ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

▲3七銀急戦超速攻【超力戦 part 3・ゴキ研流】

2010年12月13日 22時23分30秒 | 超速対策その他
前回の更新からの間に、将棋界に大きな動きがありましたね。

王将戦挑戦者決定リーグで豊島将之五段が5勝1敗の成績で見事に挑戦者となりました。^-^

挑戦に至るまでに倒した相手も凄く、2次予選で谷川浩司九段と丸山忠久九段。
挑決リーグで森内俊之九段、深浦康市九段、三浦弘行八段、羽生善治名人、佐藤康光九段。
20歳での挑戦は王将戦史上最年少記録だそうです。^-^

挑戦者となった事により、同日付で六段へと昇段。

棋王戦でも広瀬章人王位が挑決変則2番勝負へ進出し、
敗者復活組みから勝ち上がってきた者に1勝すれば挑戦と優位な状況です。

長らく続いた羽生世代にも世代交代の波が確実に押し寄せているようです。

戸辺誠六段も棋聖戦2次予選を突破しているので同世代として期待しています。

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さて、以前に少しだけ触れたテーマ図2を憶えているでしょうか。

▲3七銀急戦超速攻【超力戦】で最後に紹介した超速封じです。

恐らく実戦例は無いので私のオリジナル。

勝手にゴキ研流と呼ばせて頂いています。^^;

テーマ図1の超速封じに比べ△1四歩は無駄な手にも思えます。



しかし、実はそうではないのです。

先手がテーマ図2から▲2四歩の超力戦を見送れば、
郷田流▲3七銀急戦か居飛車穴熊という選択肢になります。

郷田流▲3七銀急戦の場合2つの効果があり、

2009.2.17 棋聖戦2次予選 ▲島朗九段△藤井猛九段戦より、
 A図から△1五歩!▲同歩△6五銀!▲5六銀△7六銀(B図)の
 端攻め&玉頭銀があり、次に△1五香~△4五桂~△1五角を許すと
 △8四香が激痛です。



②また、C図から▲4五桂△2二角▲2四歩△同歩▲同飛△3三桂(D図)に、
 ▲2三歩と打たれた時に△1三角(E図)の余地を作っている意味があります。



居飛車穴熊の持久戦になれば、相穴熊で互角に戦えるので
1手損も大きな影響は無いでしょう。

これらを見据えてテーマ図2のゴキ研流を考案した経緯があります。


さて、ここでもやはり▲2四歩が成立しないと
▲3七銀急戦超速攻は指せなくなってしまいます。

意地でも▲2四歩と突いて来るでしょう。



テーマ図2からの指し手
▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩(第1図)
▲2三飛成(第2図)



◇先手の応手を限定

▲2四歩と仕掛ければ△5六歩の反撃はこの一手。

▲同歩と取ってしまうと△8八角成▲同銀に、

①△3五角▲4六角△2四角▲同角△4二銀(F図)が次に△2七飛を見て後手良し。



②△3三角は▲2一飛成△8八角成▲5五桂△6二玉(G図)と超急戦に進みます。
 以下一例で、▲1一龍には△7二玉▲7五角△6四銀▲同角△同歩▲6三銀△8二玉
 ▲5二銀成△同金右▲6一飛△5一歩(H図)となると、 ▲3三香が△2四角の
 流れ弾に当たる為打てないので、通常の超急戦よりも後手が得していると思います。



少しずつリードを広げたい方は①、一気に決めたい方は②を選択すると良いでしょう。

▲6六歩と角交換を阻止するのは△5七歩成▲同銀△1三角(I図)でジ・エンド。



▲2五歩も△2三歩で無効です。

その為、第1図では▲2三飛成の一手に限定されています。

テーマ図1の場合は、この▲2三飛成はより条件が悪くなるのですが、
追って説明します。

第2図からの指し手
△5七歩成▲同銀△8八角成▲同銀△2二飛▲同龍△同銀▲2五飛(第3図)



◇大駒総交換

まず、△5七歩成が王手で入るので手抜き不可能。

そして、△8八角成~△2二飛で大駒の総交換になります。

ここで先手は△2八飛を防ぐ必要があるので、2筋に飛車を打つのですが、
▲2八飛は△2七歩~△2六歩~△4四角でダメ。

▲2五飛が最善でしょう。

ここでテーマ図1から第3図と同様の変化をしたiii図を検討しましょう。



ここで、△3二金(iv図)と受けられると、
△1四角を受ける必要があるのが第3図との違いです。



と言って、①▲2八飛と引くのは△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△4四角(J図)でダメ。
取らなくても垂らした歩の頭に角を打たれます。

