もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「キンキーブーツ」

2006-09-21 22:35:52 | 映画
イギリス映画の実話物って、当たりが多いですが、
これも当たりでした。

父の急逝により、
田舎町の靴工場を継ぐことになったチャーリー。
なんだかサエナイ彼に従業員もいまいちついてこず、
父が隠していた取引先の倒産も発覚。
時代は一生物の靴よりも使い捨ての安い靴に移っていた。
何事も父親の言うようには上手くはやれない、
とコンプレックスを持っているチャーリー。

出先のロンドンで
チンピラに絡まれている大柄な女性を助けようとして、
ハプニングで自分が気絶。
目が覚めたのは彼女の楽屋。
彼女ローラはドラッグクイーンだったのだ。

会社を立て直すために
首切りもしたけれど、先は見えない。
そこで起死回生、チャーリーはキンキーブーツを作ることにした。
ドラッグクイーン達は女性物の靴に無理やり足を押し込めているため、
大変な思いをしているので、需要はあるはずだ。
チャーリーはローラに協力を求める。

でも、偏見の強い田舎町では、試作品作りも隠れてやらなければならない。
そこにローラがドレスにヒールでやって来る。
興味津々の従業員達を尻目に、
試作品のごついヒールのブーツを見たローラは、
「こんなんじゃダメ!赤じゃなきゃ!ヒールは細くなきゃ!」
と下世話な言葉で怒鳴りまくる。

はたしてキンキーブーツを従業員は作ってくれるのか?
工場は再建できるのか?

ローラ役が素晴らしい。
歌う場面が多々あるのだけれど、
上手いし雰囲気がある。
男の格好になると自信が全く無くなるのに、
ドレスを着れば無敵のローラになる、その変わり方も上手い。

チャーリーもローラも、
父の呪縛から逃れられないでいた。
男親と息子というのは、母親と娘とは違うねじれ方をするものだ。

笑えるし、ハートウォーミングだし、
マイノリティについても少し考えるし、
面白い作品でした。
字幕(翻訳)が超クールです。
コメント (6)
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YOSITOMO NARA + graf  “AtoZ” その4

2006-09-20 22:22:25 | アート
二階に上がるのは人数制限があって、ボランティアさんが上と下で仕切っていて、
待合ベンチもある。
20分くらい待ったけど、二階に上がるのは初めてだし、
階段が急なのでドキドキする。
上がりきると、木の桟橋が長く長く続いていて、その先に黒い部屋。
この桟橋“尾瀬”というらしい。
とても広い黒い部屋の床も一面に黒くて、金の船が浮かんでいるのを
『海かなぁ』と見ていたら後ろにいた子供が「黒い海だよ」と言っていた。
奥のほうにはすごーく大きいグミガール(“Puff Marshie”)が、
ポツンポツンと3つ浮かんでいる。
不思議な空間。

「秘すれば花」の時にあったコンテナ?の中にミニチュアのアトリエがあり、
奈良作品も小さくなってるのを、穴から覗く仕様。
金ぴかの船は上に乗れるし、
船室にも作品が飾ってあるのをボラさんが教えてくれた。
曲がりくねった桟橋の突き当たりは八角小屋で、中には皿絵が6枚。
新作ばかりなので、去年私の心を鷲づかみにした女の子はいなかった。
桟橋から見るグミガールが、なんか、胸に迫る。

桟橋を戻って小部屋に入って行って、そこにも作品があるんだけれど、
気になる穴を覗いたら、そこにも作品が!
第一研究室は奈良さんとgrafの作業準備室。
日程表や打ち合わせメモや、図面やペンキや端材や
諸々の準備の様子がそのままに感じられる雑然さ。
メモなんかを読んでいると面白いんだけれど、先に進めないぐらいの量。
すごく面白い。
出口近くに板切れに「無病息災」と書いてあったのを見て、
『そりゃあ、これだけ作るのには無病息災だわ』と思った。

隣は奈良さんの描きかけの作品が置かれていて、
絵の具や画材が散らばっていて、今にも奈良さんが続きを描きに来そうな感じ。
ああっ、“もりおかわんこ”の原型見損ねたっ!

