moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

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北の国のコーヒー

2005-10-27 23:13:32 | コラム、というか
ィンランドでは「コーヒー」に困ることはないけれど、「おいしいコーヒー」は飲めないものとあきらめている。

そもそも日本とフィンランドでは、「コーヒー」という飲み物にたいするとらえかたが根本的にちがうのではないか。手元にあった『みちづれ』という三浦哲郎の短編をぱらぱらやっていたら、たまたまこんな《風景》と出会った。

横殴りの雪の中を歩いて連絡船の待合室のたどりついた主人公の姿がそこにある。「雪に濡れた頬をぬぐい、冷えた歯に滲みるコーヒーをちびちびと飲む」。さらに、「コーヒーカップのほとぼりで手を暖めながら、見るとはなしに眺めていると、(以下略)」。

ここに登場するのは、ちがいのわかるオトコやオンナがたしなむ嗜好品としてのコーヒーではない。北に暮らすひとにとってのそれはもっと「実用品」にちかいもの、ときに暖をとったり、長い夜を静かにやり過ごすための、いわば必需品としてのコーヒーなのではないだろうか。

おいしいコーヒーをぼくらが求めている以上に、あるいはフィンランドのひとびとは北に生きるものとしてコーヒーそれじたいを求めているのかもしれない。必需品であればこその「一人あたりのコーヒー消費量世界一」、つくづくそんな気がする。
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