岩窟竜王/新居浜祭り

 言って良いことと悪いことがありますの ©鬼塚夏美

眼が合う

2007-07-06 | 真面目な提言をいたします
○○は〆の眼が合うとる
△△は合うてない
××の睨みはええけど、□□は眼が泳いどる

よく聞くよの。〆の双龍のことじゃな、その眼差しを捉まえてのことよ。
みんな、よく言うよの、儂だって言う。
ただ、○○ええ顔しとる~じゃの、××かっこええ~じゃの言うよりも一歩踏み込んだ、通っぽい言いぐさに聞こえるしの。何よりわかった風なのがええんじゃろ。


だがなぁ、大事な要件、つまり必要条件であっても十分条件とはならないのがなんともオモシロイところなんだ。
ここでは具体名(どこやらの〆はなにやらである----等の)を挙げず、参考物件を紹介するにとどめよう。

琳派のアイコンとして有名な「風神雷神図」である。
   俵屋宗達によるA (1630年頃)
   尾形光琳によるB (1710年頃)
   酒井抱一によるC (1820年頃)
彼等の描いた風神雷神図A~Cを比較して見られよ。
作品完成についておおよそ100年間の開きがあり、ご案内のようにBがAを、CがBをお手本にしているといわれている。お手本どころかじっくり模写したともされている。
またご案内のようにABCの順で優れているといわれている(I THINK SO, TOO.
YOU THINK SO,DON'T YOU WELL?)。

さらにご案内のように。
光琳のB、および抱一のCの眼はお互いを見ている。見つめ合っているし視線が合っているのだ。

ひるがえって宗達のAである。眼が合っているとはしにくい、風神は正面やや手前を、雷神は斜め下を向いているのだが…………。なおかつ最優秀であり、国宝。

                   <2007/07/06掲載分に画像を追加、加筆再構成して再掲>
コメント
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