今日は英国パンダ先生のテストでした。
過去2回と同じく、グラマー、ライティング、リスニングと三つ巴で3時間。
あれから少しずつ努力しているリスニング、
すぐに結果がでるとか甘いことは考えていませんが、せめて個別指導を受けることはありませんように。
なお、パンダ氏のパーソナリティについては、このあたりをご参照ください。→アメリカにも行けない毎日、祝、初上陸!!
パンダ氏は言うことも手加減ナシなら、出す宿題の量も手加減ナシ。
容赦なくたんまりと出してくださいます。
先日なんか、日曜午後に8つもファイルを添付したメールを送りつけてきたんですよ。
プリントアウトしたら40枚近くになりました!
アンビリバボーです。
半分は今までの解答やらですが、半分はこれからやるべきプリント。
「やるかどうかはまかせるけど、テストも近いし、僕はやったほうがいいと思うよ~。
Happy studying (haha *evil laugh*)」と。
ええ、確かにあなたはエヴィルですよ、
というかデビルです。
そのくせ、フェイスブックでゲーム仲間に誘い込もうとするし…
(私たちと仲良くしたいのではなく、仲間を増やすとタダでポイントがもらえるとか、そういうのではないかと。)
アンタの宿題のせいで、こっちはそれどころじゃない、ってんですよ。
ですが、ごくまれにカンタンな宿題に救われることもあります。
その代表例がコレ。
今日はこの宿題の解答をめぐる、英国パンダ先生の授業風景についてご紹介します。
この宿題は、
3人の女性のキッチンについての記述を読んで各質問に答える、というもの。
左から、
中流階級の平凡なイタリア人主婦、
相当お金持ちなカリフォルニア在住の生活アドバイザー、
貧しい階級のインドのバンガローという地方に住む主婦。
記述というのが、
家族構成、お家の間取り、冷蔵庫や食品棚にあるもの、キッチンや暮らしに対する本人の思い、などなど。
で、質問というのが、本人や夫の職業、どんなキッチンか、どんなものを食べているのか、本人の満足度は?
といったところ。
すべての質問に対する答えが、箇条書きの記述から拾うだけ、という、
この上なく単純で、まったく考えなくてよいカンタンなもの。
最初はイタリア人主婦、サンティナさんについてでした。
職業は?…主婦。
夫の職業は?…機械工。
どんなキッチンなの?…12平方メートルと大きくないけれど、使い勝手がよい。
記述から拾うだけだから、順調に答え合わせが進みます。
どんなものを食べているの?
これもカンタン、冷蔵庫や棚にあるものを順にあげたらいいだけ。
私の隣に座る東京外大の才媛、Hちゃんがあてられました。
天然に見えて実は賢い彼女にはこんなの、まったく物足りない質問かと。
「野菜、水、ワイン、タマゴ、チーズ、ハム…トマト缶、豆類、はちみつ、お手製ジャム」
リストを読み上げるように、もれなく答えました。
なのに!
英国パンダ氏が見下すような視線で、「ブー」と。
そのにくにくしい言い方といったら。
何がもれているっていうの?
彼女、全部言ったと思うけど?
彼女自身もきょとん。
「庭には何がいるんだ?」
ああ、そうでした。
サンティナさん、庭でにわとりとウサギを飼っているんですよ。
「あっ、スイマセン。チキンがもれていました。チキンも食べていますね」と、Hちゃん。
するとパンダ氏はイライラと言いました。
「チキンと?と?…ラビット、だろ?」
「えっ?ラビット…もですか?」
ショックを受けた様子のHちゃんは、思わず復唱。
「そうだ、ラビットも入れるんだ」
目を見開いて、フリーズしてしまったHちゃん。
彼女に追い討ちをかけるパンダ氏。
「彼女はふつうのイタリア人だ。
庭でラビットを飼ってるんだったら、
それは食べるために決まってるだろ!」
ノォォオオオォォォ~!!
