前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

元原発労働者、斉藤征二さんのお話。国会での領土問題決議と愛国心。

2012年09月04日 | Weblog
   昨日は、街頭宣伝や会議、打ち合わせ、原発問題の講演会などでした。
講演会は、元原発労働者の斉藤征二さん。主催は、ただびとの会。
   会場には、斉藤さんが原発下請け労働者の組合をつくった頃のニュースなどが掲示されており、懐かしく見入りました。
1981年は私が大学卒業して福井にかえってきた年であり、日本原電の事故隠しが大問題になりました。そういうなかで組合結成の運動がありました。
   会場では、最新刊の「最先端技術の粋をつくした原発をささえる労働」(学習の友社)が販売されていました。なんと、その「事故隠し」の現場作業に斉藤さん自身がたずさわっていたことをはじめて知りました。


  斉藤さんは原発の建設作業員から聞いた話しとして、「県内原発でも海砂がつかわれているサイトがある」「岩盤の上に立てたというが、ぼろぼろの岩盤のところもあり、コンクリートで補強している」。
自分自身、「半年で22.6msvあびた。暑い中の作業でフイルターをゆるめる。福島でも心筋梗塞での死者がでているが、暑さが要因ではないか。原発内はトイレもなく、かたすみで用を足していた」、と。
  
    そして、「あれだけの東電事故は収束しない」「30年以上の原発は廃止して、燃料棒を抜いて欲しい」「福島で除染、といっているが、あのやり方は除染ではない」と話しました。
かつての戦争責任にもふれて、「自分も原発にたずさわってきて、戦犯かもしれないが、政治がきちんと責任をとらない現状は許せない」と強く語りました。

   体はあちこちご病気だそうですが、鬼気迫るお話しでした。多くの県民のみなさんに原発労働の実態を知ってほしいし、そうすれば、非人間的な原発労働をなくしていく必要性もひろがると痛感しました。



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   いま、対話をしていると、かなり領土問題に出会います。
石原知事の態度なども連日マスコミで大きく報道されています。領土問題の解決には歴史と事実に照らして、冷静で、断固とした外交が求められます。
   大門参議院議員が国会決議の議場での野次もふくめて愛国心について書かれていたのが印象に残りました。


■大門みきし参議院議員・・・野田総理問責決議案が可決された8月29日の参議院本会議。

問責決議に先立って、竹島・尖閣 「上陸非難」2決議が、民主、自民、公明、みんな、生活などの賛成多数で議決。日本共産党は反対しました。
わが党は、尖閣諸島は「日本の領有権は歴史的にも国際法上も明りょう」という立場。竹島についても、「日本の領有の正当性には根拠がある」という見解をすでに1977年に発表しています。ただ、竹島問題を解決するうえで、過去の植民地支配の根本的な清算を日本側がしっかり行うことが大事だと考えています。
領土問題は、歴史的事実と国際法上の道理にのっとり、冷静な外交交渉によって解決をはかるべきであり、感情的な対応をエスカレートさせることは双方が自制すべきという立場から、今回の「決議」には反対しました。


ところが、その本会議場で、自民党議員の一人が、わが党の席にむかって、「それでも日本人か、(反対なら)韓国へ行け」というヤジ、暴言をとばしました。ふだんはとても大人しい中堅議員です。私がにらみ返すと、下を向いてしまいました。


 そのとき、しばらく前に読んだ、フリージャーナリスト・安田浩一さんの本、「ネットと愛国」(講談社)を思いだしました。
 この本では、反在日、反中国などをかかげ、過激な行動をくりかえす日本の「市民団体」のすがたがリアルに描かれています。かれらが、人種差別まるだしの街頭演説などを行っているときに、聞くに耐えかねて抗議する人がいれば、その周りを取り囲んで、「おまえはそれでも日本人か、朝鮮人だろ、朝鮮へ帰れ」と口汚く罵倒するのです。
安田さんによれば、行動に参加する若者の一人ひとりは、普段は大人しい、どこにでもいる「フツ―」の青年たちだとのこと。そういう青年たちが、かんたんに人にレッテルを貼り、攻撃の対象にしていく。ヤジをとばした自民党議員のなかにも同じものを感じて、ぞっとしました。

 ところで、大逆事件(1910年)で死刑にされた幸徳秋水は、愛国心についてつぎのようにのべています。
「わたくしは、いわゆる愛国心が、純粋な同情・惻隠の心でないことをかなしむ。なんとなれば愛国心が愛するところは、自分の国土にかぎられているからである。自己の国民にかぎられているからである。他国を愛さないで、ただ自国を愛する者は、他人を愛さずして、ただ自己の一身を愛するものである。うわついた名誉を愛するのである。利益の独占を愛するのである。公正といえるであろうか。私ではない、といえるだろうか」(『廿世紀之怪物帝国主義』神埼清訳)

国を愛さない人はいない。しかし、ほんとうに国を愛するとはどういうことなのか、ふたたび真剣に考えなければならない時代にきています。 ・・・・・・・・

将棋大会。新しい共産党員の歓迎会。税と社会保障シンポ。今日は元原発労働者講演会。

2012年09月03日 | Weblog
      昨日は、しんぶん赤旗の将棋大会、あたらしい共産党員の歓迎会でのあいさつ、税と社会保障問題でのシンポでの司会などでした。

