五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

本 館 の 棟 札

2010-02-06 03:45:45 | 五高の歴史
この棟札は平成18年就任の工学部建築科の教授である伊藤館長が五高記念館建物の構造、建築様式の調査・確認等のために天井裏に入り偶然発見されたものである。幅30,4cm、長さ2m28cmで本館玄関上の屋根裏に取付けられていた。棟札とは建物の上棟式の時、工事の由来、建物の年月日、建築者または工匠の名を記して建物の将来の無事、一家の繁栄等を祈念して細長い板に天下泰平のため棟木に打ち付けるものである。棟札に記載されている文字は、「肥後国飽田郡 煉瓦造二階建 第五高等中学校 明治二十一年起工 同二十二年三月竣工」と記されており、本館竣工時にかかれたものと思われる。祈念の文句は書かれていないが、工事監督の山口半六、設計の久留正道を始め、現場での工事監督5人、そのほか煉瓦積工事、地業及木工事、石工工事、木材納入、屋根瓦葺き、左官工事、ペンキ塗り等、工事の種類毎に19名の建築関係者の名前が列記されている。記念館は国の重要文化財に指定されているので国指定重要文化財 附というべきものあろうか。(tH)