両手で頭を抱えたHちゃんの
アヒルのように突き出したくちびるから発せられた悲鳴が、教室にこだまします。
楽しそうにパンダ氏が続けます。
「どうして?何が"ノォォオオオォォォ~!!"なんだ?
ラビット、あれはおいしいぞ。
殺すのだってカンタンだ」
うっとりと舌なめずりをしながら、
親指と人差し指を突き出して、クィッとウサギの首をひねる真似をして、
舌をタンッと鳴らすパンダ氏。
ノォォオオオォォォ~!!
泣きそうなHちゃんの前で、クイッ、タンッ、を再びやるパンダ氏。
完全に面白がってます。
「シンガポールにおいしいラビットを出すレストランがないのは残念だ」
とか言いながら、
笑顔で、クイッ、タンッ、をしつこく繰り返すパンダ氏。
そこへ割って入った声が。
「ティーチャー!!」
ミャンマー人のヤン君です。
「なんだ?」
パンダ氏、Hちゃんで遊んでいるのを邪魔されて、とたんに不機嫌に。
眉間にしわが。
空気の読めないヤン君はおかまいなしに発言。
「ティーチャー!
ネコは入れなくていいんですか?」
その瞬間、パンダ氏がフリーズ。
大きな目をさらに大きく見開いて、呼吸も完全停止。
(ちなみにこの時、ヤン君を除く全員がフリーズしていました。)
でもそこは、若く見えてもアジアで英語を教えて早10年、
目を閉じて深呼吸すると、静かに答えました。
「彼女はふつうのイタリア人だ。ネコは入れなくていいだろう」
ヤン君が食い下がります。
「ふつうのイタリア人はネコを食べないのですか?」
また目を見開いたパンダ氏、今度は間髪いれずに即答しました。
「ああ。ふつうのイタリア人はネコを食べない。
君は知らないかもしれないが、
世界中の、ほとんどのふつうの人はネコを食べないんだ」
ノォォオオオォォォ~!!
やっとフリーズが溶けたHちゃんの、何テンポも遅れた叫び声。
確かに私もこれはショックでした。
私自身もウサギは食べたことはあるけれど、ネコを食べる国があるとは知らなんだ。
納得がいかない様子のヤン君は、
斜め前に座る中国人美女のダイアンにぼそぼそと確認しています。
「そうなのか?」
仲間にされそうになって、ダイアンは迷惑そうに、
「だって、犬じゃないんでしょ?食べないわよ」。
「うん、犬じゃないんだし、食べないなあ」と、韓国人男性も美女を援護。
ノォォオオオォォォ~!!
再び、Hちゃんの悲鳴がこだま。
彼女には犬食も衝撃だったようで。
「お互いの文化に対する理解がどれだけ深まっても、
食文化には絶対踏み込めない領域がある、
と、つまり今日の結論はこういうことだな」
すっかり冷静を取り戻したパンダ氏が、上手にまとめてこの日の授業は終わりました。
海外で英語を習うと、
日本では考えられないような意見が飛び出して、なかなか刺激的です。
最後に付け加えておきますと、
サンティナさんが飼っていたのは、にわとりとウサギだけ。
ネコの記述はどこにもありません。
ヤン君、やっぱり不思議君。
写真はバレンタインデー当日にクラスで配られたお菓子たち。
左写真のクッキーはシンガポーリアンの先生が差し入れ、チョコレートはマイちゃんとHちゃんから。
右写真は日本人のA君が持ってきてくれたロイズの生チョコ。
ロイズ、シンガポールに何店舗もあり、人気です。
日本のチョコレートのおいしさに、クラスメートみんなが感激で、日本人としては鼻が高い。
ごちそうさまでした。
思わずググっちゃいました。
でも見られませんでした。
食文化なのだから。
牛はよくて豚はよくて犬猫はだめ、というのも
理性では欺瞞的な気がしますが、
ああ、やっぱり駄目です。
赤毛のアンとか、大草原の小さな家シリーズとか、
女の子の好きなお話にだって、
飼っている鳥や家畜を絞めて調理するところだって出てくる。
人間はこうやって生きているのだ、
目をそむけてはいけないんだ、とおもうんだけど。
こういうの聞くと、momoさんベジタリアン正解、とか思っちゃいますね。
自分の偽善者ぶりに嫌になっちゃいますけど。
こちらにはスーパーに、カンガルー肉や、ラビットは、game meat として普通に売ってます。
でも、鯨の話はご法度だと思います。
夫の同僚の奥さまは、道路に車にはねられたて(笑)のキジをみつけて、自宅に持ち帰って食べたそうです(笑)
(おふたりとも大学卒・教養ある方で、BBCアクセントです(笑))
そういえば、リスパイという料理もあります(おいしいです)。
先生のお宅に行く途中に、「ベビーラビットあります」という看板がありますが、食用なのかペット用なのか...
