不思議な話(ニーマンのピク詰め) -復刻版-

日常で体験した不思議な出来事や不可解な経験をランダムにアップするブログです。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

089 「白い彼岸花」

2012-09-05 20:01:29 | 不思議な話

 毎年このシーズンになると田んぼのあぜ道や川の土手に彼岸花を見ることができるのですが、時々その中に白い彼岸花を見かけることがあります。その儚げなたたずまいに魅せられて庭の花壇で育ててみたいと思うのですが、数日で花は枯れてしまうので球根の場所を特定できないまま年を越してしまいます。思えば10年くらいそんなことを繰り返しているように思います。

ところが2年前、何と念願だった「白い彼岸花」を思わぬ形でゲットできたのです。その白い彼岸花が咲いていた場所というのがビックリなのですが、9年前からほとんど毎日のように通っている散歩コースの土手に普通に咲いていたのです。7~8本の普通の赤い彼岸花に混じって2本咲いていたのですが、不思議なことに今までその場所で一度も彼岸花が咲いているのを見たことがないのです。

誰かが植えたのかとも思いましたが、花の配置や咲いている場所から考えるとそれはあり得ませんし、掘り起こした球根も何故か横向きに埋まっていて、人が植えたにしては少々乱暴過ぎます。何故そこに彼岸花が咲いたのかを真剣に考えたのですが納得のいく答えが出ました。



その年の7月頃に土手の一部を駐車場にするための工事をしているのです。そのときに土手にあった大きな穴を別の場所から持ってきた土で埋めているのです。その土の中に彼岸花の球根が紛れ込んでいたものと思われます。たまたま表面近くにあった球根が開花したのでしょうが、それにしてもそれが白い彼岸花の球根であったというのは驚きです。

今年も秋の日差しの中、庭の片隅に植えられた白い彼岸花はその妖艶な輝きを放ちながら午後の風に揺れることでしょう。


コオロギのアトリエ
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

088 「そっくりさん」

2012-09-04 18:56:08 | 驚いた話

 ある時期、嫌になるくらいある人に間違えられたことがあります。その人は私も良く知っている人で、着るものや持ち物のセンスが似通っているのは薄々感じていましたが、自分的には間違われるほど似ているとは思っていませんでした。

その人も絵を描いていましたので、美術館などで間違えられることが多かったのですが、福岡の美術館では、あるご婦人にどんなに説明しても信じてもらえず、仕舞には怒らせてしまったこともあります。その時期はそういう事が何度も続いたこともあり、常にそのことを気にしていました。



そんな時、ある美術関係の会合でその人と会う機会がありましたので、この際だと思い大幅なイメージチェンジをして会合に出席したのですが、偶然というのは恐ろしいもので、何とその人も同じようにイメージチェンジしていたのです。

驚いたのは、思い切って人生でこれまでに一度も履いたこともない種類の靴をチョイスしたにもかかわらず、その人も新品の全く同じ靴を履いていたのです。それを見たときはチョッとゾッとしました。

外見が似ていると思考まで似てくると言うことなのでしょうか。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

087 「ホーミー」

2012-09-03 19:19:55 | 驚いた話

15~6年前にホーミーに凝ったことがあります。ホーミーと言うのはモンゴルの民謡を歌うときに使う独特の発声法なのですが、同時に2音とか3音を出す発声法で素人にはかなり難しいものです。発声法には5種類あるらしいのですが私が知っているのは「口ホーミー」と「肺ホーミー」と「腹ホーミー」の3種類なのですがどれもまともには出来ません。

練習はもっぱら移動中の車の中に限られるのですが、どうかした拍子に偶然それらしい発声が出来ることがあります。あるとき偶然にほとんどモンゴルの人のホーミーのような発声が出来たことがあり、それが嬉しくて長時間声を出していたのですが、気がつくと車の窓ガラスが「カタカタカタカタ…」と共鳴しているのです。

更に続けると「ジィィィィィ…」という音に変化します。このまま続けると窓ガラスが割れてしまうような気がしましたので途中で中止したのですが、それ以来、どうも脊髄の調子が良くないのです。少し背骨がずれたのではないかと思われます。後になってわかったのですが適切な指導を受けずにホーミーの練習をすると身体に障害が出ることがあると聞きました。



