ひこにゃん×ひこにゃん ブログ 彦根にひとつだけの花

ひこにゃん それは古城に住まう心清きみんなのねこ

いちファンの綴るレポート&おとぎばなしのブログです☆

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インターミッション XXXVII (a)

2011-02-17 22:00:03 | 彦根ノムコウ
今回から読む方の負担を減らす工夫をしてみました。
もっと早くこうすれば良かった・・・(苦笑)

(b)の文末の“お花の百科事典”は興味がある方だけ読んで貰えればオッケーです



“【妄想】ひこにゃん”に捧げます。









井の国に咲く橘の花 ~千年絵巻謳~

第三章 “誕生・次郎法師”


















天文13年(西暦1544年)12月24日
遠江国引佐郡 井伊谷









お家元が4回目の井伊谷訪問から去った後の天文13年の暮れの出来事です。

井伊家の現当主・直盛(姫の父)を補佐していた叔父の直満(亀之丞の父)とその弟・直義が
自害したとも殺されたとも報せが入り、井伊谷全体が驚愕しました。

二人は数日前、服している今川家から“叛意有り!”と疑いをかけられた為
出頭を命じられて駿河の府中(駿府)へ自らの釈明に向かったばかりでした。

実際にそのような事実があったのかはわかりませんが
この処断の速さはまるで向かう前から罪が決まっていたようなものです。
あまりにも容赦のない仕打ちでした。


命じたのは“今川義元”(※注1)
日本人なら誰もが知っている“東海一の弓取り”と異名を取る大大名です。

今川義元は天才と云っても過言ではない人物です(※注2)
軍事・内政・外交・謀略、全てに於いて途轍もない実力を兼ね揃えた才人でした。

そんな義元が井伊家に対して理不尽な要求や対応をしたのは何故か?
それには当時の今川家が持っていた展望と、井の国の位置が周辺地域で
持っていた重要性と無関係ではありません。
井伊家の不幸の裏にどんな時代背景と状況があったのか?
これは大事な考察です(※注3)

そんな今川家と井伊家には良好な関係に成りがたい古くからの因縁もありました(※注4)


井伊家は“南北朝時代”から今川家と敵対し、敗れてから已むを得ず膝を屈した形です。
私達には700年前の遠い過去の出来事ですが、天文13年に生きていた者達には
たかだか100年前の事、しかもそれ以来今川家からは度々圧力が掛かりました。

互いに決して拭えぬ不信を抱えて警戒を怠らない関係が続いていたのです!

大国・今川家の下、“服せども従わず”の姿勢で井伊家は臨み
小国なりの権利を主張して何とか生き永らえてきたのです(※注5)




井伊家では2年前に今川家の召集に服して参戦した“田原城攻め”(愛知県渥美半島)で
当主・直宗を失いました。
姫の祖父であり、今回殺された直満・直義と南渓の兄で、、当主直盛の父です。

それでも直宗の時は戦死でしたが今回は平時の出来事です。

しかもその経緯が尋常ではありませんでした!
井伊家の筆頭家老・小野和泉守が今川家に訴えて出頭を命じられたからです。

一般的には直満の子の亀之丞が井伊家の家督を継いだ場合
その父親の直満が今以上に家中でイニシアチブを持つのが予想され
それを恐れた小野和泉守が讒言したと謂われています。

家老が仕える主を飛び越えて、その上の守護に訴えたのです。

さらに死んだ直満の嫡子・亀之丞をも引き渡すべし、と重ねて通達がきました。
将来の禍根を残さぬように武家では頻繁に繰り返されてきた報復防止策です。


おそらく井伊家の首脳陣は勿論、家中全てが小野を血祭りに上げるべしと怒りに震えた事でしょう。
けれど今回の件で今川家の肝煎りとなった小野を殺す事は今川家への反逆です。
それは井伊家滅亡のシナリオに自ら飛び込む事と同義でした。

皆は振りかぶった拳を歯を喰いしばって懸命に堪えつつ、
亀之丞だけは絶対渡すものかと厳しい監視の中、秘かに逃がそうと企てました。


一先ずの行先は井伊谷の北にある黒田郷。
現在の井伊谷を北へ縦断する国道257線と建設中の第二東名高速が交わる辺りです。
けれどそんな近場では急場しのぎにしかなりません。

