Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

日本平で「きょうだい会」(1)

2017-01-30 23:19:50 | Weblog

 確か父が80歳代になったばかりのころ、子供たちは両親を囲んでの「きょうだい会」を行うようになった。それは両親が亡くなった現在も続いている。この5人のきょうだいも2年前の4月、母が96歳で死んだあと、難病に侵されていた末弟もその後を追うように母のもとに旅立っていった。残った4人のきょうだいは、両親が言い残した「きょうだい仲良く」と云って言葉を守り「きょうだい会」をその後も続いている。前回は昨年5月きょうだい4人で北陸新幹線が金沢まで繋がった北陸に2泊3日の旅行を行い北陸の名所旧跡を訪ねた。

 今回は遠出を避け「日本平ホテル」で行うことにした。ここは温泉は出ないが、雪をいただく富士山を眺め、清水市街と三保の松原が眼下に広がり駿河湾の絶景が望めるところで、晴れた日は素晴らしいロケーションが広がっている。きょうだい達は、ここに泊まりたいとの希望から決まった。しかし前々日の1月28日になって、三島の弟がインフルエンザで行けないとの連絡があり3人のきょうだい会となるところであったが、妹の子(姪)が参加してくれることから、予約通り4人で行うことになった。正午に川崎の妹を静岡駅で迎え、昼食を食べてから両親の仏壇に線香をあげ、その足で菩提寺に行き墓参りをした後、姪が運転する自動車で日本平ホテルに入った。

 この日本平ホテルは、5年ほど前にリニューアルし、ここからの素晴らしい富士山展望をメインにオープンしたところで、その後、種々のサミット等開かれ、旅行客にも人気のあるホテルとなっている。私達が入った部屋は、正面に富士山が聳えていた。いつも見ている富士山であったが、その素晴らしさは格別で声を出すところであった。夕方になると眼下の清水の夜景と湾曲して見える駿河湾と遠く伊豆半島の明かりが見える光景は、日本3大夜景に遜色ない美しさに見えた。きょうだい達は尽きることのない話に夜が更けるのも忘れて語り合った。それに私たち伯父さんや叔母さんの中にあって明るくユーモアのある姪は、楽しさを倍増してくれた。

 夕食は日本料理を食べた。これは美味しかったが、私には、このホテルの品格からすると物足りなかった。妹は「ここは富士山の絶景がメインであり贅沢は云えない」と云ったが期待していただけに残念であった。周りを見渡すと、私と同年代の夫妻が多く来ていて聞き取る会話にも品の良さを感じた。それに引替えこのきょうだい達は声が大きく、「どこかのアジア人と間違えるよ」姪が云ったがうなずける思いであった。それにしても、両親のもと5人のきょうだいとして育ったが、今各々が独立し、それなりに苦労や楽しみもあるが、そうしたことを超越し昔の子供に返って話しが出来た。我に返り、育ててくれた両親への気持ちと、いま年輪を重ねた自分のことを考えていた。