木燃人の波止場

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1653 超マクロ撮影(18)レンズの性能

2017-08-16 13:03:03 | カメラ写真

 更なる超マクロ撮影を進めるに当たって、色々検討しているが、高性能化し続けるコンパクトデジタルカメラを使う方式に取りかかったが、購入した場合予備機になるとは言う物の今ここで投資をすることに疑問を抱き、何故コンデジが良いのかを問い直してみたら、確かにメリットが大きそうではあるが、いまいち釈然としないのである。 

 一方で私は四本の、望遠マクロレンズを持っており、今の最新型コンデジ程の性能ではないが、これらを有効に使うことで、よりよい写真が撮ることは出来ないものかと思い始めたので、ここで改めて、従来以上の高倍率撮影がどこまで可能であるか、更には、焦点距離の短さを活用して、焦点深度を深く出来ないか、などとその性能について考えてみた。 

  従来の実験には、180mmを使用してきたので、これを焦点距離の短い物にすれば、その外形が細くなることから、リングストロボの光が被写体に届きやすくなることをも期待したのであった。 なお、コンバージョンレンズは、その取付けが簡単でなく、また、ワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)が短いことから、今回の調査には含めないことにする。

 

1. 現状手持ちマクロレンズ

 ①  40mm 絞り2.8/22 フィルター径 φ52  Nikon
 ②  60mm    2          φ55  Tamron
 ③  90mm   2.8/32         φ55   〃
 ④ 180mm   3.5/32         φ72   〃  

 

2. 超マクロ撮影の性能比較

 データ表の意味   長さの単位:mm (以下同) 
 接写リング  合計長さ  (Kenko商品名 Extension Tube)
 横長さ    映像センサに写り込む被写体の横長さ
 倍率     最大撮影倍率 
 レンズ端   ワーキングディスタンス
 センサ面   映像センサ面から被写体までの距離

 

 2.1 レンズ40mm、テレコン(Kenko商品名 Teleplus)なし

レンズ:40mm
テレコン:ナシ
接写リング
012203236485668
横長さ 22.0 17.0 14.9 12.4 11.4 10.0  9.3 8.2
倍 率1.11.41.61.92.12.42.52.9
レンズ端2920161311985
センサ 面160165166175179190195207

   私が持つマクロレンズの中では、最も焦点距離が短く、レンズ外形も細いので、最大の期待を寄せているにもかかわらず、ワーキングディスタンスが、格段に短く、これでは、いくらレンズ外径が細くとも、ストロボの光が被写体に届かない。 このレンズのみメーカーも異なり、他のレンズは十分な距離があることから、レンズの“造り“が特殊なのかも知れない。 

  上表に於いて、接写リングに68mm付けたとき、倍率は2.9などと低いのに、ワーキングディスタンスが5mmでは、到底実用にはならない事が判明した。 よって、このレンズはこの先の測定を中止する。

 

 2.2 レンズ60mm 

レンズ:60mm
テレコン:ナシ
接写リング
012203236485668
横長さ23.318.717.014.413.812.011.210.0
倍 率1.01.31.41.61.72.02.12.4
レンズ端10089758079757369
センサ 面232234237241247256258271

  

レンズ:60mm
テレコン:2.0
接写リング
012203236485668
横長さ12.410.510.08.88.47.67.16.6
倍 率1.92.22.42.72.83.13.33.6
レンズ端9894949191908987
センサ 面271277283295298312313326

   撮影倍率には不満が残る物の、ワーキングディスタンスは、この条件では最短69mmあり、手頃な距離であると言える。レンズ先端の外径寸法は、次の90mmと同じであり、倍率は少し低いが、焦点距離が短いので、この利点をうまく使えば良いわけで、重量も軽くて、小さいメリットもあり、結構使えるレンズである。

 

 2.3 レンズ90mm 

レンズ:90mm
テレコン:ナシ
接写リング
012203236485668
横長さ23.019.118.015.415.113.212.811.3
倍 率1.01.21.31.51.61.81.82.1
レンズ端9381787169636259
センサ 面295296300305308315318331

  

レンズ:90mm
テレコン:2.0
接写リング
012203236485668
横長さ12.710.910.29.18.97.97.56.8
倍 率1.92.22.32.62.63.03.13.5
レンズ端9289888785838381
センサ 面330342346354360369373389

   倍率は伸びないが、ワーキングディスタンスは、最低59mmあり、実用上の支障は多くないが、このレンズのみ近接撮影(倍率向上)になると道鏡が出てくるので、テレコンや接写リングなどを多く付けることは、大砲のように一方的に長くなり、カメラへ掛かる荷重が大きくなる事に留意すべきと考える。 

 このレンズは最も早く購入しており、鏡筒が繰り出す構造になっているが、その後のレンズはレンズの構成でこれを回避しているようで、最新のものへの買い換えが望まれる。

 

 2.4 レンズ180mm

レンズ:180mm
テレコン:ナシ
接写リング
012203236485668
横長さ22.719.818.716.816.314.914.313.4
倍 率1.01.21.31.41.41.61.61.8
レンズ端241229225218215209207203
センサ 面463463464467473480488498

 前に詳しく載せており、重複するので、参考までにテレコンも付けない状態のデータのみを掲載した。 このレンズは他のレンズに比べ、極端に大きくて重いので、外に持ち出した事は一度も無いほどであり、倍率も大きくないことから、利用範囲は限定される。 長所と言えばワーキングディスタンスが長く、小動物等近寄れない被写体には向いている。

 

3. 性能比較グラフ

 これらのデータをより分り易くし、一目で分かるようにするために、グラフを書いてみた。 

 3.1 接写リングもテレコンも付けない、レンズのみの場合

 

  このグラフから、180mmのレンズは図体が大きいのに、意外なことに、撮影倍率は最も低く、被写体は最大13mmちょいのものが画面一杯に写るが、40mmレンズになると、8mmちょいの物が画面一杯に写り、その倍率は3近くになると、これだけは頭に叩き込まなければならない。

 

3.2 テレコンを装着した場合

 40mmレンズは、ワーキングディスタンスが短すぎて実用にならないし、180mmは、大きくて重い上に、倍率が上がらないので、一部のデータ採取は省略した。

 

 

  次はテレコン2.0を装着した場合

 

 

  接写リングは主レンズと映像センサの間に入るが、中空であるからレンズなど光学的な邪魔者は入らないが、テレコンはレンズを使って、光学的に距離を大幅に長くするものであり、光学的には邪魔者になるから、出来るだけ使わない方が良質な画像を作る事が出来る。

 よって、使わないに超したことはないが、使えばかように倍率が上がるのである。 つまり、60mmレンズを使い、接写リング68mmを使った場合、テレコン無しでは、2.4倍位のものが、テレコン1.4を使えば2.6倍近くになり、テレコン2.0を使うと3.5倍の撮影が出来るのである。 この辺りを記憶に止め置くと、使うときの効率がかなりアップするのであるが・・・・?。

 

 4. 結論

 撮影倍率が1.0を越える“超マクロ撮影”に於いては、過去は最も焦点距離の長い180mmを基準にしていたが、 今回の調査結果から、使い勝手も含めると、60mmが最も適していることを新しく発見した。 コンバージョンレンズの試用も含め、今後は60mmを中心に考えることにする。  
 なお、コンデジについては、止めた訳ではなく、60mmの更なる深掘りを当面の課題とするので、若干先送りとするのである。

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