車好きでなくても魅入られるが、車好きならきっともっと、魅入られる。

大人も満足のほろ甘いコメディ・アニメ。
2006年 アメリカ アニメ、ファンタジー、コメディ
2006年7月1日 ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘
監督・脚本 ジョン・ラセター(Mr.インクレディブル、ファインディング・ニモ、モンスターズ・インク、トイ・ストーリー)
声の出演 オーソン・ウィルソン(ロイヤル・テネンバウムズ)、ポール・ニューマン(ロード・トゥ・パーディション、ハスラー2ほか)、ボニー・ハント(夏休みのレモネード、モンスターズ・インク、グリーンマイル)
(出演作品などは私が観たものに限る)
虫、モンスター、海の世界などを描いてきたピクサー社が、今度は自動車が人間のように暮している世界を描いた。

ピストン・カップの優勝候補・若き新人・ライトニング・マックイーン(オーソン・ウィルソン)は天才レーサーである。しかし、性格に問題があって友達もいないし、信頼できるクルーもいない。

優勝をかけたレース場に向かう途上で、ちょっとしたトラブルがありルート66で置き去りにされてしまう彼。

行方不明とされた彼が置き去りにされたのは地図にもなく忘れられた街・ラジエター・スプリングスだった。

壊してしまった道を直すために無理矢理足止めにされた彼だったが、次第に街の人々(車々?)と親しくなり・・・・
気が付いたら人間が一人も出てこなかったことに気が付くほど車が人間っぽい。

それぞれの車種をデフォルメした顔と性格。車のアニメなのに、こんな人、いる、いると思わせるキャラ自体はにやりとさせられるし、案外リアルである。

この手のキャラ作りにかけてはピクサーの右に出るものはないだろう。

特に気になるキャラも数人(数車?)いる。診療所を経営している穏やかな老人=ドック・ハドソン(ポール・ニューマン)は人間味豊か、タイヤショップのルイジとグイドは超イタリヤひいきだし、誇り高き退役軍人のサージも印象深い。

声優陣はポール・ニューマンもメインキャラ担当で参加して本格派である。それに、ストーリーはスピード至上主義の現代への風刺も入れていて、大人っぽい。

音楽もルート66にもこだわっているところも大人向き。

もちろん、子どもにも楽しめる要素がいっぱいなので、家族で楽しめる作品だろう。

ま、当然ながら大人である私は、字幕版をお勧めするが。
レース場面のスピード感があり、実写ではないかと思えるほどの画像があったかと思うと、アニメでしかありえないアングルも駆使して独自の世界観を作り上げているのは見事。

技術面では最高峰だと再認識するばかりである。
映像面においてもストーリーにおいても素晴らしかった作品でしたね。車に目と口があるだけなのに、凄く人間ぽく見えてしまうのが不思議です。
自分は吹き替え版で観たんですけど、ぐっさん(山口智充)の声が凄かったです♪
なかなか評判の良いこの作品。ポール・ニューマンのなんとも渋い声が聞こえる字幕版をお勧めですが、ぐっさんはきっと良い声の演技をしているのでしょうね。俳優としてのぐっさんに「新撰組!」で感心した一人です。吹き替え版も侮れないと知りました。