港町じゃけん

　平清盛が拓き、世界的な港町となった神戸を大地震が襲ったんは、もう四半世紀も前のコト。

街全体が業火に包まれる様子は、あんまり現実離れしとったけん。

この歴史ある港町が瞬く間に消滅していくのが、怪獣映画を観とるカンジじゃ。

んでも、それはやっぱり現実で、大勢のひとが亡くなって、ケガをして、家を失うたけん……。

三ノ宮の駅からちょっと北にいくと、洋館の立ち並ぶ場所があるけん。

ちょっと日本離れした観光地、北野じゃ。



いまだからいえるんじゃが、この建造物の被害が最小限だったんはラッキーじゃな。

もちろん、それなりのダメージは受けとるんじゃが、ちゃんと復旧できとるけん。

おんなじ市内に壊滅、焼失した街があるコトを思えば、最小限というてもいいじゃろう。

人命と生活は最優先じゃが、文化財を守るコトもダイジじゃけん。

平安時代の末期から続く歴史を守るコトでもあるけん。



こ〜んな２０世紀の遺産も、守り続けんといかんけん……。