あんキモ!

あんなキモチ こんなキモチ

湊かなえ『少女』

2012-02-19 17:59:35 | あんなキモチ
親友の自殺を目撃した事があるという転校生の告白を
ある種の自慢のように感じた由紀は、
自分なら死体ではなく 人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。
自殺を考えたことのある敦子は、
死体を見たら 死を悟ることができ
強い自分になれるのではないかと考える。
ふたりとも相手には告げずに
それぞれ 老人ホームと
小児科病棟へボランティアに行く―。



『少女』 読み終えました。
死体探しの冒険に出掛けた少年たちの
友情を描いたのは『スタンド・バイ・ミー』…
少年たちと違って 少女たちは もっと複雑。
湊かなえ独特の後味の悪さ。
でも それが 私をゾクゾクさせて
同じ小説を また最初から読ませる。
「そうか!」
自分の勘違いに気付く。

全てが 伏線。
ループ。

巻末の解説に
「ありえないと言って批難する人がいるのだけれど、
それこそがフィクションの魅力」
と書かれているのを読んで、激しく同意。
私が求めのはリアリティではない。
おとぎ話。
エンターテイメント。

私が 湊かなえ作品に惹かれる理由は
「救われない結末」と、「子供」かも。
『告白』の…自分は未成年だから殺人を犯しても
裁かれないと思っている少年。
そして『少女』の 登場人物たちの
あまったるくて嘘くさい友情。
残酷で、自分の都合でしか世界を見ない…
そんな 我が物顔のアマチャンたちが
「ざまあみろ」と言う目に合うのが快感。

…酷いな~私

湊かなえの本は 本当に好みが分かれると思うので
あえて オススメはしませんが
私は 他の作品も読みたくなりました。