ここで南渓が寺社での人脈をフルに活用し、決して追手が掛からぬ
他国へ連れ出す事となりました。

行先は南渓の師、龍泰寺住職・黙宗瑞淵和尚と関係の深い信濃下伊那の松源寺。
現在の中央高速の座光寺パーキングエリア付近です。

今村藤七郎と云う心利いた家人を選び、即座に向かわせる運びとなりました。
人目を避けて山間部を延々と進む真冬の逃避行になります。

大人達が血眼になって時間に追われ動き回っていた訳ですから、姫と亀之丞の二人は
満足な別れはおろか言葉もろくに交わせず離れ離れになりました。

大人達に連れられて行く時、手の届く位置に近づく事が出来た二人は
懸命に手を伸ばして、ほんの一瞬指が触れ合いました。

直ぐに逃げていくお互いの指を必死になって掴もうとした二人でしたが
その距離は離れるばかりでした。


「あぁ・・・・」


姫はうずくまり両手で顔を覆いました。




















お家元達が次に井伊谷に姿を現したのは春になろうかという季節でした。
井の国の草木達は世界に何があったかなどお構いなしに
一斉に芽吹く季節を迎えようとしていました。

お家元達にとってははついさっき亀之丞を抱き締めて、南渓に大事を託したばかりでしたが
この姿を消した三ヶ月の間に井伊家を襲った不幸な出来事は当然知っています。

お家元達はまず龍泰寺に向かいました。


南渓は昨年末に起こった突然の弟達の不慮の死と亀之丞の落ち行く先への根回しに加え
師・黙宗和尚と葬儀を執り仕切り、四十九日も済ませてようやく気持ちの整理がついた頃でした。
お家元はそんな南渓の元へやって来ました。


「・・・・・ぬこ殿・・・」


南渓は最近になってようやく周りに気を配れるようになり、気付いた大事をお家元に告げました。


「姫が心配だ・・・」








姫は大叔父達の死と亀之丞の失踪以来、部屋に閉じ籠もる事が多くなり
龍泰寺にも来る事が無くなっていました。

別に引き籠っていた訳ではないのですが、以前のような天真爛漫な明るさは
もう見る影もありません・・・
そんな姫の様子を目にした城中の者達は一様に心を痛めて嘆きました。

お家元は南渓と一緒に姫に会うため井伊谷城に上がりました。

お家元とも顔馴染みの侍女が会いに来た事を告げに行ってくれましたが
姫は今はお会いしたくないと拒みました。

取り次いだ侍女がその理由を説明してくれました。


「姫様は亀之丞様と一緒にぬこ殿とお遊びになった事が格別の思い出なのです。
 お二人が去年初めてぬこ殿と会われた夜には、それはそれは楽しそうに笑い
 一向に眠る様子もなく夜が更けるまで悦ばれていたほどで・・・

 そして次に来られる日を指折り数えてお待ちになっていて
 今度ぬこ殿と会ったらあれをしよう、これもしようといった具合でした。

 ぬこ殿との思い出は亀之丞様と過ごした最後の思い出でもあるのです・・・

 お会いすれば必ず亀之丞様の事を思い出してしまいます。
 亀之丞様がお隠れになり、明日をも知れぬ苦境の折り
 自分だけがのうのうとぬこ殿と遊んだり愉しんだりいていい訳がないと思い込まれているのです
 姫様は・・・・・」


侍女は姫の心中を慮って泣きながら代弁してくれました。


「しょうでしゅか・・・

 わかったでしゅ、また伺うと伝えて下しゃい。
 ひこにゃんは何度でも来ましゅと!」








お家元とタイガーしゃんはその後も頻繁に井伊谷城にやって来ましたが
姫は会ってはくれませんでした。

その代わりという訳ではありませんでしたが、お家元とタイガーしゃんの二人は
南渓がいなくてもお城に顔パスで入れるようになりました。

特に姫の父で当主である直盛は、姫を案じて度々来てくれるお家元とタイガーしゃんに感謝し
時間が空いている時は極力相手をしてくれました。


「いつもいつも姫の事を気に掛けてくれて忝い、ぬこ殿・・・」


「いえいえ、気長に通いましゅから気にしないで下しゃい、直盛しゃん」


「大河殿も・・・この通りじゃ」


直盛はタイガーしゃんにも頭を下げました。


「私のような者にまで・・・恐れ入ります!(焦っ)」


直盛は剛毅な反面、礼儀を弁えた武将でした。

その後もお家元達は“タイム・スリッパ”を繰り返し何度も何度もやって来ましたが
一度も会えないまま井伊谷では数年の年月が流れていきました。
 




お家元がいつものように城に上がると、直盛と南渓が苦渋の表情で向き合っていて
二人の間には開かれた書状が一通ありました。
この書状は家老・小野和泉守がもたらした今川家からのものです。