部屋の外には、タイの子供たちが作った
似てるけど全然違う沢山の犬と犬小屋がずらり。
学校の椅子のでっかいやつもあったし、
大きいAtoZ3人娘のサイコロパズルは、難しくて一人しかできなかった。
ザッツ小屋の裏側にある窓に、なんか、三つ連なる木がひっそりありまして、
二階も終わり。

一日目は途中でトイレに行って(一度外に出る)少し休んで、
3時間くらいかかって見終わった。
それでも、見きれない気分があって、
二日目は好きなポイントだけ、と思ったのに二時間近く見てしまった。
ものすごい歩くので、万歩計つけてたら面白いかも。

小屋は全部で40以上あるらしく(あえて調べない)
AtoZの街並みがスゴすぎて、パワーも莫大で、
楽しすぎて、集中しずぎて頭がぼおっとしてしまいましたよ。
暑気当たりならぬYNGあたり

奈良さんの全てがあるようで、
人間を構成する物質を集めても人間が作れないように、
奈良さんを解るというのは違う気がする。
プラスgrafが大きいというのもあるんだろうけど。

奈良作品とゲストの作品の違和感がなかったのも、
grafの小屋パワーかな。
なんといっても、grafのメンバーは5ヶ月間弘前に住んで、
作業を続けたというのだから、
本当に街を作ったのと同じパワーだよ。

あと、お客さんが幅広い年齢で、
子供連れだけではなく、三世代で来ている方も多くて、
感想を喋りあっているのもちっともうるさく感じず、
展覧会だけど展覧会じゃない、不思議な空間でした。

もう、この楽しさ、すごさは文章じゃ伝わらないと思うけど、
自分の思い出ということで。
コメント (3)
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YOSITOMO NARA + graf  “AtoZ” その3

2006-09-19 22:14:06 | アート
真ん中の八角堂には大好きな“Fountain of Life”が。
ぽたぽたと涙を流す姿を一年ぶりに見て、心がきゅっとする。
ぐるぐる回って、全部の窓から覗いて見る。

それからアーチを戻って、今度は奈良小屋。
壁画の女の子はまん丸の目をしている。
ドローイングルームを見るのは三回目だけれど、展覧会ごとに違うのね。
壁に貼ってあるドローイングから、散らばっているCDや画材や、
描きかけの作品やタバコの吸殻や、お気に入りのおもちゃなど、
雑多な物に囲まれて製作をしている奈良さんが目に浮かぶ。
小屋の内側から手すり越しにじっくり見た後、
外のガラス越しに、違う方向からまたじっくり見る。
壁に小山さんを見つけて、ひとりで笑った。
しゃがんで床の上もくまなく見ていたら、
椅子に乗せてある下の座布団に女の子の顔がついていて、
かわいくてまた笑う。
手作りだと思うんだけど、誰が作ったんだろう。
ここには随分と長い時間いた。

三軒長屋には80~90年代の作品が。
一番小さな小屋にひとりでいる木彫の“メーデルちゃん”に心ひかれた。
三回くらい見に行った。
この街の最後には(私の回ったルート)
高床式の“タイペイ サマー ハウス”がどぉーんと。
ジャックプレベールの詩を高畑勲が訳して、奈良さんの絵を添えた本
「鳥への挨拶」が一面に貼ってある。
のかと思いきや、手描きで新しく絵が描きくわえられている!
どこが印刷の線なのか、手描きなのか、
ここでも、しゃがんでみたり立ってみたり。
おおっ、AtoZ3人娘は、実は4人娘なの?!
さすがに詩を全部読む時間はなかったのだけれど、
本屋で見たときも思ったが、言葉と絵がすごく合っているんだよね。
そして、小屋の裏を回ったら床下を覗いてる人たちが。
あ、ここになつかしいわんこたちがいた。
そして、手を差し入れると回るの!
もちろん手を入れて回して見たよ。

“森で会いましょう”のネオンの下をくぐって、次の展示室へ。

明るい手作り休憩室を通り過ぎ
(二日目は休んでみた。ぼーっとできる空間でした)
タイル張りのひんやりとした部屋には“ニュー八角堂”が。
テントみたいな屋根の下に、涙を流すわんこがいる。
このコに会うのも久しぶり。

二つの白いパッチワークのテントの中には、川内倫子さんの写真。

次にはSML小屋が。
天井のSMLのアクリルにぎゅうっとつまったぬいぐるみが懐かしい。
S小屋の小さい椅子にはすでに腰掛けている人がいたので、覗いただけ。
M小屋は前はドローイングルームだったのが、
“SML”から“AtoZ”までの展覧会の流れが展示してある。
進化しているなぁ、奈良さんとgrafのパワー。
ピースマークのアクリルにぬいぐるみがつまっているのは、
ここのほかにもう一個あったなぁ、どこだっけ?

