孫達の恋愛話に花を咲かせていた両親。会話のテーマは次第に若かりし頃の自分達の初デートの記憶を呼び起こし、当時の淡い思い出話へ。
今から50数年前の
ドキドキ
ワクワク
な思い出。
「なぁ、とーちゃん、初めてデートしたとき、ケーキをおごってくれたやん?覚えちょる?あんとき、全部食べんでうち、ケーキを半分残したやん?おしなぎいことをした。何であんとき、残したんじゃろうか?なあ、とーちゃん?(初めてデートしたとき、ケーキをおごってくれたじゃない?覚えてる?あの時私、完食しないでケーキを半分残したじゃない?もったいないことをしたぁ。何であの時、残したのかしら?ねえ、とーちゃん?)」(・・?
「俺に聞いてん、わからんわい(聞いてもわからないよ)。そんだけ(それほど)、お前も俺も若えかったんじゃあわい。」と、答えた父の表情は
関西の姪、piyoさん作似顔絵①②
①
「今なら残さんで全部食べるにい~、ほんと、勿体ねえ事したぁ~。」
食べ残すことなく「おかわり頂戴。」「また今日も食べ過ぎた。」の言葉が定番の母。
確かに、今の母なら絶対に食べ残さないだろう。
「あ~思い出すと、もったいねえ、あんときのケーキ。とーちゃん、ケーキおごって。」
「なしやっ!?(@_@;)ジリ焼きがあるじゃねえか。」ボソッと、言うけれど、
結局、この表情になる二人。②
母の食い気勝ち。
初デートはケーキ、
50数年後の今は石同様のジリ焼き
加齢と共に強くなってゆく歯茎と、消えつつある不要な遠慮心
「とーちゃん、1万円札、1000円札に両替できる?」(・・?
「4・5枚くらいしかねえぞ。」(・。・)
「それでいいけん、替えて。」
財布の中からお札だけを取り出し、そのまま母に手渡し、交換した1万円札を財布に入れ、いつもの場所にしまい戻ってきた父が1000円札を数えている母の手元を見て、あることに気付きました。
「よい、それ、4・5枚より多いんじゃねえか?数えてみた?」(・・?
「いま、数えよん。1、2,3、4、5、6、7、まだある。なあ、レシートとか混じってねええ?(ねえ、レシートとか、間に混ざってない?)」(・・?
「うん、1000円札ばっかりで。」(・。・)
「何枚やったっけ?姉ちゃん、数えて。」
「うん、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11、12、12枚あるわぁ。」(・。・)
「えっ!?そげえも?儲かった。貰うちょこ。そうや、これでケーキを買うてもらおう。(そんなに?得した。貰っておこう。そうだ。これで、ケーキを買ってもらいましょう。)」ψ(*`ー´)ψ ゥヶヶ
一部始終を見ていた父、
「儲かって良かったのぅ~。ほんならそれでケーキを買うてきちゃるわい。どげなんがいいんか?(そしたら、そのお金でケーキを買ってあげる。どんなケーキがいい?)」
「どげなんでんいいわぁ。(どんなのでもいいわぁ。)」
「