ティエリー・デデュー著 柳田邦男訳:講談社
高校生の娘が柳田邦男さんの講演を聞いてきたのですが、涙なしには聞けなかったと言っていました。
その中で、紹介された絵本がいくつかあり、これはその一つです。
ヤクーバは成人の儀式として、ライオンを一人で殺すことを要求されます。なんの疑問も持たず、その儀式を遂行しようと闇の中、ライオンを待ちます。
そして、一頭の傷ついたライオンがヤクーバの前に立ち…ヤクーバに選択を迫ります。
「殺して英雄になること」と「殺さない勇気を持って、村人の蔑みを受けること」
いろいろと考えさせられる絵本でした。
今、終わりのない報復による殺し合いが続く世界の中で「殺さない勇気」を持つこと、ぎりぎりの状況の中で、相手を「信頼」すること・・・
ライオンとヤクーバの間に結ばれた絆を人間同士、国同士は、持つことができないのでしょうか。