ブログを始めるときに、やっぱり写真のあるブログがいいなぁと思って、去年デジカメを買いました。
・好きなだけパシャパシャとれる
・その場ですぐ見られる
・失敗したらすぐ削除
おぉ便利 便利。気が向いたら恰好の被写体であるナナとハルをパシャパシャやっておりました。そしてパソコンでスライドショー。次々に見ていくとナナが片手を伸ばしてたたずんでいる写真がありました。ほほう、こんな姿勢をすることがあるんだな~、珍しいな~と思っていました。
ある日ふとナナを見ると、写真のように片手を伸ばしています。
「おっ、今日もあんな姿勢をしている」
そしてまた違うときにも、また片手を伸ばしています。
「あれっ?また伸ばしてる・・」
そしてまた・・・、よく見てみたら、しょっちゅう片手を伸ばしていました。こうなると撮影したときに、たまたま片手を伸ばしていたのではなく・・・、ナナはよく片手を伸ばしているのだと思うしかありません。わたし、毎日ナナを見ては和んでいるのに、一体ナナの何を見ていたのかしら。
そんなことがあって思い出したのは、昔短大の先生に教わった「vision」という言葉です。アーティストは「vision」を持っている。「vision」は『これはこうなのだ』と見る力のこと。
昔ゴッホが風景画を描いたとき、人々は「こんな風景画はでたらめだ!」とその絵を認めませんでした。しかし世間の評価とは関係なくゴッホの絵を理解する画商がいて、彼の店のウインドウにゴッホの絵を飾りました。人々は仕方なくその絵を目にしていました。来る日も来る日もそこを通るたびに見ていたのです。
そしてある時、ついに人々は実際の風景の中にゴッホの描いた絵そのものを発見しました。その風景を見てはいたのですが、本当には見ていなかった。ゴッホがその「vision」で見たものを人々に示してくれた。そして納得させられた。アーティストとはそのようなもの。
私の写真はアートではなくてスナップ写真ですが・・、日常の姿を切り取って形に残した写真を見て、今までと違う何かが見えてくる・・・スケールは全然違いますが先生の教えてくださったのはこういう事だったのかな?何年も経って頭で覚えていたことが本当にわかったように思いました。
それにしても、本当に私は何を見ていたんでしょう?
ナナの可愛い顔に注目していた・・ということにしておきましょう。