Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

金木犀の香り

2012-11-03 22:06:28 | Weblog
 今年は夏の暑さが9月以降も続いたことが原因なのか、10月中旬に開花する金木犀が今満開を迎えている。我家の庭にも樹高4m程になった木があり、良い香りをとどけてくれる。いろいろの香りを持つ木や花があるが、この花の香りは一番好きである。この木は勢い良い木で6m近い木であったが一昨年樹高を詰めた。樹高も然ることながら、それより樹幅を広げて隣りにある夏蜜柑木とザクロの木を覆うようになり密集していた。そこでその時樹高と樹幅を2m近く詰めて3本の木が互いに触れないようにした。日当たりが良くなったのか、昨年は綺麗に咲いた。しかしその後だと思うが直撃した台風によってザクロの木が傾いてしまった。その時ザクロの木は高さ1m程の所から伐採した。しかしザクロの木の切り株から新芽が伸びて来ている。それ故3本の木は樹高を整えまだ残っている。

 朝散歩すると、近くの公園や、民家の庭でも金木犀の花が咲いていた。それは木全体が黄金色になっていて、葉の緑色が見えないくらい沢山の花をつけていた。しかし我家の金木犀は昨年も剪定とすいて太陽の光が木の中に入るようにした。しかし樹勢が強いのか、その後新芽が伸び、葉が全体を覆い、丸く刈り込んだ樹形は緑色の葉で隙間なく覆われていた。そのためか花が咲いても緑の葉の中に黄金色の花が見える程度であった。他で見た金木犀と違って我家の金木犀は緑が勝っているようである。しかし香りの強く、今朝見てきた他の物には負けないほど遠くまで匂いを運んでいた。

 数年前中国桂林を旅したとき、川べりに10m近い木が群生していた。その時のガイドが「これは木犀の木で秋には香りの強い芳香を出し桂林の町全体が香りで覆われる。そしてここの木は銀木犀が多いこと。中国では木犀のことを桂と言い、地名も桂(木犀)の林が多い町から桂林となった」こんなことを聞いた。この木も中国原産の木であり日本とは違って高木であったとの印象だ。調べるとこの金木犀の花言葉は謙虚、謙遜、真実といった意味であった。奥ゆかしさを感ずる花言葉であり、また静岡県の県木でもあった。多分静岡はこの木が多いものと思った。

 この花の命は短い。まだ現在は花は落ちないが、落花の時は木の周りは黄金の絨毯をちりばめたような光景が広がる。金木犀が存在感を示すのはこの花が咲いた時であり、それも一年の内一週間ほどの短い期間である。その後実が成ることはない不思議な木であるが庭木として欠かすことができない木となっている。