ねこを食べる国があるんですねえ。
犬は大丈夫だけど、猫は化けてでそうだし食べるところは少なそうですけどねぇ(苦笑)
長女の韓国人の友達が「うちのおじいちゃんが犬を買うのは、食べる時だけだ」って言ってたそうです...
批判的意見にとらわれたくないので聞けないままです。
そんなつもりはないので。
おっしゃるように、どの動物まで許されるかは、
違う食文化の人間が決めることでもないし、
個人的な意見としては、
命を奪うという点で全部同じだと思うから。
だけど肉食の文化を否定するつもりはありません。
『いのちの食べかた』というDVDがあって、
「あれはお肉を食べる人にはぜひ見てもらいたい」
と、クラスメートのUさんがおっしゃってました。
彼女自身は元マクロビアン、今は肉食ですが、
命ある動物がお肉になるまでの過程は
命をいただくものとして知っておくべきだと。
私は見たことがないのですが、
本やテレビの特集で知識はあるので、
彼女の意見に賛成です。
肉食に限らず、食べることは
命に感謝することであってほしいです。
ヤン君、いつもおたんこなすな発言をしては
パンダ氏に銃殺ジェスチャーの標的にされているわけですが、
この発言はそれができないほど
パンダ氏にも衝撃だったようです。
私もエジプト人の友人に
「日本の公園にはハトがわんさかで、よだれが出たよ。
誰も捕まえようとしないなんて、さすが豊かな国は違う」と言われたことが。
かの国ではハト料理は大変なごちそうなのです。
また、田舎育ちの私はキジもたんぱく源だったので、
キジお持ち帰りの奥さまに親近感が。
子ども時代を過ごした自宅の裏はわが家の雑木林。
私有地だし、あたりは禁猟エリアなのに
シーズンになると時々猟師さんがやってきて。
撃ち落とされたキジがわが家の庭に落ちてきたり、
初代の犬が優秀(?)で、猟犬たちに追われながらも
獲物をかすめとってきたりしたものです。
祖父や父はそれらを上手に解体して、
わが家のおかずになっていたというわけです。
「ベビーラビット」は…食用なのでしょうねえ。
「リスパイ」のお話で納得したことが。
パンダ氏によると、女性をリスやウサギに例えるのは失礼だと。
日本人からすると、
どっちもかわいいからほめ言葉になると思ったので意外。
彼ら、どっちも食べちゃうわけですもんね。
韓国の犬食。
ソウル旅行中、ふつうに犬鍋レストランを見つけてしまい、
一般的なんだ、とショックだった記憶が。
やっぱり結構一般的なんですね。
シロさん(←わが家のどうしようもない愛犬)、
よかったね、日本に生まれて。
ネコ食、一般的なのか、おいしいからなのか、貧しさからなのか、
かの国に対する知識がないだけに気になります。
彼が質問を発したその瞬間、
クラスに衝撃が走ったのが忘れられません。
確かに衝撃ですが、日本もネコ皮を三味線に利用するわけだし、
お肉も皮も全部利用するというなら、
発想としてはより健全なような気もします。