ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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木津川計・さよなら記念講演会

2010-08-08 23:35:55 | 街で

ありがとう東岸和田市民センター
木津川計・さよなら記念講演会「落語の時代がやってきた」


この、S56年にでき、30年の歴史がある東岸和田市民センターが
駅前開発でこの11月に移転する。


木津川計氏は、1968年に自ら創刊した「上方芸能」の編集長を長年勤め、
能、狂言、歌舞伎、文楽、落語、漫才にいたるまで、幅広く京阪神の芸能や
大阪文化を紹介されてきた。

まずは、江戸と上方の違い。
江戸時代、江戸の人口は100万人、その内武士は50万人、
方や大阪は、40万人で、武士は4千人。武士は江戸では、二人に一人、
上方では、百人に一人で、特に大阪は、平和主義で、気くばりの街であったと。

言葉も、曖昧さが特徴で、相手に思いやりの言葉である、
「暑いの、暑ないの」、暑いの違い無いのだが、

「行くの、行かへんの」返事が、「行きま」だが、「行きます」、「行きまへん」と
実際は肯定の返事だが、どちらでもとれるし、
商品が気に入らんと、「また帰りにでも寄らしてもらうわ」と曖昧に断わる
これが大阪人の言葉であり、気遣いであると。

言葉は時代と共に変る。
良い女を「娘」、家に縛りつけるで「嫁」、古くなって「姑」、すべて男性の立場から
できた言葉。女に至るで「姪」、男に生れるで「甥」までが。
でも、いまや、男女同権、いやそれ以上に女性が本来の強さを発揮されている時代。
次の時代には、主人とか家内とかの呼び方にも変化が。

米朝さんは、物知りだけではなくあのひとは、訳知り・・と。
その米朝さんに、落語には男のアホは多く登場するが、
なぜ女のアホは登場しないのかと、問うと、絶句されたそうだ。

まあ、女性は生活の場で賢くなり、所帯を切盛りするのは女性であり、
落語の場合、あるある、そういうことあるあるが基本ですから、
女性のアホは実例が無いということですな。

あそこは、おやっさんはあれやけど、おかみさんがしっかりしたはるさかい
まあ、尻にひかれた、かかあ天下が、最高の夫婦関係ですな。

「鹿政談」と「天狗裁き」を例に、人の心の機微を表すのが落語、
経済的余裕と、時間的余裕と、心の余裕のある
高年齢者の皆さん是非落語の世界ヘと。

最後に、上方落語の隆盛が明治20年~30年で落語家が150人
今、繁昌亭ができて、今や250人。上方落語の全盛時代を向えています。

この、20年~30年のうちに、次の名人が必ず誕生しますと、
次の春團治に続く名人誕生なんて、それを見れるなんて楽しみですな。

御自分でも、おっしゃっていましたが、噺家さんの稽古を積み重ねた「話芸」
私らの場合は、単なる「話術」だと・・・謙遜されていましたが、練られた「話術」に
たっぷり楽しませてもらいましたで・・・。
コメント
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