akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

第3回楽芸会~美術と音楽の出会い~

2007-02-04 | 映画・芸術・エンターテインメント
茅ヶ崎のハスキーズギャラリーでのアートコラボレーション「楽芸会」。
今年は「和」をテーマに、絵画、彫刻、オブジェ、書、陶芸、ガラス工芸、CG等17人のアーティストが出展、4日には音楽や語りのイベントが開かれ、今年も出演して参りました。

美術家であり、76才で現役のホイト芸パフォーマ-でもある黒田オサムさんと、ピアニストでダンサーでもある清水友美さんと私とのコラボレーション。お話をいただいた時は、どうなることかと思いましたが、黒田さんが美術家になるに到った子どものころのエピソードを紙芝居仕立てにし、それに即興音楽をつけていただいて、なかなか面白いものになりました。絵を黒田さんが書き、彼の話を元に私が構成して語る。昭和初期の、村の紙芝居のお兄さんに弟子入りしたエピソードはほのぼのとしたものになり、お客さんも笑顔で、なにより、黒田さん御本人がたいへん喜んで下さり、ほっとしました。

黒田さんのパフォーマンスと風貌はかなり独特です。ホイト芸、つまり乞食芸は、戦後の貧しい時代に門付をして歩いた即興のへんな踊りで、今やそれを芸として見せているのはおそらく黒田さんくらいです。
茶わんを鳴らして歌い、寝たりはねたり。土下座し、投げ銭の入った鍋に頭を突っ込み、お金を乞う。果ては下ネタも飛び出す。哀愁、みじめさ、嘲笑や蔑みといった空気が漂うので、正直、見ていてあまり気持ちのいいものではありませんし、理解しにくい(ごめんなさい)、というか受け入れにくいと思うのですが、こうやって食い繋いできた人と時代があったんだなあと思わせる貴重なパフォーマンスです。海外公演も随分なさっていて、風変わりな風貌と踊りと歌が、言葉の通じない国々ではけっこうウケているようです。「笑われているだけですからねえ」とご本人はいいますが、文字どおり「自分を捨てて笑われてなんぼ」だったんですから。
この踊りに即興で音楽をつけるというのは、これまたたいへんです。ピアニストの清水さんは、途中でダンスに加わるなどしながら、次が読めない黒田さんの奇想天外な動きに合わせ絶妙に演奏していて、感心してしまいました。

その他に、サックスとドラムのジャズ演奏、清水さんのピアノと林潤さんのギターによるミニライブなど、イベントも盛り沢山で、楽しい一日を過ごしました。

この会は、17人が出展しているだけあって、作品も作風もいろいろで楽しめます。
昨年は、ここで愛用の土鍋を購入しましたが、今年は富岡誠一さんの陶器(マグカップ)とガラス工芸のノグチミエコさんのアクセサリーを買ってきました。
手作りのものは、その場に作者がいて、一点しかなくて、デザインが気に入るとすぐに欲しくなってしまいます。デパートに行っても、ほとんど食指が動かない人なのに。

ものを作る人たちの集団は面白いです。たくさんの方がいらして下さり、楽しいひとときを過ごさせていただきました。
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