今でも思い出したようにホーミーの発声をすることがあるのですが、もし私が車の中で絶命していたならそれは間違ったホーミーの練習が原因です。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

086 「そこだけ」

2012-09-02 18:37:09 | 訳のわからない話

 随分前にある知り合いの男性の車に同乗させてもらった時の話です。その男性とはそれほど親密なつき合いをしていたわけではないのですが、私より10歳年上ということもあり、話題が豊富でいろんな面白い話を聞けてとても楽しいドライブでした。

ところがどうしても納得がいかない数分間があるのです。その前後は全く何の問題もない楽しい会話が普通に続くのですが、数分間だけ何の脈絡もない意味のわからない暗い話になるのです。私の聞き違いだと思いましたがその内容自体はチャンとした文章になっていましたから、てっきり男性が冗談を言ったのだと思いました。

冗談にしてはあまり笑えない内容でしたし、なぜわざわざそんな不自然なタイミングで冗談を言ったのかがとても気になりましたので男性にそのことを聞いたのですが、男性は何のことかわからないと言うのです。最初は冗談の続きなのだと思っていたのですが、男性の話しぶりからすると、どうもそうではないようなのです。そのときの会話を再現するとこんな感じです。



男「…というわけでその魚は結局逃がしちゃったわけですよ。逃がした魚は大きいとはよく言ったもので……手遅れらしいですよ…定期的に病院で診てもらっていたのに、まさかそっちだとは誰も思いませんよ。気がついたときには全身に転移していたというわけで……でもね、あんな鯛はめったにお目にかかれるものじゃないですよ。3年前に70センチの鯛を…」

私「チョッと待ってくださいよ、手遅れってどういう意味ですか?」

男「…はい?」

私「いや、今、全身に転移して手遅れって…」

男「…何の話です?だから逃がした鯛が思いのほかビックサイズだったと言う話ですよ」

私「……はぁ…」

こんな感じです。気になって仕方ありませんでしたが、あまりしつこく聞くのも悪いと思い、その時は無理やり私の聞き違いだということにしたのです。その男性とはそれから2~3度お会いしましたが、そう言えばここ5~6年会っていません。元気で居られることとは思いますが…


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

085 「マウスピース」

2012-09-01 19:53:58 | 驚いた話

 福岡時代の話です。アーティストのKさんと私は、寮の2階の部屋を両端に別れて使っていました。他に誰もいませんでしたからどの部屋でも自由に使えたのですが、Kさんの歯ぎしりが尋常ではいということで、本人自らそれを望んだのです。実際、間にふたつの部屋を挟んでもKさんの歯ぎしりは聞こえていましたが、私は寝つきが良い方なのでそれほど気にはなりませんでしたが本人は結構気にしていたようです。

ある日の夕食の後、近くのスポーツ用品店に連れて行かれ、何を買うのかと思えばボクサーが使うマウスピースを探しているのです。マウスピースを装着することで歯ぎしりが抑えられると言うのです。ボクサー使用のものは5000円と値段が高く、結局購入したのは380円の誰が何に使うのか良くわからないオモチャのようなマウスピースでしたがそれでも思ったよりも効果があり、その日からピタリと歯ぎしりは治まったのです。

それから何日かした真夜中の2時を少し回った頃です。誰かが私の部屋のドアをノックしているのです。ノックするのはKさんしかいませんから、こんな夜中に何事かと思いながらドアを開けると、そこに口の周りを血だらけにしたKさんが立っているではありませんか。私は2度ほど、かなり大きな悲鳴をあげたと思います。



「違うのだよ、切ったのだよ。マウスピースで口の中が切れちゃったのだよ。何か薬ないかね…」

そう言いながら私に心配をかけまいとして無理やり微笑むものですから血だらけの歯が見えて、かえって怖いのです。

そうです、Kさんはマウスピースを噛み砕いたのです。おかげでKさんの口の中の傷が完全に治るまで、Kさんの歯ぎしりを聞かずにすみましたが、それにしてもいくら安物だからといって、あんなプラスティックの固まりのようなものを人は噛み砕けるものなのでしょうか。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

