ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

かぜのてのひら~俵万智

2021-08-18 08:08:08 | 本の少し
 ☆☆☆
俵万智さんの第二歌集。24歳の早春から28歳の冬の終わりまで。「書く」ことを人生の真ん中におきたいと、その間に教員生活も終了。でも、最初の「サラダ日記」との波長が合いすぎていたのか、今回の短歌、ぴったりとくるものが少なし、残念。

470余首の中から、気にったのは7首、ほんと残念です。

百枚の手紙を君に書きたくて書けずに終わりかけている夏
こだわればきりなき言葉残される冬のこおろぎ鳴きやまぬ夜
早朝の祇園を行けばうっすらと鰹のだしのにおいがよぎる
マシュマロのような文字書く少女らにハートと星の書き順を聞く
アルバイトの感想聞けばまだお金もらってないからわからぬと言う
おしまいにするはずだった恋なのにしりきれとんぼにしっぽがはえる
ゆっくりと濡れてゆく葉を見ておれば雨の匂いの濃き昼下がり


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