【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

かぜのでんわ

2022-05-24 | 絵本

かぜのでんわ

作・絵 いもとようこ 金の星社 刊
岩手県大槌町にある「風の電話」。線はつながっていない・・・・・
電話にこめられた「想い(おもい)」を絵本に。

やまのうえに 1だいのでんわが おいてあります。
きょうも だれかが やってきました。
せんのつながっていない そのでんわで はなしをするために。


たぬきのぼうやがのぼってきました。
たぬきのぼうやは じゅわきを とると、いきなりいいました。
「もしもし、おにいちゃん。どこにいるの?はやくかえってきてよ!
『おにいちゃんは とおくへあそびにいった』って
おかあさんから きいたけど・・・・・
ぼく さびしいよ!いつものようにあそんでよ!
ぼく、いいこにするからさ!ねっ!はやく、はやく かえってきて!
ぼく、まってるから・・・・・

つぎのひは うさぎのおかあさんがやってきました。
「もしもし、ぼうや。げんきにしてる?いいこにしてる?」
いつものように『ただいまー』ってかえってきて!
そして『おかあさーん』って よんでちょうだい!
いつものように・・・・・
いつものように こもりうたを うたうね!
・・・・・おやすみぼうや」
この辺りでわんちゃんの目は涙でいっぱい。

以下は👇この絵本のあらすじです。
次の日は雨がザーザー
狐のお父さんがやってきました。
電話の前でいつまでも泣いていました。
「俺と子供たちを残していっちゃうなんて、ひどいよー」っと・・・・
「本当は『いままでありがとう』を言いに来た」って。
そして、狐のお父さんはいっぱいいっぱい泣きました。

幾日か経って、ねこさんがやって来ました。
「かみさま、人は なぜ死んでしまうの?なぜ生まれてきたのですか?
生きるということ、死ぬということは・・・・・どういうことですか?
教えて下さい神様」

山の様子は季節とともに変わっていきます。
どれだけの人がこの電話でお話をしたことでしょう。
寒い夜のこと、熊のおじいさんが眠っていると、電話が鳴ってます。
山の上の電話はこの熊のおじいさんが置いたのでした。
毎日、ピカピカに磨いてました。
電話のベルが鳴る方に歩いて行きました。
「あの電話は線が繋がってないんだから鳴るはずがない・・・・・」
雪がちらちら降る中を、登って行きました、やっぱりおじいさんの電話が鳴ってました。
おじいさんが受話器を取ると雪はピタリとやみ、数えきれないほどの星がキラキラと輝き始めました。
まるで「電話、ありがとう・・・・・」っと繰り返し繰り返し聞こえました。
おじいさんは空を見て、叫びました
「とどいたんだ!みんなのおもいが とどいたんだ」



風の電話
岩手県大槌町の佐々木格(ささきいたる)さん(ガーデンデザイナー)が、自宅の庭に「風の電話ボックス」をおきました。「会えなくなった人に伝えたい・・・・・」ひとりっきりになって、
電話をかけるように相手に想いをつたえる空間で、実際の電話線はつながっていません。
電話機のよこには、こう書かれています。

風の電話は心で話します
静かに眼を閉じ 耳を澄ましてください
風の音が又は波の音が或いは小鳥のさえずりが
聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい


佐々木さんが震災前から考えていたものだそうですが、心の復興のきっかけになればと思い、実現させたそうです。

「あまりにも突然、多くの命が奪われた。せめてひとこと、最後に話がしたかった人がたくさんいるはず。そして今回の震災だけでなく、会えなくなった人に 伝えたい想いを持っている人は多いと思います。どなたでもいらしてください」