ついに二階に行きます。
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YOSITOMO NARA + graf  “AtoZ” その2

2006-09-18 21:34:44 | アート
“DOORS”は色違い形違いの5個のドアが並んでいて、
そのドアを開けて入るとひとつずつの中に作品がある。
HOPEちゃんが好き。

きりんがいる小屋の階段も登り、高見台にも登って、
アフガニスタンの写真が映し出されている小屋は窓から覗く仕様。
アーチを抜けて、中央広場に八角堂のある白い街並みに出る。
アーチのところの小屋には、かわいい女の子が3人。

窓が沢山ある小屋が気に入った。
廃材なので、ひとつずつ違う形の古い窓をちりばめるようにはめてあるので、
古い窓好きとしては、絵も気になるが窓枠と窓ガラスも魅力的。
ひとつずつちゃんと見た。
作品はよしもとばななとのコラボ作品なので
「会ったことありますよね」って感じのと、
宇宙船?に乗っている物語になっているドローイング。
(確かぺんぎんが出てきたはず)
そして、ゲスト作品の小屋を抜けたらそこはレコード部屋。
四方の壁すべてが、
奈良さんのフェバリットなのであろうLPジャケットで飾られている。
30代以上のお客さんがほとんど、「あれ知ってる」と自分の知っているジャケットを探していた。
私ももちろん探したけど、数枚しか知らなかった。
奈良ロック奥深し。

小さくて窓にビーズの下がった犬小屋に、いつもの犬の小さいのがいる部屋の階段を登って、
見晴らしのいい展望台に登る。
塀の上に猫が歩いているよ。
見渡すと、小屋の連なりが、というより街並みが一望できる。
本当に街なんだって。

各小屋の窓や入り口から、別の小屋の作品が見えるんだけれど、
(もちろん外からも見える)
違う小屋の違う窓から見ると雰囲気が違うんだよね~。
それがすごく楽しくて、どんどんあちこち覗いちゃう。
grafマジック?

その隣もすごく好きだった“星の部屋”
4,5回入ってしまった(二日間で)
ドアの取っ手がまず星の形なのだ。
そして中に入ると、暗い部屋の正面にほとんど壁一面の大きさの、
きらきらした“星子ちゃん”(勝手に命名)が。
すっごいかわいい!
そして天井からお星様がたくさんぶら下がっているのもステキ。
ボランティアさんもひっそりといるので、
星空に“星子ちゃん”と二人きり気分になってました。

まだ続きます。
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YOSITOMO NARA + graf  “AtoZ” その1

2006-09-17 20:32:04 | アート
過去二回とも煉瓦倉庫の使い方は違っていたけれど、
今回はなんと、倉庫の中に街が出現。

それ以上の視覚情報はあまり入れずに向かった煉瓦倉庫。
いつもとは違う道順で入っていったら、
いきなり芝生の上に“でっかいAtoZ”が!
木で出来てるみたいなの~。
ということはgraf作?
倉庫の壁面には大きな女の子がどぉーんと。
チケット売り場もクロークもトイレも、grafの小屋。
旅の荷物を預けて、身軽になっていざ入場。

入ってすぐに、ビルボードにロックな女の子がいる小さな小屋。キオスク?
右に曲がって(このスペース去年カフエだったと思う)
いよいよひとつめの小屋。
小屋の周りは回って見るべし!との過去の教訓を胸に
回り込むと、うふふ、
横の小窓から“あおもり犬”が観られたよ。
この小屋の壁にはハガキくらいの大きさの壁に、
奈良さんちっくなイラストにハングルを書き添えたものが隙間無く貼られていた。
思わずハングルを読んでしまうじゃないか。
ソウルの展覧会でお客さんが描いたものらしい。
(当たり前だけどハングルでもクセ字ってあるのね)
全部読むとここだけで疲れ果てそうなので、
きりのいいところで次へ。

そして、ひとつずつ思い出すと夜も更けるし明けるし、
長文になるので感想は特に印象深いものを。

トンネルを抜けると、街!本当に街並みが広がっている。
平屋あり二階建てあり、小屋というか家。
ここだけで26軒あるのか?
人が沢山歩いているのも(観客)街っぽいのさね。
右回りに進むことにする。
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モエレ沼公園に行ってきた。

2006-09-16 23:46:49 | Weblog
夏の炎天下を避けて、
何年かぶりにモエレ沼公園に行ってきた。
お目当ては”海の噴水”
一日に一回のフルプログラム。
(ショートは二回)
最大25mまで上がる噴水に始まり、
海のようにうねったり、霧状になったり、
40分間飽きない噴水ショー。
面白かったよ~。
水しぶきあびまくりだよ~。

ワンコ連れの方が結構いたのだが、
噴水に吠えまくる犬がいた。
見たことないモンでびっくりしたのかな?
まあ、噴水好きの犬というのもあまり聞かないし。

調子に乗って、
標高62mのモエレ山にがしがし登ったら、
7分目くらいで太ももぷるぷるになり、
息切れした。
運動不足なんだねぇ。
幼児を肩車して登っている父さんの後姿に、
「男って大変」と思う独り者。
頂上は風が強かったけれど、
天気が良くて遠くまで見えた。

公園の敷地はとても広いので
レンタサイクルに乗ってる人が沢山いましたが、
私自転車乗れないのだ。
これから行く方は、ぜひ自転車で。
徒歩で全部は回れません。

前回行った時にはなかったガラスのピラミッドで、
ひと休みして帰って来ましたが、
たいそうステキな公園ですよ。
札幌市民はもっと自慢していいんじゃないかな。
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弘前旅日記2~まだまだ夜行列車で行こう