084 「サイフ」

2012-08-31 20:33:05 | 驚いた話

「思い込み」というものはその人の想像力に大きく作用してしまうようで、それが良い方に作用すれば問題は無いのですが、大概はそうではない方に作用してしまうようです。

家の者に頼まれて近くのスーパーで買い物をしたときの体験です。買い物を終え、駐車場の車に乗り込んだときに駐車スペースを1台分空けた隣の車に30代半ばの女性が同じタイミングで乗り込むのですが、女性が運転席に乗り込むときに財布を落としたのです。

女性はそれに気づかずに車を発進させようとしていましたので、私は慌てて車から出てその旨を伝えようと車に近付いたのですが、私の方をチラッと見た女性は車を急発進させスーパーの駐車場を出てしまいます。「何で?」と思いましたが私は財布を拾い急いで車で追いかけました。

運良く駐車場を出てすぐの信号で止まりましたので車から降り女性の車に駆け寄ったのですが、女性は信号が変わらないうちに車を発進させたのです。信号で止まるたびに同じことを繰り返すのですが女性は明らかに私を避けているようでした。何度かパッシングもしてみたり、クラクションを鳴らしたりしてみるのですが全く止まる気配はありません。

それどころか私の車を振り切ろうとしてスピードを上げるのです。どうも私をストーカーか変質者と勘違いしているようでした。そのままだと事故につながる恐れがありましたのでとりあえずスピードを落とし、後を追うのですが女性は私の車の存在が気になってしょうがないのでしょう、私の追跡から逃れる為に途中から私を「まこう」とするのです。

わざと細い路地を走ったり住宅街の中に入り込んだりするのですが、かえってそれが女性にとって不利な状況を招く結果となりました。行き止まりになったのです。追跡から15分後のことでした。追いついたのは良いのですが女性は勘違いをしたままですので対応には細心の注意を払わなくてはなりません。

最初は運連席の窓も開けてくれませんでしたが、何とか話を聞いてもらうことで誤解は解け、事の一部始終を理解した女性は平謝りでしたが、どんな感謝の言葉よりも「変質者」でなくなったことが一番うれしかったのでした。



コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

083 「ライフマスク(2)」

2012-08-30 19:27:50 | 笑った話

「笑い」のメカニズムというのはいったいどのようになっているのでしょうか。笑いには予期しないことが起こったときに笑う笑いと、予想通りのことが起きたときに笑う笑いの二通りがあると思うのですが、考えてみると結構不思議なものです。

30代の頃に人に頼まれて何度かライフマスクを作ったことがあるのですが、毎回笑っていたように思います。ある女性の場合もそうでした。当時は型を取るには顔に石膏を盛っていく方法しかありませんでしたから、厚みがついてくるとビジュアル的に特殊な感じになるのです。後半になると顔が大きくなったような錯覚を受けますのでついつい「ムーミン」を連想してしまうのです。

しかも呼吸を保つ為に脱脂綿を詰めた鼻の穴にストローを2本差し込んでいるものですからどうしても笑ってしまうので、当人に気づかれないように出来るだけ現場から遠くに離れて声を殺して笑うのです。そのとき気づいたのですが、笑うときにはチャンと声を出して笑わなければいつまでも可笑しいままだということです。

「はぁーはぁー」と口を大きく開けて何とかごまかすのですが、治まったつもりでもどこかにまだ笑いの種は残ったままなのです。それでも作業は続けなければなりませんから何事もなかったように現場に戻り、仰向け状態の当人の脇にしゃがみこみ石膏の硬化具合を確認しながら気を静めるためにタバコに火をつけました。

しかし意識は鼻から突き出たストローの模様に集中してしまい、左右で色の違うブルーとピンクの螺旋状のストライプが気になって仕方ないのです。このままではヤバイと思いながらもうっかりタバコの煙を顔の方に吐き出してしまったものですから、鼻から出た2本のストローがそのほとんどを吸い込んでしまったのです。



それを至近距離で見てしまったものですからたまりません、無理やりOFにしていた笑いのスイッチが勢い良くONになってしまいました。現場を放棄したまま転がるように建物の外に飛び出し、四つん這いになって大地を叩きながら声を出して笑ってしまいました。当人はというと、一瞬我慢をしようとしたようでしたがさすがに耐え切れず、ほとんど硬化しかかった顔の石膏を剥ぎ落とし、泣きながら咽ていました。

