家なき子ごっこ

どちらかというとおバカさんの系統に入る飼い主。部屋に見慣れぬ大きなダンボール箱があったので。とりあえずもぐりこんで体育座りして、捨てられた子犬遊び(もくれんで再現写真撮影)。もちろん飼い主、可愛くもなんともないので。通行人は誰ひとりかまっちゃくれません。つーか、部屋の中だから通行人いないし。

そんなバカにも付き合ってくれる、心優しい犬５頭。まず、ぬいぐるみくわえたもくれんが。たたっ、と駆け寄ってきて、ポイ。ぬいぐるみを箱の中へ、恵まれないコに愛の手を。茶色の連中はよってたかって顔なめまくり「元気だしなよー」。ミカはミカで一所懸命、ダンボールに前足かけてぴょんぴょんぴょんぴょん…中が見えないっ何やってんのっ。
反応が良いなあ、きみたち。ダンボール箱って、説得力があるんだな。

まあまあ。一緒に、捨てられた気分を味わってみるのはどうだい？誘ってみたら迷わずピョイ。飛び込んできたのはもちろん大毛玉。飼い主のまたの間にすっぽり収まって「拾って拾って～」。いやいや、だから通行人いないから。だいたい、おまえの場合はホレ。さっき本人が放り投げ入れたぬいぐるみを拾って、外に投げ捨てると。ハッ！と飛び出て「拾わなきゃっ」。…行っちゃった。

つきあいが良いったって、いちばん飼い主に近いおバカさんでも、こんなもんか。そりゃあそうだよね。むしろドニーやかれんに「捨てられた子犬遊び」なんてやられても、タービュレンのイメージがな。壊れちゃうよな。と、思ったら。いきなり横からボゥン。飛び込んできたネクストおバカさん。すいれん。
確かに、俺が誘ったかもしれないよ。でも、ダンボール大きいったって限度があるわけよ。もくれんに比べてどれだけデカイのよキミは。飼い主の上に降ってきたイキオイで、ばりっ。ダンボール箱の背中部分が破れて、ひっくり返りそうになるおバカさんコンビ。拾ってもらえそうにないね、これは。