ストローバレイ家の介護奮闘記

90→→92歳の母を支える4姉妹の泣き笑い奮闘記・・とその後

リヒテンシュタイン展

2012-10-29 20:45:04 | 日常
               
      「マリア・デ・タシスの肖像」(アンソニー・ヴァン・ダイク)(HPより)

好天にさそわれて、六本木・国立新美術館で開催中の「リヒテンシュタイン秘宝展」を、夫と一緒に見に行って来ました。

リヒテンシュタインというのは、スイスとオーストリアに挟まれた立憲君主制の小さな国家です。そのリヒテンシュタイン候国の『国家元首であるリヒテンシュタイン公爵家が優れた美術品収集こそが一族の栄誉との家訓のもと、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を収集』(HPより)。その3万点に及ぶ絵画、美術品の中から、今回は139点が公開・展示されています。

館内には、ルーベンス、ラファエッロ、レンブラント、ヴァン・ダイクなど巨匠の絵画や、様々な美術品、調度品がふんだんに並んでいます。調和のとれたルネッサンス、絢爛豪華なバロック、優しさの漂うビーダーマイヤー(新古典主義)など、個性の違った作風を存分に楽しみ、豪華な暮らしの気分を味わうことができました。

そんな中で、特に印象に残った作品を3つ上げるとすれば、その第一は、ヴァン・ダイクの「マリア・デ・タシスの肖像」。気品溢れる姿と人間的な表情が何とも魅力的。絵の色合いも豪華、かつ落着いていて、とても美しい。見ていて豊かな気持ちになります。

               
     「ベツレヘムの人口調査」(ピーテル・ブリューゲル2世)(絵葉書)

二番目は、ピーテル・ブリューゲル2世の「ベツレヘムの人口調査」。これは遠目に見て、今年1月に見た映画「ブリューゲルの動く絵」と雰囲気が似ているな、と思って近付いてみたら、あのブリューゲルの息子の作品で、作品説明に「ピーテル・ブリューゲルに倣う」という添え書きがありました。成る程ね!右下の方にラバに乗ったマリアとその傍らにヨセフが描かれていて、日常の暮らしの中に聖書の中の話が溶け込んでいるところなど、パパ・ブリューゲルの手法をしっかり受け継いでいます。

               
          「ぜんまい仕掛けの酒器」(ヨアヒム・フリース)(絵葉書)

もうひとつは、「美と技の部屋」というコーナーにあった「ぜんまい仕掛けの酒器(牡鹿に乗るディアナ」というものです。金と銀の美しい細工ですが、牡鹿も犬や猿や兎も何だか愛嬌があります。でも、何より楽しいのは、台座にぜんまい仕掛けがあって、それを回すと酒器全体が回転、止まった時に牡鹿の頭が向いた所に座った客が、酒器の蓋である牡鹿の頭部を外して中のお酒を飲める、という半ば遊び道具だというところです。作品の横にはぜんまいで動かした様子の映像が見られるようになっていました。

今回も大勢の見学客がいて、余りゆったりした環境ではなかったのは残念でしたが、日常と離れた世界に浸り、17~18世紀のヨーロッパ貴族の暮らしに思いを巡らすひと時は、とても贅沢で心の栄養になりました。「いつか、リヒテンシュタイン候国に行ってみたいね」・・・夫と私の、最終的な感想です。(三女)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初体験 | トップ | ハッピー・ハロウィン »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日常」カテゴリの最新記事