内容は妙齢を迎えている姫に婿を入れるか、嫁に出すようにとの意で
もし心当たりがないのなら、当一門(今川一門)から心利いた者を選び遣わす。
それも固辞すると言うのなら井伊家家老の小野和泉の嫡男を迎えるべし!
といったものでした。、

井伊家の泣き所を見事に突いてくる切り崩し策でした。
亀之丞はその後伊那の地で匿われながら、隠棲していると聞いていましたが
まだ呼び戻す訳にはいきません。

今の井伊家にこの要求を突っぱねる正当な理由がありませんでした。
このままでは唯一残った姫も取られ、井伊家の未来も閉ざされてしまいかねません。

そしてこの悪い知らせはその日のうちに姫の耳にも入ってしまい
翌朝、姫の姿は城内から消えていました。







姫の不在に最初に気付いたのは御付きの侍女でした。
塞ぎがちな姫を気遣って返事が無くとも部屋に入るのを躊躇っていた為
しばらく居ない事に気付けませんでした。

陽が昇ってしばらくした頃、血相を変えた侍女頭が直盛の所へ駈け込んで来ました。
直盛は昨日の件だと直ぐに察し、自らの不手際に臍を噛みました。

調べてみると小柄な駒(馬)が一頭連れ出されている事が解り、足跡を残さぬように
蹄に布を巻いた形跡が馬屋に残っていて、追跡を許さぬ意志が窺えました。

不在に気付いた時刻がもう少し早ければ、何とか足跡を辿る事が出来たかもしれませんが
この時間の城内は無数の足跡だらけで最早不可能でした。

城が大騒ぎになっていた頃、龍泰寺で南渓と合流してからお家元は城に上がり
姫がいなくなった事を初めて知りました。


直盛は手掛かりもないまま家人達を四方に走らせましたが当てなどありません。
それは南渓やお家元も一緒でした。


ですがこの時、城内にただ一人だけ姫の追跡が不可能ではないと思っていた者がいました。
タイガーしゃんです!


「お家元、南渓様」


「どうしたんでしゅか、タイガーしゃん?」


「・・・辿れるかもしれません」




「真か!?大河殿!」


「はい、私には布越しの蹄の跡も、その横を歩いたであろう姫様の小柄な足跡も
 はっきりと見えていますから」


「ひこにゃんには何も見えましぇんが・・・」


城内は一面乾いた土で、多数の人間と無数の馬蹄の跡で踏み荒らされていました。
それ自体見えづらいものなのに、その中から一種類の足跡を見極めるのは
お家元と南渓には不可能としか思えませんでした。


「私には全ての足跡が色分けされたようにはっきりと見えています!
 これはお家元の“タイム・スリッパ”のような超能力ではなくて
 ただ眼が良いだけなんですけど(苦笑)」


大変な能力でした!
タイガーしゃんの眼は猛禽類が持つような解像度に特化した視力だけではなく
闇夜で僅かな光を増幅して見る事も出来る暗視能力と、昼間に星が視認出来るといった
実に多様な視界を持っていました(※注6)


「タイガーしゃんの目の良さは知ってましゅけど、そんな特技があったにゃんて
 ひこにゃんも知らなかったでしゅ!」


「普段はちっとも必要のない能力ですけどね(苦笑)」


「頼む、大河殿!」


「お家元、行きましょう!」


「南渓しゃん、必ず姫しゃまを見つけて来ましゅ!」


お家元とタイガーしゃんは城を駆け下りていきました。







タイガーしゃんの眼は実に高い能力を秘めていました!
姫が追跡を振り切る為に、時には道なき道を移動したのも余す事無く見破りました。

流石に川を横切った時の川底に足跡を見る事は出来ませんでしたが
土の道以外の草むらですら踏まれた形跡を見過ごす事はありませんでした。

そして最初こそ足跡を慎重に追っていたタイガーしゃんでしたが、
次第に這いつくばったり、目を凝らして追跡する事もしなくなり
いつしかほとんど走った状態で追跡していました。


「タイガーしゃーん、こんなに飛ばして大丈夫でしゅかー?」


「はい、最初は手間取りましたがもう慣れましたー。

 残っている足跡の力の入れ具合や歩幅の様子で、どこで歩いてどこでスピードを出したか
 はっきり見えるようになりましたからー!

