曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

「死者ノ遺産ヲノムナ」のこと

2012年12月31日 | 連載ミステリー&ショートショート
9月から、秋のGⅠレースの日に合わせて、「死者ノ遺産ヲノムナ」という競馬小説を載せていきました。計13回で有馬記念の日が最終章。お読みいただいた方、ありがとうございます。
 
400字詰め原稿用紙で100枚ほどの小説で、久々に当ブログのコンセプト、「途中から読んでも内容の分かる小説」に反するものの掲載でした。
 
この小説はずっと前、まだワイドも馬単も3連単もない時代に書き上げたものです。それから馬券の発売が変わるたびにちょこちょこ手直しし、年度は忘れましたが、オール読物新人賞の公募に送りました。1次選考の35作品に残り、その年は2次がなくてすぐ最終選考だったので発表を指折り数えて待ったのですが、最後の7作品には選ばれませんでした。
 
アイデアを思いついたのははるか昔、ダイイチルビーが勝った安田記念です。まだ馬連もなかった時代でした。
ダイイチルビーは2番人気だったのですが、2着のダイタクヘリオスが人気薄で60倍以上の高配当。当時は馬券が単勝、複勝、枠連しかなく、60倍は充分に高配当でした。
ダイタクが成績にムラがあって前2走人気を裏切っていたということもありますが、高配当の大きな要因としてダイタクの入っていた6枠が実にさびしく映ったということもありました。
当時は単枠指定という制度があって7枠は1番人気1頭だけだったので、6枠は発表当初3頭立てでした。その6枠、前年に6連勝で皐月賞馬になったハクタイセイが入っていて、ダービー5着のあと1年間長期休養だったのですが、成績にキズがなく、未知の魅力ということでそこそこの人気となっていました。それが前日に取り消して、ビリ人気の高齢馬ハヤブサオーカンとの2頭というさびしい枠になっていたのでした。
それが、この小説のアイデアとなったのでした。
 
ところで各章の最後に当日のGⅠの私の買い目を載せたのですが、まったく当たりませんでした。怖くて見直せませんが、たしか的中はダイショウジェットの複勝くらいではないかと思います。まったく競馬はむずかしいものです。
 
 



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