一期一会

日々是好日な身辺雑記

台湾旅行の前に

2018年06月06日 | 雑記


この前の投稿で思いがけずANAのマイレージ期限切れの予告メールから、台湾への一人旅が決まった事を書いた。
この2、3年JALのワンワールドアライアンスの航空会社を利用してきたのでANAを利用した事がなかった。
スターアライアンスの航空会社を調べたらトルコ航空があったので、3年前のスペイン旅行でのマイレージなのだろう。
この時はオープンジョーチケットでバルセロナ、リスボン、イスタンブールと廻った。

ANAのマイレージでLCCバニラエアの成田↔︎台北のチケットを購入したので、先ずは行程を組む為に旅情報本を
図書館から数冊借り、(地球の歩き方)の中古本をアマゾンで買った。
今回の台湾旅行は、台北や台中の近代都市はスルーして、桃園空港からは鉄道を使って反時計回りで一周し,
台湾南部と東部を重点的に1週間で廻ろうと思い、成田発6/29、台北発7/6のチケットを購入した。
それが旅情報本からの見所をリストアップして行程を組んでみると、1週間では足りないと思いバニラエアに電話をして、
帰りの便を7/10に変更してもらった。この変更には手数料が4000円かかり、残っていたのが深夜2:55発の便となった。

その行程から7泊分のホテルをBooking.com で予約したが、3泊はフリーにして予約していない。
ガチガチに予定を組んでも旅の面白さが半減するし、気に入った所があれば逗留出来る。一人旅の時は何とでもなる。
いつ頃からだろうか、一人旅でもインターネット予約サイトでホテルの予約をしていたのは。
バリ島やトルコ・ギリシャの1ヶ月のバックパック旅行の時は、(地球の歩き方)に載っている所に、
その日に飛び込んで泊まっていたし、それもドミトリーやゲストハウスでホテル宿泊はなかった。
そんな非日常的な旅そのものが面白かった。
スマホも無かったので、家族への連絡はインターネットカフェからしていたし、日本語フォントが無いのでローマ字でメールしていた。

そして旅情報本以外にその国の歴史に関する本を読み、前知識を入れて旅をしている。
台湾に関しては日清戦争後の1895年に日本が統治して以降の本しかなかった。
本以外には台湾映画があり、日本でも公開された(KANO 1931海の向こうの甲子園)をTUTAYAから借りて見た。
KANOとは日本統治時代の嘉義市にあった嘉義農林学校の事で、1931年の甲子園で準優勝するという実話の映画化で、
当時の時代背景から日本語のセリフが多く、野球部監督を永瀬正敏が演じている良い映画だった。
もう一本の台湾映画(非情城市)は九份を舞台に二・二八事件(2・26事件ではない)を描いた作品で、
1989年にベネチア国際映画祭で受賞しており、旅情報本の九份の紹介で必ずこの映画の事が触れられている。
我が町のTUTAYA、インターネットでTUTAYA東京店舗の在庫確認をしたが無くて、図書館のDVD在庫にも無く、
もしやと思いYoutubeを検索したらアップされていた。やった!と思ったが、日本語字幕なしの台湾語版だった。

トップ写真の(台湾人生)と(トオサンの桜)は図書館から借りたもので、日本の統治時代に教育を受けた80代の台湾の人達への
インタビューから構成されており、当時の日本人の教師と生徒との人間的関係からの親日感やその後の交流、
1895年から1945年の50年間の統治時代に日本人として生きてきた世代の愛憎交じる複雑な心情が語られている。
中国共産党との戦いに敗れ、台湾に中華民国政府を移した蒋介石政権への思いも複雑で、旅情報本では得られない日本統治時代の評価や、
台湾現代史の背景が分かり、高砂族で日本人兵士として出征し1974年にインドネシアのモロタイ島で発見された
民族名スニヨン、日本名中村輝夫氏の話しなど考えさせられる。

白色テロとも言われる二・ニ八事件以降の政府による反体制派弾圧は過酷を極め、多くの国民が投獄・処刑されたという歴史は
2冊の本を読んで知った。親日派と言われる日本統治時代に教育を受けた人達への迫害は酷かったという。
そんなことから国に対する思いが世代間で大きなギャップがあるのだろう。





5月は宮部みゆきの「ソロモンの偽証」「名もなき毒」「ペテロの葬列」と読み続けてきたが、
今月は暫く中断して、台湾の歴史・文化に関する本を読んでいこうと思っており、次は乃南アサの
「台湾 統治五十年」「美麗島紀行」を読み、その後に本棚にあった息子の本で司馬遼太郎の
「街道をゆく」シリーズの「台湾紀行」を読もうと思っている。

台湾の文化的な興味として客家に関することがあるが、関連する本は未だ図書館で探せていない。
台湾の人口の11%を占めているこの民族は独自の言語と文化を持つており、シンガポールの建国の父
リ・クアンユーや鄧小平も客家出身と言われており、香港で客家の人達が住む所に行ったが、城壁の様な
閉ざされた中に住居があり、出入り口は一ヶ所で独特の帽子を被った老婆が見張りのように座っており、
カメラを向けたらお金を要求された。
一人旅の面白さは非日常と異文化体験なので、今回の行程の中にも客家の町を入れてある。