体質改善

とうとうドライウエイトがまた500ｃｃアップです。
今日は透析の終わりに久しぶりの足の吊りで激痛が！
さすがに地下鉄で足を引きずりながらNPOに到着です。
「私と二人で新理事長の部屋に来てくれとのことです」
編集長が私の到着を待ち浴びていたようです。
ノックすると理事長自らコーヒーを入れてくれます。
こういう時はよほど困っている証拠です。
「君たちが社員の入れ替えをしただろう？」
「あれは苦肉の策でした」
「それを見習ってNPOの理事の入れ替えを考えている。このままでは今の事業の承認が取れなくなる。前理事長とも相談したが一任をいただいた」
新理事は最近に取った理事会のアンケートを広げる。
「前理事時代の人脈と行政の天下りで全理事の７割を占めていますね。年齢的に平均７５歳で古いボランティア志向の人達です。フリーペーパーの創業には反対されたのですよ」
彼女の苦い経験です。
「でも引退を希望している理事が３割いるんだ。元々理事の会費が主な収入源だったNPOの体質も変わっている」
「そうですね。会費収入はもう１割も割っていますからね。でも新理事の手当ては？」
「半農半ｘのNPOの中から理事に参加してもらったらというのはどうかな？」
「それなら方向性はピッタリですね！」
「じゃあ依頼するリストを作ってみますよ。出来たらこの際会費を１万から５千円に下げてそれ相応の農産物を送ったらどうです」
「いいな」

貧すれば 鈍する

透析の後、久しぶりに前の相棒に会うことに。
もう半年になります。
「今はどうしているのですか?」
「さんざんですよ。裁判ですよ」
彼は辞めた上司らと労働裁判を起こしたのは聞いていますが。
「労働裁判を起こしたのですが、反対に会社から損害賠償で訴えられたのです」
「訴えられている内容は?」
私は労働裁判を起こした彼らとは一線を引きました。
それはブラック企業にすっかり染まっていたのです。
会社もブラックなら社員もブラックだ。
「慣習でバックを取ってたのを解雇になった同僚に証言されたのです」
「脅された?」
「そうです」
「不動産部長は?」
「筆頭で800万ですが私らは20万そこそこなんですよ」
「裁判は？」
「不動産部長に一任してたのです。それが弁護士に敗訴の可能性が高いと」
「彼とは組むなと言ってただろ?」
「会社は偽の損害賠償を追加してきています」
「それで？」
「弁護士が証人に立ってほしいとのことです」
「それは無理だな。彼らは私の不当解雇に協力して会社側の証人だったんだよ」

持ちつ持たれつ

今日は編集室のメンバーで始めての野外バーベキューです。
みんなで一緒というのは一度もなかったでした。
それだけ創部時代は多難でしたね。
とは言っても編集長はこれもビデオ撮りで仕事の一環です。
若手は芋掘りとシイタケ狩りに夢中です。
「葡萄園就農も2年が経ったがどう?」
彼は農業NPOの同期です。
「葡萄は今年が初出荷でまだ通販だけでようやく50万ですよ。でも編集長には助かりました。バーベキューや芋掘りとシイタケ狩りでは100万と本業を上回ってます。フーリーペーパーの記事を見てこられるのですよ」
「彼女も葡萄園就農で大ヒットなんだ」
就農青年も今年で30歳になります。
「そうですよ。持ちつ持たれつ」
編集長は毎月1回は山を登って葡萄園に来ます。
フーリーペーパーのシリーズに合わせ、ホームぺージで映像を載せています。今年からは新刊本も出しました。
バーベキューのいい匂いがしてきました。
編集のメンバーは大半がここは初めてです。
「ボランティアの人たちが向こうの河から水を引いてきて池を作っているのですよ」
「ニジマスを放しています。来年には釣って食べてもらえます」
「それが来年には二人住まいになるかもよ」
ボランティアの中に就農希望の農業NPOの後輩の2つ上の女性がいるそうです。
「もう少し若かったら私も手を挙げたかもね」
編集長は自分の畑の区画を作っています。
私は勧められてそこに大根の種を蒔きました。

尿毒症毒素

「体調はいかがですか?」
これは透析の合言葉のようです。
「最近痒みが出てきて」
「前回の血液検査を見ましたが、血清カルシウム、リンの値や副甲状腺ホルモン（ＰＴＨ）の値が高くないかですが、これは正常ですね。尿毒症毒素のようです。蛋白質が尿毒症毒素の主な原料ですが、この腕の小さな内出血の斑点が出ていますね。体の内側からチクチク刺すような痒みもそうです」
「睡眠不足にも」
「血流量を上げる、透析時間を長くする、ダイアライザーの膜面積を大きくすることをやってみましょう」
透析中には色々なことが起こります。
今日から新理事が理事長の初日です。
「どうですか座り心地は？」
「理事会にはＮＰＯの本来の仕事が出来ていないという意見が依然多い」
「理事の方は平均76歳で助成金時代の方が多く自活時代の経験がないのです。一度決算の報告会をしましょう。それと現役の理事を入れてみてはと思うのです」
「現役の理事か面白いかもな。今の時代は定年を迎えても人生が長いからなあ。リストを作ってみるよ」
「編集長とも話していたのですが、ＮＰＯも今年度から事業計画や予算を組んでみたらと思うのです。だらだら歩いてるのではなくて」
「厳しいな」
「これからはＮＰＯも株式会社ＮＰＯです。いかに株式会社が出来ないことを埋めることができるかです。それも自前で」
「頑張ってみるか」