他に代わる手も難しく、②▲5八金左なら△3三桂▲8五飛(▲2四飛は△4五桂が絶好)
△2七飛▲8三飛成△8二歩(K図)でやはりダメ。

仕方ないので③▲7七銀ですが、△1四角▲2八飛△4七角成▲4八歩△7四角成(L図)
と馬を作らせて勝負するのが最善そうです。



③は一歩得で馬が出来た後手が指せる展開ですが、先手玉も金銀が集結した形なのに対し、
後手は左の金銀が離れているので、それ程大きなリードではありません。

△5六歩~△6四歩~△6三馬の様な順で玉を固めつつ、先手の飛車に圧力を掛けると
良いでしょう。

第3図からの指し手
△2三歩(第4図)



◇じっと我慢

第3図からは、冴えない様でも△2三歩と受けるべきです。

下手に△3二金と受けても、▲5三角△4二角▲同角成!△同玉▲8六角!(M図)
で痺れてしまいます。



テーマ図1からの変化であるiv図は、△6二玉型である為△3二金が成立するのです。

第4図から先手側に考えられる手は、

①▲5三角
②▲7七銀
③▲6五角
④▲6六銀

順に見て行きましょう。

第4図からの指し手①
▲5三角△4二角▲2六角成△2八飛▲5八金右△2九飛成▲6二角成△同玉▲2九飛
△5五角(第5図)まで後手優勢



◇角の引き場が無い

▲5三角には△4二角が用意の一手。

ここで▲同角成△同金は何をやっているのかわからないので▲2六角成ですが、
△2八飛が王手で入るので桂馬得できるのが大きい点です。

▲6二角成では▲7一角成も考えられ、実戦的にはこちらの方を選ぶべきかも知れませんが、
△2五龍▲8一馬の局面は飛車銀交換であり、二枚飛車の攻めなので私は後手持ちです。

第5図は△3七角成が約束されており、B面攻撃を仕掛けて後手優勢でしょう。

第4図からの指し手②
▲7七銀△6二銀!▲6五角△8五飛▲8六歩△6五飛▲同飛△2七角▲5八金右
△7二金(第6図)まで、双方不満なし。



◇7七の地点が埋まると…

▲7七銀は何事も無い様に見えて凡手。

ここは△6二銀!があり、▲8二角は△9二飛で大丈夫。

▲6五角にも△8五飛の返し技があり、飛車角の身動きが取れません。

第5図は後手も金美濃に囲う事ができるので双方不満なしでしょう。

7七の地点には桂馬が跳ねられる様にしておくのが急所と言うのを踏まえて
以降の変化を検討しましょう。

第4図からの指し手③
▲6五角△3三角▲6六銀△9五飛▲5五歩△6五飛▲同銀△6二玉▲7八玉
△5七角(第7図)まで、変化が多く難解。



◇非常に変化が多い

▲6五角は最も変化が多く、現状は難解と言うよりありません。

まず、△3三角では△9五飛もあるところで、▲6六銀△6四歩▲5五飛△6二玉
▲4三角成△5五飛▲4四馬△7二玉▲5五馬△6五歩▲同馬(N図)は、
先手陣の方が固く先手も持ちか。



▲6六銀では▲6六歩もあるところで、△9五飛▲5五歩△6五飛▲同歩△2四角
▲6七玉(O図)でやはり難解です。



ただし、▲7七銀だと△4二金に▲8三角成に△8八歩!(P図)があるのでいけません。



また、▲5五歩では▲7五歩も考えられ、△同飛▲同銀△8八角成(Q図)も難解。



しかし、駒損の攻めとは言え桂香が拾える展開で先手陣も固くならないので後手も満足か。

本譜の▲7八玉は大切なところで、
例えば▲7七銀なら△2四角と自陣角を活用されてしまいます。

第7図は馬が出来ますが、やはり難解な勝負でしょう。

第4図からの指し手④
▲6六銀△6二玉▲6五角△7四角▲同角△同歩▲2八飛△3二金(第8図)
まで、互角の形勢。



◇先に上がっても

先程までの変化を踏まえて、先に▲6六銀と上がっても△6二玉▲6五角に△7四角の
受けがあって技は決まりません。

第8図もやはり難解な勝負と言えそうです。


如何でしょうか。

どれも互角以上に戦えると思います。

あとは、実戦例が増えて勝率がわかればいいのですが…。

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