 今の私の眼には数時間前に走っていた馬に乗った姫様の残像が見えています」


「ましゃか・・・そりは冗談でしゅよね?」


「ふふふ・・・本当なんです!」


これは目が良いどころの話ではありません。
タイガーしゃんは人間でいうところの“ZONE”に入っていました。


やがて残像を追って行くうちに井伊谷を抜け気賀を過ぎ浜名湖まで達した畔で
小柄な馬が樹に繋がれて草を食んでいるのを見つけました。
それはタイガーしゃんが見ていた残像と全く同じ体格の小駒です。


その近くの葦の茂みの中に人の気配をタイガーしゃんは感じました。


「(お家元・・・)」


「(わかってましゅ)」


ここから先はお家元にしか出来ない領域です。

葦を掻き分けた先の水際に、抱えた膝に頭を伏せた姫がいました




何人かの接近に気付いた姫は静かに顔を上げゆっくりと振り返りました。


お家元は一切表情を変えはしませんが、内心は心穏やかではいられない
衝撃を感じていました。

姫と会うのは井伊谷の時間で約4年ぶりです。
小学生のようだった姫は背や手足も伸び、幼さが消えかかった容姿になっていました。

麗しく成長したと言ってもいいでしょう。

ですがその瞳が尋常ではありませんでした!
出会った当時は黒目の中に無数の輝きを宿していたのに
今の瞳は一切の輝きを失っていて、まるで眼球が抉られ深い穴が覗いているかのようです。

この世のものが見えていない虚無を抱えた目でした。

姫はお家元が現れた事にも意に介さずに再び顔を伏せました。



お家元はそのすぐ横に座りましたが話し掛けはしませんでした。
もうこの少女を絶対見失いたくなかったからです。





無言のまま長い長い時間が過ぎ、最初に均衡を破ったのは姫の方でした。
姫は顔も上げずに


「・・・・・よく分かったものですね・・・」


「・・・タイガーしゃんが見つけてくれたんでしゅよ・・・」


「そうですか・・・・・」



また長い沈黙の時間が続きました。
この時の姫は永らく自分一人で考えあぐねていった末に
とても普通とは言えない精神状態でした。

好きな者との未来を奪われた運命を呪い、自分の不幸を問い続け
心は歪みねじ曲がってしまい、どんな者の言葉にも耳を貸さないような
域に達していました。


「(きっとこのぬこ殿は父上の意を受けて私を説得に来たのだろう・・・

  最後にはどんなに理不尽であろうと井伊家の為に我慢してくれだとか
  それが姫の役目なんだとか、領民のためだからと言うのだろう・・・

  冗談ではない!
  そこに私の意志や希望は一切無いではないか!

 大叔父達を討ち亀之丞の生命を狙うような者達のいいなりに誰がなるものか!

  ぬこ殿がどんな言葉を弄して連れ戻そうとしても、私は聞かぬ!
  全ての言葉に反発してやる!!)」


こんな状態の姫の元に来てしまったお家元は不運というしかありませんでした。










激しい怒りに身を焼いた姫にお家元はぼそっと言いました。


「・・・・・・・・姫しゃまの事を誰も知らないどこか遠くに行きましゅか・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・ひこにゃんと一緒に・・・・・・・・」


お家元は姫の様子を見るにつけ、井伊家の未来がどうゆう結末に向かおうが
どうでもよくなっていました。

目の前の少女が少しでも楽になるのならそれでいいじゃないか!
お家元は自らの存在が消える事になろうとも、この少女が望むように
寄り添っていこうと決心したのです。


姫がハッとして顔を上げました!


「・・・何を言っているのですか!?

 よくそんな途方もない嘘を平気で・・・・・!」


「嘘じゃありましぇん、ひこにゃんは本気でしゅ!
 姫しゃまが望むなら櫓櫂が及ぶ限りどんな場所へだって付き合いましゅ!

 今までのような贅沢な暮らしはさせて上げらりないと思いましゅけどね(苦笑)」


「ならせめて食べる物には困らないように、私が鳥や魚を調達し続けましょう!」


「タイガーしゃん!
 ふふふ、三人一緒ならどこでだって暮らしていけましゅよ・・・・・きっと!」



姫がガバッと立ち上がりました!



「嘘っ!嘘っ!!
 出来る訳がない!そんな事がある訳がない!

 そんな勝手が許されるものですか!

 私達がこの国を離れたら井伊家はどうなります!?
 家臣達や城で奉公している者達は!?

 父上や母上、井の国の領民達がどんな苦境に立たされるか判ったものではないのです!