それが可笑しくて更に笑ってしまうのですが、当人はカンカンです。結局4回目で何とか型は取れたのですが、50年間生きてきて、後にも先にもあれほど笑ったことはありませんでした。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

082 「50円玉」

2012-08-29 19:33:53 | 驚いた話

 小学生の頃の50円玉は今の500円玉くらいの大きさがあり、穴の開いたものと開いていないものの2種類があったように記憶しています。当時50円あれば、駄菓子屋でゴムを原動力にしてプロペラを回す飛行機が買えていましたから、価値的にもそれ位はあったと思います。

それは秋も深まったある日のことです。その日は珍しくひとりで学校から帰宅するのですが、当時はアスファルトの道路ではなく、学校から家まで全てが土の道でした。その内の半分はやたらと広い道で、その道をトラックが頻繁に行き来するものですから、いつもほこりっぽかった印象があります。

その広い道が200メートル位の直線になっている所があるのですが、その道のちょうど中間あたりで秋の午後の日差しを浴びながら燦然と輝く50円玉見つけたのです。辺りに人がいないのを確認してその50円玉を拾い上げようとドキドキしながら手を伸ばした正にその時です。

50円玉の周りに一瞬閃光が走ったかと思うと「ピキ―ン」という金属音と共に50円玉は消えてなくなったのです。何が起こったのか見当もつきませんでしたが、異常な出来事に遭遇したショックと指先のピリピリした感じが恐ろしくて家まで走って帰ったのを覚えています。



今思えればカミナリがその50円玉に落ちたのかとも考えられますが、それにしては全くの晴天でしたし、あまりにもピンポイント過ぎます。

それからというもの、なぜかお金には縁がないのです。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

081 「ツレ」

2012-08-28 18:43:00 | 驚いた話

 福岡時代の話です。夕食はいつもアーティストのKさんと一緒で、その日は近くのファミリーレストランで食事をすることになっていたのですが、Kさんが食事の前にチョッとした用事を済ませたいと言うので時間を指定して別々にレストランに向かいました。

レストランの入り口でKさんと合流して、4人掛けのテーブルの席に向かい合わせで座るのですがKさんの隣に見知らぬ女性が座りました。年の頃なら40代後半の一見学校の先生のような印象を受ける「スッ」とした女性です。ところがKさんはいつまでたっても女性を紹介してくれません。

それぞれに食事を注文して、食事が運ばれて来るまで全く女性のことに触れないのです。その女性も一言もしゃべりませんでした。私はKさんと女性の間に何らかの特別な事情があり、それで話しづらいのだろうと思い食事をしながら失礼のないようなタイミングでKさんに女性のことを聞いてみました。ところがその女性はKさんの知り合いではなかったのです。



Kさんは逆に私の知り合いだと思っていたらしく、それなりに気を使ってくれていたものですからその女性のことになかなか触れられなかったらしいのです。女性に直接訊ねてみたのですが、ひたすら食事をするだけで質問には一切答えてくれません。結局完食をしてコップの水を飲み干した女性はサッサと席を立ち、呆気にとられている我々を残してレストランから出て行ってしまいました。

しばしKさんと見つめ合ったあと、とりあえず黙って食事を再開するのですが、「どう言うことかね?」とKさんが口を開いたのをきっかけに怒涛のように今起きたことの事実を確認しあうわけですが女性の正体は想像の域を出ることはありませんでした。
お陰でその日は余分に払う食事代以上の滅多に経験できない貴重な経験をさせてもらいました。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

080 「ライフマスク」

2012-08-27 19:31:15 | 笑った話

 この話は造形作家Rさんの話です。Rさんが30代の頃、突然自分のライフマスクを作ることを思いたったそうです。ライフマスクというのは顔をコピーして石膏やプラスティックのマスクの状態にしたものです。今でこそ水性のシリコンで簡単に顔の型を取ることが出来るのですが、当時は石膏を顔に塗りつけて硬化するまで20分程ジッと待つしかありませんでした。

その固まった石膏を顔からはずして、その型に石膏やFRPというプラスティックを流し込んで作るのですが、型さえ取れれば後の作業はそれ程難しいものではありません。しかし自分自身の型を取るとなるとかなり大変で、目を閉じた状態で石膏を顔に塗りつけますから全て手探りの作業になるのです。