2006-09-15 21:03:54 | 旅日記
なんだか固めの古い椅子。
リクライニングって苦手だったりするので、
かきんと背筋を伸ばしたままの私を乗せて
列車は出発。

まだ10時だし、スガさんのPARADEをBGMに夜の風景を見る。
お月様はどこまでついてくるのやら。

途中、千歳や南千歳でも乗り込んでくる人が結構いる。
夜中に移動するというのは、
どこでも寝られる人にとってはいい手段なのかも。
通路を挟んだお隣さんなんて、PCで仕事してるよ、
こんなアナログな空間で。
街が途切れたら車内が暗くなるまでは
森茉莉の「ドッキリチャンネル」を読んでいた。

確か苫小牧を過ぎた辺りで、車内灯が落とされた。
ふと見ると若者が椅子に横になって寝ている。
おお、彼が横になれるなら
“ちいさいさん156cm”の私は楽勝なのでは。
枕が替わると眠れない性質なので眠剤を飲んで、
BGMをSMAPに変えて、顔にタオルをのっけて、靴を脱いで、
足を折り曲げて横になると、ジャストサイズでございました。
(ぎゅうぎゅうともいう)
かたたん・かたたん
線路の音が頭に響いて次第にうとうと。
でも、小一時間ごとに目が覚めて、
その度に水を飲んだりトイレに行ったり、と細切れに睡眠。
熟睡模様の他の人がちょっとうらやましい。

9月9日
目が覚めたら青森で、
ぼーっと「あっちは海かなぁ」外を見ていたら
朝日が昇ってきた。
久しぶりだ、朝日を見るのなんて。
見ているうちにどんどん上ってゆくね、当たり前だけど。

そして、青森駅5時半に降り立つと、
当然ながら店がいっこも開いてない。
駅前ビルの地下に朝から開いてる市場があるのを調べてたので行ってみたけど、
店の人はたらたらと準備中。
食堂のおばちゃんには「まだダメ」って言われちゃった。
6時からって書いてるのに・・・。
仕方なく唯一開いてたコンビニでおにぎりを購入。
「あたためますか?」って聞いてくれないのね、
しゃっこいおにぎり食べるのね。
海側に行くもごはんスペースがないので、
駅の待合室(小さくて何故かTVが三台)でちまちま食べて、
ぼーっとして(頭が働かないので読書ができん)
7時に開くハンバーガーショップに行ってジュース飲んで
bagを抱えて“ぐー”と寝て、
8時過ぎの列車でいよいよ弘前に。

(この文章どこまで続くのか不明)
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秋ごはん。

2006-09-15 19:52:47 | Weblog
さんまの生姜煮。
新じゃがとわかめの味噌汁。
ひよこ豆のサラダ。
そして、
今年初のイクラのしょうゆ漬け作成。
明日の朝はイクラ丼。
秋がきたんだねぇ。
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こんなところにAtoZ

2006-09-14 23:55:56 | アート
紀伊国屋のアートコーナーの
アラーキーの写真集のそばに
弘前で開催中の「AtoZ」のポスターが貼ってありました。
2階なんて最近上がっていないので、
気がつかなかった。
札幌市内にまだ貼ってるとこあるのかも。
ポスターを見かけた人、
弘前まで観に行ってくれい。
楽しいぞ。

あ、アラーキーの講演会について
調べるの忘れてた。
でも、眠いだす・・・。
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性悪猫 やまだ紫

2006-09-13 21:30:22 | BOOK
なんで今「性悪猫」か。
弘前で偶然であったフリマで、
青林堂版を100円で購入できたので。
私が持っているのは文庫だったのだ。

猫の目線で描かれる猫の生活。
90年発行の文庫版を読んだ時に深く深く印象に残ったのが、
母猫の語り。
~わたしはね 子を産むとき 「母親のわたし」も 一緒に産んだよ
子を育てつ 「母親のわたし」も育てるよ~
その時は、
母親というのはそういうものかも、
と思ったけれど、
「母親」じゃなくても「仕事」でもなんでも、
時間のかかるものは一緒に育つものだろう、
と今は思っている。
はなから上手く出来ることなんて、何もない気がする。

そして、今回は
拾われてなお安心できぬ野良猫の語り
~わたし野良だもの なんだって平気よ
衣はすりきれて 食はすえて 住いは朽ちて
持たないことは 恐くないよ
持ってしまうと 恐くなるよ 失くすのが 恐いよ~
この言葉が胸にぐいぐい押し寄せる。

孤独は質を変え顔を変え、いつも隣にいるから
温かいものに寄っていくのが恐いのは
あたしが野良だってことかしら。
コメント (2)
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