タイトル:ニワトリはハダシだ
ジャンル:社会派ヒューマンドラマ/日本/PG12
映画館:イメージフォーラム2(108席)
鑑賞日時:11月21日(日)16:00から、約45人
私の満足度:100% こんな作品がみれて嬉しい。
オススメ度:80% また見に行く予定。
支離滅裂になる一歩手前で勝負するような
あとひとつつめこまれると見ている私も破綻しそうな
展開であったが、文句なしに感動できた。こまかいところは、
映画を見たあとに、シナリオを読んでも、時系列や位置関係で、
よくわからないところがあるが、そういうところでも
結構泣かされました。なにがそんなによかったといわれても
理詰めでなかなか説明できないのですが、ひとことで言えば
主人公である知的障害者勇(サムと呼ばれる)を取り巻く人々と
その生活空間が発するエネルギーに心を奪われたということで
しょうか?
私は情報集中なんていわれてる東京に住んでいますが、
電気といえば、スイッチとか請求書
自衛隊といえば、ニュース映像 しか思い浮かびません。
でも、冒頭のシーンで通学汽船の横を通る巨大な自衛艦を
みたり、サムがはじめて潜水夫として海にもぐるとき
チチが「あそこは発電所の取水口ゆうて、どえらい
水が吸いこまれとるオトロシイとこや、絶対近寄ったら
あかん」というのを聞くと電気も自衛隊もさぞかしリアルな
ものとして生活しているんだろうなあというのが伝わって
来たのです。そして、その人間の生活のリアルな頂点として
主人公のサムがいるわけで、監督がサム的存在に対して言って
られる「不可逆的に終末へと向う滅亡期への地球への、
最後の抑止力ではないか」 という言葉に説得力を感じたので
ありました。
主人公サム(浜上竜也)は、とても重度の知的障害者には
みえませんでしたがその無垢な表情と笑い顔は、それだけで
幸せな気分にしてくれます。別居してハハとくらす妹役
(守山玲愛)も、がんばって演じてるのが見えてしまいますが
このふたりが向き合ったり、おでこをあわせたりするしぐさと
表情は、最高でした。
でも、もっと最高だったのはチチ(原田芳雄)とハハ(倍賞美津子)。
サムのことを思い、一生懸命だけど空回りする、無骨で哀しく
カッコよくちょっと下品なチチ。教育方針があわんとかで別れて
くらしてるという設定だけと、「なんでわかれるか」というくらい
いい女で、強い女性でもあるハハ。(映画をみていて、アントニオ
猪木はどうして別れちゃったんだろうと思いました。映画には
関係ありませんが。)
ストーリーも、場面も、人間関係も、スパゲティのように
からまった映画ですが、それぞれの登場人物の気持ちは
ストレートに伝わってきました。
これで今年の私の超満足作品は
チルソクの夏、ドッグウィル、オアシス、HAZAN、
ニワトリはハダシだの5本になりました。
また見に言って、感想書く予定です。
・2年半ぶりの鑑賞「ニワトリはハダシだ」 もっともっと映画で活躍してほしい女優 肘井美佳
・ニワトリはハダシだ の シナリオ
・12/23鑑賞会へむけて なぜ「ニワトリはハダシだ」か?
・ニワトリはハダシだ と 浮島丸訴訟
・ニワトリはハダシだ@映画生活
「ニワトリはハダシだ」@Woman eXcite >>
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「ニワトリはハダシだ」は知人の薦めがあり、しかも撮影協力者に別の知人というか団体というかがなっているので、めったに出ない渋谷まで行って見たのでした。
かつて見た『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』に通ずる森崎流社会派喜劇で、ともかくもっきぃさんが書かれるように、いろいろな要素が盛り込まれた映画。底に流れるのは、地べたでまじめに生きる人たちの、権力やお金をにぎっている人たちへの怒り。
監督や直子先生役の新人・肘井美佳さんは、私の知る知的障がい者の通うフリースクールなどを見学したそうで、浜上くんの知的障がい児役もなかなかはまっていました。あのような感じの障がい児を何人か知っているので、とてもリアリティがありました。
ストーリーはやや荒唐無稽ですが、それこそ森崎流です。
「おもしろくて、ためになる」というのは、こういう映画です。
「PG12」だったとは知りませんでした。「へその下」がその理由だとしたら、お笑いです。脱糞シーンもまずかったのかな? 映倫の感覚は浮き世離れしてますね!
「~党宣言」いいですよー!でも薦めた友人がレンタルに無い、と言っていたので、どうしたらいいのでしょうね。
あ、これ随分前の話なんですね。観られたのでしょうか?
私も見ました。
映画の舞台となっている舞鶴市で育ち、いまは関東某市在住です。
かなりの部分が見たことのある風景で、それだけでなつかしい気持ちになりました。
森崎東監督の作品は初めてでしたが、もっと見てみたいと思いました。
キャストも皆よかった!
こちらからもトラバさせてください。
また来ます。
私が「ニワトリハダシだ」を見た、大阪・第七藝術劇場に掲示してあった、森崎監督インタビュー?にこんな感じのコメントがありました。
「知的障がい児を起用した理由は、ある母親が、『うちの子を皆に知ってもらいたい。うちの子はこんなに面白いんだって、大声で言いたい』と言っているのを聞いたからだ」(この母親の気持ち、私もわかります)
だからといって、それだけの映画を作るわけで無く、ありとあらゆるテーマを盛りこんであるところが、この映画の凄いところですよね。
「生きる勇気」が湧いてくる、そんな映画だと思いました。
でも、こちらは舞鶴に近いので、そのうちロケ地にいきたいなあと思ってます。