 勝手な事を言わないで!無責任な言葉を吐かないで!!」


姫はお家元のスカーフに掴みかかり、その言葉の実現がいかに難しいか罵倒し
大声を張り上げ涙をボロボロとこぼしながらお家元を揺すってなじりました!

お家元の言葉に反発するという決心は奇しくも自分の予想と真逆の言葉を
姫に吐かせる事になりました。



「嘘つき!よくもそんな詭弁を!
 出来もしない事を言わないでっ!!!!










 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 でも・・・・・でも・・・・・・・・・・・・

 そんな事を言ってくれたのはそなた達だけだった・・・・・・・・」




「ぬこ殿と大河殿だけだった・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「ふっ・・・・・ふぅぅっ・・・・・・・

 うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ

 うわああああああああああああああああああああああああああっっーーーーー!」






暮れてきた夕闇の中、今では自分よりも小さくなったお家元の胸にうずくまって
姫は泣きました




まるでこの四年で溜まった負の感情が全て流れていくようでした・・・

流れた後に新たな感情が心を満たしていくのを姫は感じました。
それは父や母との間にあるものとも、亀之丞に持っている感情とも違いましたし
初めて湧き上がる感情です。

領主の娘に生まれた姫が今までこの感情を知らなかったのは無理もありません。
その感情が芽生える目線の者が今まで周りにいなかったのだから当然です。



それは“友情”でした。





             (b)へつづく~


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5 コメント

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お供の選別 (ちゅるふ)
2011-02-17 22:17:33
 後年に名乗るのが「井伊直ぬこ」では、武将としての押し出しが弱いものなぁ。

 ここから、どう立ち直るのか…
 はたまた。立ち直ったように振舞うのか…

 お話、待ってます。

 
ああ・・・(涙) (トミー)
2011-02-18 01:27:09
こんばんは。お家元、次はここに登場してくれましたか。お待ちしておりました、お家元!

姫の横に、そっと寄り添い、そして3人で遠いどこかへ行きましょうか・・というお家元。
片や、そんなお家元に嘘・無責任な事は言ってくれるなと糾弾する姫。

どちらの気持ちも痛いほどわかるだけに・・・辛いです

でもお家元とタイガーしゃんだったからこそ、姫も心をぶつけられ、そして覚悟も定まったのでしょうね。
この先の苦難辛苦を、お家元達との友情を力にかえて切り開いていってくれると信じています!

波乱の連続の中でも、お家元・タイガーしゃんとともに、祐圓尼しゃんが笑顔でいられる時間が、少しでも多くありますように・・・
最強の主従・ぬことトラ!w (管理人)
2011-02-19 23:48:40
>姫はこの日、利害を越えて自分の事を想ってくれる二人の存在に気付きました。
今回(a)の最後に書いたナレーションに裏の意図は持たせていませんから、
言葉通りにとっていただいて結構です、ちゅるふさん。



>一向に婿を迎えない姫を今川家がいつまでもほっておく訳がないというのが
私の見解でもあるので、出家するタイミングはその時なのではと思いました、トミーさん。
察して頂いた通りのやり取りです、ご明察!

4年の間少しも融ける事がなかった“氷”が、この日来たお家元とタイガーしゃんによって
氷解しました!

祐圓尼しゃんが二人と過ごした感想は最期のその時に彼女自身が語ってくれます。
さすがです^^ (ひかる)
2011-02-28 21:00:00
真っ直ぐで純真なお家元のお言葉と佇まい、凛としていながら猛々しく、さらにはズバ抜けた能力を持つタイガーしゃん
そんなお二人が、友として隣にいてくれるだけでどれだけ心強いことか
最後の一枚から、それがひしひしと伝わってきますね

そしてなにより、現代の場所と当時の場所を対比するなどの、管理人さんの細かいお仕事には頭がさがりますm(u u)m
苦しいなら一緒に駆け落ちしましょうってサラッと真剣に言うんですもん、お家元ったら! (管理人)
2011-02-28 23:01:58
>この時の姫の気持ちを一言で言ったら「どうしてそんなに優しいんですか!?」
という事になりますね

姫は二人のお陰で4年ぶりに自然や夕日が綺麗だった事に気付けたと思います。
二人の働きはひかるさんが褒めてくれた通りに姫を勇気づけたはずです!

場所の対比は知ってる方がいたら親近感が持てるかなぁと思ってやってます。
そこを褒めてくれる人がいるとは思いませんでした(苦笑)

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