Rさんは当時一人暮らしでしたが絶対に人が訪ねてこない時間帯に作業を行う必要がありましたので夜中の12時に作業を始めます。4畳半に新聞紙を敷き詰め上半身裸になって仰向けに寝ます。液体状の石膏が入ったバケツを手の届く所に配置し、硬化の時間を調整しながら顔に塗りつけた石膏は最終的には8センチ位になったそうです。

ところが完全に硬化した石膏はあごの下まで入り込んでいて顔から外れなくなってしまったそうです。呼吸は上手に開けた鼻の穴からできたそうですが、時間が経つにつれ不安が増し、焦れば焦るほど恐怖心が増したRさんは石膏の塊を顔に付けたまま部屋の中をウロウロするものですから色んな物にぶつかり、部屋はメチャクチャです。笑ったのは、30分ほどして少し冷静さを取り戻したRさんがとった行動です。



Rさんは自分の姿を見るために洗面台の鏡の前に立ったらしいのです。見えるはずのない鏡の前に立ち尽くす石膏顔のRさんがその時どんなことを考えたのかと思うと可笑しくてたまりません。更にはタバコを吸おうとしたらしく、手に持ったタバコを何処に持って行ったのかを想像するだけで笑えます。

結局1時間程で石膏はなんとかアゴからは外すことが出来たらしいのですが、今度はヒゲと眉毛が石膏に食い込んで外れないので仕方なく顔と石膏の隙間にカッターを差し込んで1本ずつ毛をカットしていくのですが勿論、顔中血まみれになったそうです。

そのライフマスクは今でも彼のアトリエに飾ってありますが、良く見るとそのマスクにはヒゲと眉毛が生えているのです。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

079 「バナナ」

2012-08-26 21:38:16 | 奇妙な話

 20代後半の頃の体験です。お盆に釣りはよした方がよいと言う家の者の制止を振り切って夕方から近くの川に出かけました。川といってもケッコウ大きな一級河川で、海からそう遠くない綺麗に舗装された河岸でスズキを狙ったブッコミ釣りに興じていました。

ブッコミ釣りというのはウキを使わず、重い鉛で遠投して釣る釣りです。魚のアタリを竿先で直接感じるワイルド感がたまらないので、昔から釣りといえばブッコミ釣りなのです。いつもは何人かの釣り人が居るのですがさすがにお盆の真只中ということもあって釣り人は私だけでした。

夜中の9時頃までにそこ々釣果があった余裕から、アタリが止まったのを期に竿を立てたまま仰向けに寝そべっていました。そのうち川面を渡る風の心地よさについつい眠ってしまったようです。目が覚めたのは竿先に付けた鈴がけたたましく鳴ったからですが、反射的に飛び起きリールを巻きながら糸の先端に目をやると何かが光っているのです。

ちょうど糸の先端に炎のようなものがあるのです。ギョッとして糸を巻くのを止めてそれを観察するのですが、どうも灯篭のようでした。そうしているうちにもそれは流れているのでどんどん竿が引っ張られます。糸を無理やり切ろうとしましたが大物仕掛けですのでちょっとやソットでは切れないのです。仕方がありませんからそのまま岸まで巻き上げたのですが、その灯篭は小さな船の形をしており、その中に小さな障子に囲まれた蝋燭が燈っていて、その周りにブドウと梨とバナナが2本乗っていました。



そのとき私は異常なシチュエーションに恐怖を感じていたはずなのですが、人の行動というのは不思議なもので、バナナを1本いただいてしまったのです。おそらく恐怖心を打ち消すためにとった無意識の行動だと思いますが、普通に食べてしまいました。

灯篭は竿を巧みに操作して川の流れにうまいこと戻しましたが、川下に小さくなってゆく灯篭に手を合わせる余裕などなく、何事もなかったように道具を片付け早足で車まで戻り、急いで家路についたのですが、車の中で妙なことに気づきました。

灯篭流しは沢山の数を流すのが普通だと思うのですが、流れてきたのはあの灯篭ひとつだけだったのです。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

