野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

レースをパソコン観戦しての続き

2019-01-09 06:23:40 | モータースポーツ
先日(6日)に開催されたAMAスーパークロス第1戦の結果は、優勝がヤマハワークスのJ.Barcia、2位はホンダワークスのKen Roczen、3位はカワサキワークスのE.Tomac選手と順当な結果となった。LIVE TIMINGでレース展開を確認後、公開された動画をみると、当日は雨で路面には少々水溜まりあり。例年であれば、南カリフォルニアには青空が広がるはずだったが、低気圧の通過で夕方から雨が降り出したようだ。降雨を受けても路面はよく整備されマディ状態にはならなかったものの、滑りやすい路面には変わりなく、ライダーは転倒しないように慎重に走行しているようにみえた。何時もの晴れ路面にみられる迫力あるレース展開だったとは言えず、こう言う場面では往々にしてワークスよりプライベータの方が勝つ場合がある。遠い昔、あるチームは雨が降ったら喜んだものだ。

そんな路面状態に係らず、ホンダHRC所属のワークスライダーKen Roczen選手は2位につけてたので、ホンダの活躍を大いに期待している。プロ野球は巨人や阪神が強い方が盛り上がる様に、二輪のモータースポーツは二輪業界を牽引するホンダレースチームが活躍しないと面白さは半減するものだ。昔、ホンダが”American_Honda”というチーム名でレース参戦していた当時、世界のトップ選手を上位から根こそぎ契約し圧倒的プレゼンスを誇っていた時期があった。そこまでしてトップライダーを確保しないと勝てないのかと、ホンダのやり方に不満を覚えたこともあったが、勝ちに拘ると、その戦術、結果の求め方に、これがホンダのやり方だと言う見本だった。だが、当時のレースや業界は、打倒ホンダを目指しヤマハもカワサキもスズキも一流選手を揃え闘ったので大いに盛り上がった。それが、いつの間にか「勝てないホンダ」というのが代名詞となって長い期間が過ぎ、世界やアメリカのモトクロスシーンも日本のワークスを押しのけ欧州企業が名実ともトップに君臨している現実、今年、やっとホンダが昔の強いホンダらしくなってきた。やっと、面白くなってきたのだ。

加えてホンダにがっかりと言えば、数年前のホンダのモータースポーツ活動計画の記者会見ライブで、「ホンダは勝ちに拘る」とか「鈴鹿8耐では2年続けての惨敗だった」と何度も語ったわりには、勝ちに拘った具体的な対策・体制も構築せず、鈴鹿8耐40周年の記念の年なので必勝を期したいと言う言質についても、ホンダの現計画でヤマハワークスに勝てるのかの記者質問についても苦笑いするのみで、大いに失望した。結局、数年の屈辱から打倒ヤマハを目指してきたはずのホンダは3年続きの自滅と言う形での返り討ちにあってきた。二輪業界の雄、ホンダが数年前、二輪のワークス活動を復活すると聞いて、多くの二輪モータースポーツファンは小躍りして喜んできたが、他社に無いワークス体制を唯一採用している全日本モトクロス選手権でこそチャンピオンを獲得した地域を除けば惨敗続きに、昔の生き生きしたホンダのレース活動とは程遠くなったホンダの活動にがっかりしたものだ。

話しが少し逸れるが、大昔、NHKBS(BS放送開始当初頃)が毎日曜日の午後、AMAのスーパークロスレースを放送していた。
当時は、まだBS放送が普及していない時期だったので、近くの大型電気店でかじりついて見ていた。テレビの周りは同じく足を止めて観戦している人も多く、沸き立っていた。あるとき、当時の技術部長がUS出張された際、10万人収容の「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム」で開催されたスーパークロスレースを観戦された。帰国後、トップ走行のライダーが聖火台への登り口右コーナーでホンダ車に抜かれ、その負けた原因の討議が忘れられない。その場面はリピートで何度も繰り返し放送されたが、敗因を「立ち上がりパワーの不足」のマシンが悪いのか、それとも「ライダーのコーナーライン取りのまずさ」かで、数分議論となった。うまく言葉を選んでのらりくらり説明したら良かったのかもしれぬが、若気の至りもあって技術部長と相譲らずの議論をしてしまい、後から考えると破廉恥な言動だったと反省したものだった。当時の技術部長は、技術的論議には上下も無いと言うのが信念だったから良かったものの、自分の意見に固守する上司だったら、一歩間違ったら即飛ばされるところだった。同じような事例を、競合企業の担当者から直接聞いたことがある。NHKBSを見た、その会社の上司が、いちいちUS現地の担当者に即刻電話してきて、「あのサスの動きが良くない。即修正しろ」と指示されて困った困ったと言っていたと聞いた。日本で放送されるのも善し悪しだなと笑ってごまかした記憶がある。今はどうかは知らないが、当時は、こんな事など日常茶飯事だった。 何処のチームも、またその上位も、勝ちたかったのだ。湊川神社のお守りを車に付けて勝ったら、即刻数十個まとめて郵送してくれと米国からFAXが来た時はさすがに仰天したが、そんな大昔の時期もあったなーと、思いだした。

ところで、レースは企業の技術開発に貢献するかの疑問に対し、トヨタは全く勝てなかったF1から撤退し市販車ベースのWRCレースに技術的価値を求めて参戦しているが、その参戦理由を「TOYOTA GAZOO Racing」のFBに、「耐久性や性能試験のため、オートレースにおいて、その自動車の性能のありったけを発揮してみて、その優劣を争う所に改良進歩が行われ、モーターファンの興味を沸かすのである・・・。単なる興味本位のレースではなく、日本の乗用車製造事業の発達に、必要欠くべからざるものである」として、 レースから得られる技術は修羅場の現場からしか得られない本物の貴重な技術であると説明している。加えて、二輪・四輪の主市場であるアジア・アフリカ等新興国では、環境・安全技術の難しい説明より、『国際レースでの速さ』の方が「ブランド力に直結する」とも言われている。モータースポーツに参戦することによる、ブランド強化や技術力誇示は二輪や四輪生産企業にとって金食い虫と言われようと避けては通れない道だ。

先進国での二輪販売は底を打ったまま、当面はこのままで推移していくだろう。日本のホンダ、ヤマハ社は既に新興国に販売の軸足を移し収益を確保して久しい。製品のみを前面に出した生産中心の戦略はとうの昔に行き詰り、しかも圧倒的戦闘力をもった商品が出現する可能性が極めて薄い環境の中では、欧州二輪企業に見られるような自社ブランドやブランドイメージを含む末端サービスを消費者に常に訴え続けない限り、顧客は必然的に離れていく。自社の企業ブランドを最大限訴求するには、メディアを最大限に利用し、強いブランドを顧客に常にアピールし続けるのが得策だろう。成熟した市場では、強い「ブランドへの信頼性」が購入動機に繋がる確率が高く、ハードウエアのみの販売戦略から顧客サービス等のソフトウエアを中心においた戦略の方が顧客の脳裏深く刷りこまれる。テレビを主とする販売プロモーションは相当の費用がかかり過ぎると敬遠される一方で、毎週土曜日の夜、テレビからそしてパソコン上に企業名が連呼される。レースが好き嫌いという低次元の議論以前の話はさておき、スポーツ大国米国の末端はモータースポーツに高い興味を示す。これ程、利用価値が多岐にわたる安価なプロモーション活動は無いかもしれない。
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