マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南之庄の田植えが近い

2010年06月06日 07時28分53秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
都祁南之庄では岳のぼりのころに苗代が作られている。

ビニールを被せているので育成具合は判らない。

すくすくと育っているのはおそらくMさんの苗代だろう。

被せられた苗床の傍には一本の木が見られる。

それは歓楽寺で行われたオコナイのフジの木だ。

僧侶が声明を唱えているときに「ランジョウ」と発する。

そうすると一斉に畳の床をフジの木で叩く。

オコナイを終えたら祈祷札をもらう。

そのときのフジの木とお札が苗代横に供えて挿す。

しっかりと苗が育つようにという願いだがJAで苗を購入するようになってからはお札立てのミトマツリは消えていった。

苗が育ったら田植えが始まる。

田植え初めは「植え初め(うえぞめ)」という。

5月のゴールデンウイークの始めころだそうだ。

結鎮の際に拝受されたクリの木が12本。

萱の木も12本。

それを12個のフキダワラとともに挿して稲の豊作を祈る。

フキダワラにはご飯を入れるそうだ。

いわゆる「さぶらき」である。

クリの木は宮さんでたばってきたもの。

南之庄ではこれをしている家は数軒だという。

農業を営む家が少なくなっている。

若い者は感心もなくなってきた。

十年後には田んぼもなくなっているのではないかと仰るTさんはトラクターに乗って田んぼに出かけて行った。

(H22. 4.26 EOS40D撮影)