中国のことわざ-68 反骨というコトバ
「反骨」とは広辞苑によれば、容易に人に従わない気骨。権力に抵抗する気骨とある。すなわち、権威や時流に反発し抵抗する気概をいうのだが、元の意味はかなり違っていた。人相学・骨相学の用語だったという。
6世紀の北斉の時代、王家の人と交友の深い人相見の達人が、今をときめくさる皇族に「位人臣を極めてもあなたは謀反を起こされますな」と忠告した。
皇族がなぜかと聞くと「あなたには反骨がおありですから」と答えたという。反骨とは頭に突き出た骨と言うことらしい。はたしてその皇族は反乱を企てて自滅したそうである。
このアイデアを応用したのが「三国志演義」である。もと劉表の部下だった魏延という将軍が、蜀の劉備の元に帰順してきた。劉備は喜んで受け入れようとしたが、諸葛孔明がこれに猛反対した。
劉備は「この男は何も罪を犯してはいないではないか、いかなる訳か」と尋ねると、孔明は「この男の後頭部には反骨があり、後に必ず謀反を起こすでしょう。先んじて禍根を断つのです」と答えた。
この場は孔明が妥協して魏延は命を助けられ、その恩に報いて劉備のために忠義を尽くした。だが話はこのままでは収まらなかった。魏延はかねがね孔明の戦略に不満を抱いていたが、孔明が五丈原で死ぬと、たちまち反旗を翻して惨殺されたという。
*郵政民営化法案をめぐり小泉首相に反旗を翻した議員さん達の中で、最期まで郵政民営化に反対した議員さんの頭には骨学的見地からも「反骨」があるのかもしれない。
日本経済新聞10月23日朝刊の漢字コトバ散策から
「反骨」とは広辞苑によれば、容易に人に従わない気骨。権力に抵抗する気骨とある。すなわち、権威や時流に反発し抵抗する気概をいうのだが、元の意味はかなり違っていた。人相学・骨相学の用語だったという。
6世紀の北斉の時代、王家の人と交友の深い人相見の達人が、今をときめくさる皇族に「位人臣を極めてもあなたは謀反を起こされますな」と忠告した。
皇族がなぜかと聞くと「あなたには反骨がおありですから」と答えたという。反骨とは頭に突き出た骨と言うことらしい。はたしてその皇族は反乱を企てて自滅したそうである。
このアイデアを応用したのが「三国志演義」である。もと劉表の部下だった魏延という将軍が、蜀の劉備の元に帰順してきた。劉備は喜んで受け入れようとしたが、諸葛孔明がこれに猛反対した。
劉備は「この男は何も罪を犯してはいないではないか、いかなる訳か」と尋ねると、孔明は「この男の後頭部には反骨があり、後に必ず謀反を起こすでしょう。先んじて禍根を断つのです」と答えた。
この場は孔明が妥協して魏延は命を助けられ、その恩に報いて劉備のために忠義を尽くした。だが話はこのままでは収まらなかった。魏延はかねがね孔明の戦略に不満を抱いていたが、孔明が五丈原で死ぬと、たちまち反旗を翻して惨殺されたという。
*郵政民営化法案をめぐり小泉首相に反旗を翻した議員さん達の中で、最期まで郵政民営化に反対した議員さんの頭には骨学的見地からも「反骨」があるのかもしれない。
日本経済新聞10月23日朝刊の漢字コトバ散策から