Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

「衣装をつけろ」の楽譜届く

2016-09-03 22:32:26 | Weblog

 中学生のころは、オペラのアリアを歌うのが好きであった。それは中学2年のときオペラ「椿姫」を聴きに行ってからのことであったが、その後幾つかのオペラのアリアを聴くようになった。当時私はテノールの高い声が出たのかわからないがオペラのアリアはテノールの曲が多かった。その中で、オペラ「道化師」の中のアリア「衣装をつけろ」を聴いた。しかし原曲は高音であり聴くだけの曲であった。しかし歌ってみたい願望は持っていた。60代後半になって、音程を下げて、幾つかのアリアを歌ってきたが、この曲だけは歌えなかった。

 この「衣装をつけろ」は、座長カ二オが、妻ネッダの浮気を知りながら苦悩に耐えて道化の衣装をつけながら、舞台に立ってみんなを笑わせなければならない立場を嘆き歌うアリアでカニオの痛切な歌声に心深く響くものであった。壮絶な劇中劇であり、この感情を歌い上げることはできないと思った。しかし、私も年を重ね、今ならこうした歌も歌えるのでないかと考えた。ただ原曲のような高音は出ないし、音程を下げた楽譜も手に入らないかと思った。また今年8月7日にグランシップで行われた音楽祭「音楽の広場」で福井敬がこの歌を歌った。

 感動したが、そんな折友人から、「貴方なら歌えると思う」とこの歌を勧められた。しかし原曲の最高音は「シ」であり私の音域では無理な音であった。また音楽の世界では、オペラなどは楽譜の音程を下げることは邪道であるような雰囲気があるようだ。このことは直接言われたことはないが、きっと作曲者の意図を損ねることになるとの思いがあるのかもしれない。そんなジレンマの中で、インターネットを見ていると偶然ではあるが、原曲の歌の音程を、上げ下げして楽譜を作る業者を見つけた。それは大阪にある楽譜出版会社であり、電話すると、適切な反応をしてくれた。そこで最高音「ファ」として譜面化することを頼んだ。

 注文から2日目の9月2日その楽譜が送られてきた。内容はA-4 3枚の楽譜が入っていて注文した通りのものであった。昨年も原曲の楽譜を下げた楽譜を探していたが、2年がかりで探し当てた。こうしたことは音楽愛好者の間では知られたことなのかもしれないが私にとっては奇跡のような出来事で喜んだ。平成29年2月にアマチュアのコンサートがあり3年ほど出ているが、この時歌いたいと思っている。しかし今の段階では楽譜が手に入っただけで、間に合うか分からない。しかし偶然もらったチャンスであり生かしたいと思っている。