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光圀伝

2013年04月02日 11時39分10秒 | 
『天地明察』の冲方丁氏による、新しい水戸光圀像…とか帯に書いてありそうな話題の本です。
水戸光圀といえば、天下の副将軍、つまり水戸黄門様ですね。
助さん格さんをお伴に世直し旅をして、結局は葵の御紋を笠に着ている御隠居様は全くの創作である、とは広く知られてます。
ではこちらが本物なの?となると、そこは小説である以上創作なわけですが、実際こんな感じだったのでしょう。
なにやら激動の人です。

光圀は、徳川御三家のひとつ水戸家の3男として生まれたが、長男をさしおいて世子(世継ぎ)となってしまう。
「なぜ自分が?」という苦しみを常に抱えながら、詩作に耽ったり江戸のまちで遊び呆けたりする。
そんな中、居酒屋で偶然出会った林羅山(すごい人)の息子・読耕斎との交流の中で「大義」を見つける。
光圀の大義は成るのか?詩で天下は取れるのか?乞うご期待!!

『光圀伝』というだけあって、伝記です。活躍した出来事を中心にするのではなく、ゆるゆると年をとっていきます。
最初の方は話が進まずじれったかったのですが、伝記なのだと気づいてからは楽しめました。
(伝記と歴史小説をひとまとめにしていたせいで、以前『武揚伝』に挫折したことがあります。そのうち再戦!)


握力とかべらぼうに強かったらしく、筋肉隆々。なのに小さな手帖を常に持ち歩き、せっせと詩を書くという可愛らしさも。
このイラストは書店でもらったFREEガイドから取ったもので、獅子猿という方によるものです。
これ、何歳設定なのでしょう?20代?ぎゅっと抱いた手帖がほほえましい。
若い頃の光圀はやること全て詩のためだ、と主張しているのが印象的でした。

日本史で水戸藩のことを習ったとき、将軍家の傍流なのにひたすら尊王なのはなぜかな?と不思議に思った記憶があります。
幕末までそれを維持し、尊王攘夷運動に大きな影響を与える。
尊王攘夷といえば倒幕運動の合言葉。幕府倒しちゃっていいの??

そもそも「尊王攘夷」で四字熟語扱いしていますが、尊王と攘夷という別モノが合体してるだけなのですよね。
そして両方の障害である幕府を取り除こう、となったわけでしょう。
まだまだ幕末はややこしくてよく分かりません。

とりあえずこの本では、光圀は天皇家を非常に重んじています。
『大日本史』を編纂するくらい歴史を大事にしていたのだから、当然でしょうか。
他に、後水尾天皇が「言葉の神様」だったので、自然に敬えたというのもあるかもしれません。

この御水尾天皇の他にも、すごい人が沢山出てきます。
『天地明察』の渋川春海も少しですがちゃんと登場しています。
↑このときも思ったのですが、戦国末期~江戸初期は本当に傑物揃いです!

( ..)φ  
武揚伝(ぶようでん):佐々木譲著、幕末に活躍した榎本武揚(えのもとたけあき)の話。旧幕府海軍として五稜郭で敗れたが、のちに明治政府でも活躍。…面白いが、話がなかなか進まなかったため、途中までしか読んでない。

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