078 「約束」

2012-08-25 19:15:54 | 霊的な話

 父親から聞いた話です。父親が高校受験のときに父親の父親は近くの神社に合格の祈願をします。その時に大工であった父親の父親は「合格の暁には神社の祠を新しく建て直す」と約束したそうです。

父親はめでたく合格するのですが一ヶ月ほどして原因不明の高熱が出て体が風船のように膨れ上がったそうです。医者は原因がわからないとさじを投げます。そのまま命が尽きるものと思われたのですが、熱に浮かされる父親が見舞いに来ていた父親の父親にうわごとでこう言ったそうです。

「祠は建て直したのか?約束は守ったのか?」

それを聞いた父親の父親は慌てて神社の祠を建て直すのですが、祠が建ち上がったと同時に父親の熱は下がり、体の腫れも嘘のように引いて健康体を取り戻したそうです。話としては良くありがちな話ですが、結局、物事とはそういうものだと思います。



偶然にしろ、神仏の仕業にしろ、人が人として生きていく上で大切な何かを忘れない為の「仕組み」のようなものが世の中にはあるようです。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

077 「滝壺」

2012-08-24 21:58:03 | 驚いた話

 お気に入りの「滝」があります。四季折々の滝を堪能する為に最低でも年に4回はその滝を訪れるのですが、滝つぼの周囲にある巨大な石のひとつに腰掛けながらボーっと滝を眺めるのが大好きなのです。

あるとき若いカップルがやって来るのですが、どうも石の上の私には気づいていないようでした。そのうち男性が「滝壺の向こう岸まで泳ぐことが出来たら結婚して欲しい」と言い出したのです。女性は困ったような感じでしたが男性はサッサと洋服を脱いでパンツ1枚になり、あれよ、あれよと言う間に滝つぼに入っていったのです。

夏でしたから滝壺で泳ぐことに何の問題はありませんでしたが、実は向こう岸まではケッコウな距離があるのです。滝壺の綺麗な空気が距離感を曖昧にしてしまっているので素人にはえらく近くに感じてしまうのです。見た目では15メートル位に見える滝壺は実際には30メートル以上はあるのです。



案の定男性は滝壺の中程でUターンを始めます。それを見た女性はガッカリしたのか、怒ったようにひとりでサッサと引き返していきました。フラフラになりながら洋服を抱えたまま女性を追いかける男性がその後どうなったのかは知るすべもありませんが、おかげで滝壺の大きさと、澄んだ空気の元では距離感が狂うということを改めて確認させていただきました。


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

076 「フラフープ」

2012-08-23 20:36:54 | 驚いた話

 子供の頃にフラフープが大流行したことがあったのですが、草むらの中で偶然それを見たときには、「黒いフラフープ」だと思いました。フラフープにしては少々小ぶりでしたので次の瞬間には自転車のゴムチューブだと思いました。しかし、よく見ると全体が波打っているのです。

よくよく見ると2匹の黒い蛇がお互いを飲み込もうとしている所だったのです。互いにシッポの方から飲み込んでいますから輪っかのようになっているのです。おそらくは縄張り争いか何かで噛み付いていただけなのでしょうが、もし本気でお互いを飲み込もうとしていたとしたらどうなるのでしょうか、相手に消化されながら相手を消化するのです。



何だかメビウスの輪みたいな状況ですが最後は2匹ともなくなっちゃうのでしょうか、それとも頭だけになっちゃうのかなぁ…


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

075 「亀」

2012-08-22 19:19:34 | 驚いた話

 小学校の低学年の頃のお話です。家の庭で近所の友達数人と地面に穴を掘って遊んでいた時に亀が出てきたことがあります。みんなは普通に驚いていたのですが私はある種の恐怖を感じていました。実はその場所は半年前までは小さな池だったのですが危険だと言うことで父親が埋めたのです。



その池にはいつの頃からか30センチ近くもある大きな石亀が住み着いていて、母親が近くの小川に何度か逃がそうとしたことがあるのですが、何故かいつの間にか戻っているのです。

その亀は池を埋めるときに父親が何とかしたものだとばかり思っていましたから、亀が地中から出て来た時に、父親は亀もいっしょに埋めてしまったのだと思ったのです。しかし、亀は生きていたわけですからもしかしたら冬眠していただけなのかも知れませんが…


コオロギのアトリエ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加