みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

雪音の徒然声 デューンその4

2014-09-09 22:09:32 | 日記
ある晩、デューンの上に薄い雲が張りました。
自分の姿がそれで隠れるとデューンはとうとう泣き出しました。もうなにもかも嫌になっていました。自分の無力さも、伝わらないもどかしい想いも。
「どうしたの?」
驚いたのは雲です。その声は優しくてつい、デューンは何もかも雲に打ち明けました。
すると、
「ひとつだけ方法はあるよ」
雲は思いがけないことを言いました。
この雲はいつも旅をしているので色んな事を知っているのです。
「え?」
驚くデューンに雲はゆっくり話し始めました。
「君は流れ星を知っているかい?」
「流れ星?」
「そう、僕は何度か見たことがあるけどね、君たち星が自分の体の限界まで熱くして輝き続けると、下にスーっと落ちるんだ」
「どうやるの?」
「自分の大切な者への想いや、それに対する哀しみ、そう、今の君みたいな想いをたくさんたくさん体に詰めて体を重くして落ちるんだ」
デューンは嬉しそうに笑いました。
「そうしたら、あたしもお月様の側に行けるのね」

続く~




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