女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

どう生きるのか。

2018-06-03 15:25:16 | 老化現象・老後準備

きのうNHKスペシャル、

『ミッシングワーカー 働くことをあきらめて・・・』を観ました。

ミッシングワーカーという言葉を初めて聞きました。

無職なのに求職活動をしていない人、

親の介護などがきっかけで、

働くことができない人が増えているそうです。

特に独身の40代、50代の6人に1人が無職というのが現実らしい。


番組では親の介護で仕事を辞めた人たちが登場します。

ある人は認知症の始まった父親を、

施設に移し再出発をします。

また別の人は東京から、

北海道にいる独居の父親の所へ通いながら、

不定期の仕事をしています。

でも、その人の貯えはもう底をつき始めました。

ゴミ屋敷となった家の人は、

民生委員やご近所の方の努力や協力できれいにして、

心の社会復帰も果たします。

そして仕事を始めた途端心、

筋梗塞がその人を襲いました。


また、別の人は介護していた父親が亡くなった後も、

働くことができず、

社会との繋がりを持つことができずにいます。

毎日味付けをしないおかずで食事をしています。

「こうしないと、外へ美味しいものを食べに行きたくなるから」

ただ肉体を生かすためだけの食事。

「オレのことは誰にも見えていないんだろう」

そう言いながら、

家族や仲間とお花見する人たちの中を、

まるで幽霊のように歩いていきます。

その人の目には生きていく活力や希望が見られません。

テレビの画面からでもはっきり感じられました。


わたしも認知症の父親を1年介護したので、

とても他人事とは思えず、

息が詰まりそうな思いで画面を観ていました。

なぜそうなってしまうのか。

どうして自分の人生まで投げ出して、

親の介護に没してしまうのか・・・。


番組に登場した人の親御さんは全員父親でした。

大正から昭和初めに生まれた男性、

とにかく頑なで融通が利かない人が多い。

子供が折れなければならないことが多かったはずです。

そんな環境で長い間社会と隔絶していたら、

介護する側の子供たちの心が、

どんどんと疲弊していくのは目に見えています。


弱まっていく中で、

自分自身の将来や生活をどう見つめていくのか、

組み立て再生していくのか。

細々とでも社会との繋がりを保って、

人の助やシステムを利用する。

人とつながりの薄い、ひとり暮らしのわたしにも、

同じようなことが起こる可能性はあると感じました。