曾根崎キッドの日々

現実の街、大阪「曽根崎デッドエンドストリート」。そこで蠢く半架空の人物たちによる半現実小説、他ばか短編の数々。

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その65

2006-10-15 16:15:28 | 続き物お話
「尻尾も素敵だけど、これ忘れてたわね」
 夏木マリは注射器を取り上げ、アナルバイブを一度ぐっと押し込みさゆりに「ひぃっ」という声を出させ、満足したように微笑んで、それからゆっくりと抜いた。「はぁっ」ともう一度さゆりから声が漏れ、頭と腕は完全に沈み、背中は反りその角度は頂点に向かうにつれて高く上りつめ、その腰の細さからは意外な双つの円く豊かな丘がそびえ立っていた。
「この子・いいカラダしてるわよね」
「こいつもそう思ってるみたいやな」
 オトコは股間を指差した。夏木マリがよく知っている、左にやや曲がり、反りあがるカタチに形状記憶されていた。

 曾根崎キッドは窓の出っ張りに足を掛け、よっこらしょ・と窓にへばりついた。そこはカーテンが掛かり中の様子は窺えない。次の次の窓にカーテンの隙間があった。曾根崎キッドは慎重に掌とつま先で窓枠を内側から押し上げるようにしてカラダを移動させた。ゆっくりでないと落ちてしまう。

 夏木マリはさゆりの真後ろに立ち、注射器の先端でさゆりの肛門をちょんちょんし、さゆりに小さな声を上げさせからかったあと、何も言わず先端をブスリと押し込んだ。注射器はほぼ直立し、ピストンを押さなくとも、赤い液体がさゆりの中へと入っていく。
「すごいな」
「いやらしいお尻ねえ」
 ワインがすべて注入されると、注射器を抜き、そのまま放置した。
「もうすぐおもしろくなるわよ」
 兆候はすぐに現れた。さゆりは酒が強くなかった。さゆりの頬に紅潮が見られ、目がとろーんとしてきていた。オトコがかなり興奮しているのが夏木マリにはわかった。先端が震えていた。

 さゆりは自分の存在が消えていく実感があった。下のさゆりとの間の膜が溶けていく・と思った。窓のカーテンに人影が映っていた。
(つづく)


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