方とも提供するのが一般的だったようで、そうすると事業者を超えた端末の互換性も網の相互運用性も無く、まさにガラパゴスのようなコロニーが通信事業者の数だけあるという状況だったのかもしれません。その過去を引きずった事業者が現在の050電話サービスを作るので、互換性や相互運用性において、一筋縄ではいかない状況となっている面があるのかもしれません。そんな発展途上の状況にある050電話サービスの、どこに工夫の余地があって、その工夫をすることで、どれくらい実用になるのかならないのかを道楽として味わってみようという趣向でございます。

1.2 STRATEGY
iOSでは「標準メールアプリ」がプッシュ通知をさばく仕組みになっているようです。050電話アプリへの着信メッセージもプッシュ通知の一つのようです。従って、標準メールアプリに受信させるアカウントが多いとその処理に時間が取られているうちに、050電話アプリへの着信メッセージを失うのかもしれません。iOS標準メールアプリに処理させるプッシュ通知の総量を減らすことで、050電話アプリへのプッシュ通知が速やかに処理される確率が向上することを狙う。その狙いを実現するのに効果のありそうなtacticsが、常駐プロセスをこまめに削除こと、標準メールアプリはiCloudメールだけにすること、標準メールアプリのプッシュをオフにすること、節電アプリはすべてアンインストールすること、WiFi接続での待機中は着信しづらいので4G/LTEで待機すること、の5つです。
参考になるブログ1(2014-08-26)
 スマホ、iphoneのアプリのプッシュ通知を改善する基本テク
参考になるブログ2
 IPフォンのプッシュが鳴るまでの時間
参考になるブログ3
 LaLaCallその後の体験レポートうんプッシュはキャリアの問題が強い
 
1.3 TACTICS 1: 常駐プロセスをこまめに削除すること
iOSでは、ホームボタンを2回タップすることでマルチタスク画面になり、バックグラウンドで動作しているアプリをタップすることでそのアプリをフォアグラウンドで動作するように切り替えることができます。そのマルチタスク画面でアプリを上側にスワイプすると常駐メモリからそのアプリが消えます。マルチタスク画面でiOS標準メールアプリを上側にスワイプするとメモリに常駐していたiOS標準メールアプリを削除することができます。これをこまめにやるということです。プッシュ通知を受けたいアプリだけ常駐(バックグラウンド又はフォアグラウンド)状態にしておくと良い。

1.4 TACTICS 2: 標準メールアプリはiCloudメールだけにすること
iOSでは、iCloudアカウントを登録してそのメールをオンに設定しておかないとプッシュ通知を処理してくれません。すなわちiOSには必ずiCloudメールアカウントが最低一つ存在していることになります。それ以上、iOS標準メールアプリにアカウントを追加しないということです。但しPOPで受信するようにメールアカウントを追加するならば、IMAP(プッシュ)で受信するように追加するよりもマシのようです。

1.5 TACTICS 3: 標準メールアプリのプッシュをオフにすること
普通ならばiCloudメールをプッシュで受信するように設定します。それをPOPで登録し直す必要ありません。「メール/連絡先/カレンダー」の設定を次のようにしてプッシュオフにしてやるだけでOKです。iOS標準メールアプリのメールアカウントは、すべてプッシュを使わずフェッチに設定すること。
メール/連絡先/カレンダー設定 ⇒ データの取得方法 ⇒ プッシュ オフ

1.6 TACTICS 4: 節電アプリはすべてアンインストールすること
節電アプリは、電池の消費を少しでも減らす為に、iOSのプッシュ通知を受信する機能を止めていることがあるようです。
TACTICS 5: WiFi接続での待機中は着信しづらいので4G/LTEで待機すること
Network Address Translation (NAT)の関係をうまく処理できずというのが当たっているかどうか確証がありませんが、WiFi接続ポイントの構成によっては、050電話アプリが必要とするインターネット通信プロトコルが通らないことがあるようです。


2 小生が選んだ機材及び構成

2.1 SMS と MMS
SMS及びMMSの使えるデータ通信専用のいわゆる格安SIMをiPhone 5S (iOS 9.3.3)に入れることにしました。このiPhoneでリアルタイムのメール交換手段がSMSだけというのでは不便なので、iOS標準メッセージアプリにMMSを設定することでインターネットメールアドレスを使ったリアルタイムのメール交換手段も獲得しておきました。
参考になるブログその4(2016/08/05)
 Y!mobileデータSIMプラン(月額500円)を契約しました
参考になるブログその5(2016-09-22)
 ワイモバイル通信サービス「データSIMプラン」

2.2 Acrobits Softphone
FUSION IP-Phone SMART専用のSmarTalkという名前のアプリでなく、汎用SIPアプリのAcrobits Softphoneという名前の有料アプリを使うことにしました。
参考になるブログその6(2016-11-17)
 私の050IP電話ライフ、音質、着信安定性 関連の設定項目と設定値をシェア

2.3 標準メールアプリのプッシュはオフに
iOS標準メールアプリに登録したメールアカウントのデータ取得方法としてプッシュをオフに設定しました。

2.4 標準メールアプリは手動で受信に
iOS標準メールアプリで受信したいインターネットメールアドレス(小生の場合iCloudメールアドレス1つとGmailアドレス2つがあります)については、定期的自動受信には設定せず、手動受信に設定しました。この設定により、iOS標準メールアプリを起動したとき及びiOS標準メールアプリをフォアグラウンドにしている状態で画面を上から下へスワイプしたときにiOS標準メールアプリがメールの受信作業をしてくれます。


3 実験

3.1 着信
Xperia X Performance(au VoLTE SIM, 標準090電話アプリという構成)から電話をかけると、呼び出し音3回目で iPhone 5S(Y!mobileデータSIMプラン, Acrobits Softphone という構成)側で着信音(マナーモードの時はバイブ)が鳴り始めます。Xperia X Performance側で電話を切ると、iPhone 5S 側では更に呼び出し音4回目で黙ります。

3.2 発信
iPhone 5S から電話をかけると、呼び出し音ほぼ1回目で Xperia X Performance 側で着信音(マナーモードの時はバイブ)が鳴り始めます。iPhone 5S 側で電話を切ると、Xperia X performance 側はすぐ黙ります。

3.3 通話品質
川に沿って30km程整備されている自転車道へサイクリングに出かけ、その途中の駐輪スペース付き休憩所で、固定電話及びauの3Gガラケーと通話実験してみました(2017-09-24)。その休憩所の裏側は住宅地なので都会の真ん中ほど密集してませんが、人が暮らしていてケータイやデータ通信もやっていると思います。そういう場所で、着信呼び出し回数、発信呼び出し回数、雑音、音声途切れ、音声遅延、どれをとっても、普段使っているドコモの3Gガラケーで電話する時の感覚との差異は感じませんでした。まぁ郊外だというのもあるでしょうし、たまたま、だったのかもしれませんが、050のIP電話が、モバイルでこんなに問題なく使えるようになったのだったら、090番号は解約してしまってもいいんじゃなかろうかと思うほどでした。しばらくこの環境で修行を続けてみようと思います。進捗があれば備忘録としてブログにしておこうと思います。

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