ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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第八回・熊取松喬一門会

2010-05-16 23:43:37 | 笑福亭松喬一門

熊取・松喬一門会


煉瓦館・元紡績工場跡、煉瓦の壁にはノコギリ型の跡が・・・。

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熊取の煉瓦館で、松喬さんの一門会・・・・凄い今や実力揃いの一門の面々が集う。
立派なホールに、260人程の超満員。今回で、既に、八回目とか。



一、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」

北までの料金が10銭、市電も出てくるので、大正時代か。
最近の「いらち俥」は、市電との衝突シーンなど、大スペクタルで
演じられるのが多いが、風喬さん、しんどいと言いながら、
全体的には、大正時代のセピア色の原本をみているようで、
いたっておとなしめ。・・・・それが、また、味になってましたが。

オチは、「ここはどこ」・・「これより、津軽海峡、、戻りまひょか」
「いや、ここで、ちょうどええわ・・・・・・
大阪駅から汽車に乗って、青森に来ようと思うてたから」と・・・、
風喬さんの「いらち俥」、これだけでも、十分、新鮮でおますな。、


二、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「看板の一」

得意の、レストランと実家の運送屋での、アルバイトネタのマクラ。
なんとも言えない、味のある右喬さんの世界がはじまる。

「看板の一」も、この頃の右喬さんのパターンで、
なぜか、登場人物全員が肩に力が入ったような状態。

客も、元博打打ちのおやっさんなどを、聴いていたら
翌日、全員、筋肉痛になりそうなくらい、、どんどん、肩に力が入る。

一度、さらりと、虚脱感のある、右喬さんの落語、聴いてみたい気がしますな。


三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「隣の桜」(鼻ねじ)

出て来るなり、今流行りの「食べるラー油」のつくり方を披露。
家に帰って嫁さんに話すと、ほんま、流行っているそうで、
こんな、ホットな話題を提供してくれるだけで、
生喬さんの高座、楽しくなる。

噺は、「隣の桜」、丁稚のおもしろさは、師匠譲りのおもしろさで、
普段、固めの、学者肌の雰囲気とは違って、、
軽い噺の生喬さん、とっても、魅力的でしたな。
(そういえば、昔、「つる」を聴いて感心したのを、思いだしました。)

四、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鹿政談」

大仏さんと、串本の鯨が大きさを競った、
「鯨が、勝ったが、なぜ」・・「クジラ(鯨)の方が、カネ(曲)よりも。二尺大きい」と
勉強になりますな。「三作石子詰め」、「おから」、「キラズ」、「卯の花」など、
最後のオチに向って、懇切、丁寧に、一つ一つの言葉の説明を行なう。

こんなところ、何か、中学校の古典の先生の話しを聞いているよう、
でも、こんな先生、おったら、生徒には、大人気ですな。

三喬さん、最後の最後にして、千慮の一失というか、言い間違い。
ここまで、懸命に演ってきたのにと、三喬さん、舞台で落胆の表情。

でも、客にとっては、そんなこと、たいした事や、おまへん・・
楽しく格調高い、「鹿政談」、十分楽しませて、もらいましたで。


五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「壺算」

花粉症で、鼻声で調子が悪いが、お許しを・・・と。

前半の、二人の掛け合いが、最高に楽しい。
怒ったり、怒られたり、むきになたっりと、二人の仲は、羨ましい。


「壷算」、瀬戸物屋の番頭、何かおかしいと気づいて、
このまま帰してはならないと思ってはいるが、解らない。

その時の、松喬さんの、自分でも、解っているのにと、アホの表情が最高であり。
そこが、この噺が、単に、詐欺まがいの行為にならないのが救い。

でも、どんどん、聴いているうちに、私たち客も、終いに、番頭と同じ立場で
考えている自分に、気付く・・・・・・恐るべし、松喬さんの話術ですな。


六、遊喬、喬若、生寿、喬介、右喬・・・・・「大喜利」

なぞかけ、今流行りの、「ととのいました」、人気の「ねづっち」に負けないよう、
遊喬さんの司会で、喬若、生寿、喬介、右喬さんが、
「柏餅」、「ツイッター」、「鯉のぼり」などに挑戦。

そのあと、「通天閣・・高い・・高いはダイヤモンド・・」の通天閣を。
(これ、正式名でしゃろか)
お客さんから、題を二つもらって、それを繋げる。
一つは「鯛焼き→バナナボート」、そして「上海万博→・・・・・・」でしたが。

ボケ役は、喬介、右喬さんと思いきや、先頭の喬若さんも大ボケ。
やはり、芸人、感心されるより、笑われる方が愉しいのか。
案外、遊喬さんと、喬若さんだけが常に、しっかりと、進行を考えていて、
喬介、右喬さんあたりは、いたって自然体だったりして。

年一回の、熊取・松喬一門会ですが
会場の雰囲気といい、季節といい、ほんま心地好い、落語会でおましたで。


第八回・熊取松喬一門会
2010年5月16日(日)午後2:00開演
熊取・煉瓦館

一、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
二、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「看板の一」
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「隣の桜」
四、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「鹿政談」
仲入り
五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「壺算」
六、遊喬、喬若、生寿、喬介、右喬・・・・・「大喜利」

10-25-110


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