      福井市で「しんぶん赤旗」主催の将棋大会が開催され、ご挨拶しました。囲碁大会もやっています。政党で将棋や囲碁の大会開催で、伝統文化継承に力をいれているのも共産党の特徴です。ただ、「佐藤さんも将棋やりますか」と聞かれ、「駒の動かし方は知っていますがプレーはどうも・・」と。小学生の時は将棋クラブでしたが・・・。

      税と社会保障問題のシンポも開催され司会をつとめました。
講演は井上英夫金沢大学大学院教授、・・・なんと福井県立大学や福井大学で集中講義を担当されたこともあるそうです。教員の免許更新の講義も・・・「先週、25名の学校教員に授業したが、2人がアウシュビッツを知らなかった」と嘆いておられました。

    井上先生は、大震災被災地のスライドなどを豊富に上映しながらお話し。インドネシアの津波被災地・バンダアチェのグランドゼロの写真をしめし、「ここは墓地。たくさんの被災者が埋められた」と。
東日本大震災での大川小学校の悲劇も検証し、「裏山へ逃げれば助かったかもしれない。指定された避難所しか考えないというマニュアル教育の問題があると思う」と語りました。

札幌での餓死事件も調査団長として調査されています。「孤独死、というが複数での死、親子、兄弟、夫婦などの死も増えている。孤立、貧困の拡大が深刻化している」と指摘されました。

大震災被災者支援についてもふれ、「普段から分厚い社会保障制度をつくっていれば、災害対応もすぐできる」と強調され、大震災をうけてさらに社会保障改悪をすすめる政府の姿勢を批判しました。

今後の課題として、ケースワーカー増員や、「最低」を超えて生活保護を豊かにすること、「生活難は自己責任」などという劣等処遇意識の克服、などを訴えました。

     パネリストの平野光陽生協病院院長、牧尾中小企業家同友会顧問、渡辺ハスの実の家前施設長、藤野やすふみ共産党中央政策委員・衆院比例候補からもそれぞれの立場からの現状報告や政策提起がおこなわれました。

金沢大学の井上教授はじめ、パネリストのみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。


      今日は、元原発労働者の講演会が福井市アオッサで開かれます。福井県内の原発で仕事をされていた敦賀市の斉藤さんです。午後7時半~、アオッサ6階会議室。主催は、ただ人の会。原発労働者の組合をつくり、労働条件改善のために奮闘された方でもあります。

本日開催!税と社会保障問題シンポ、井上英夫金沢大学教授講演とシンポ、ぜひご参加ください。

2012年09月01日 | Weblog
   「秋風は 涼しくなりぬ」と言いますが、まだ昼は暑く、体調を崩されている方も多いようです。ご自愛ください。

   昨日は、地域訪問や、今日のシンポの打ち合わせなどでした。あるお店で「消費税増税はやめさせなくては」とお話しすると、店主は「消費税が倍になったら大変です」と顔をくもらせ、店にいた別の経営者の方も「そうなったらもう廃業や」とおっしゃっていました。

    「うちは借金かかえて廃業もできない」という経営者の方もおられます。
    倒れるまで営業をやめることもできない、という辛さ。
  
     利益にかかる税金ではなく、売り上げにかかる消費税の大きな問題点が、また福井の中小経営を津波のように押しつぶそうとしています。なんとしても増税の実施を食い止めなくてはなりません。力をあわせましょう!

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    いよいよ本日です!

    いま大問題の消費税増税と社会保障の一体改悪。
         日本共産党が緊急シンポを開催します。
         9月2日(日)午後1時半~、福井県自治会館。

    メインの報告者には、金沢大学の井上英夫教授。パネリストには、平野治和・光陽生協病院院長、ハスの実の家の渡辺登美子氏、前中小企業家同友会事務局長の牧尾映太郎氏、藤野やすふみ・衆院北信越予定候補らです。

野田政権、民主・自民・公明の国民不在の消費税増税談合・社会保障改悪を許さないたたかいの学習の場となります。
ぜひ、ご参加ください。お問合せ先 0776-27-1380まで。

     

いよいよ明日、税と社会保障問題シンポ、井上英夫教授講演。新藤兼人監督の遺作「一枚のハガキ」。懇談会。

2012年09月01日 | Weblog
いよいよ明日です!

いま大問題の消費税増税と社会保障の一体改悪。
   日本共産党が緊急シンポを開催します。
   9月2日(日)午後1時半~、福井県自治会館。

   メインの報告者には、金沢大学の井上英夫教授。パネリストには、平野治和・光陽生協病院院長、ハスの実の家の渡辺登美子氏、前中小企業家同友会事務局長の牧尾映太郎氏、藤野やすふみ・衆院北信越予定候補らです。
ぜひ、野田政権、民主・自民・公明の国民不在の談合を許さないたたかいの学習の場となります。
ぜひ、ご参加ください。お問合せ先 0776-27-1380まで。

     
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  昨日は、地域訪問や県政市政報告懇談会、新日本婦人の会主催の映画会「一枚のハガキ」鑑賞などでした。


   亡くなられた新藤兼人監督の遺作「一枚のハガキ」は是非観たいと思っていたが、新婦人のみなさんが上映会を開いていただきました。アオッサの8階ホールでほぼ満員でした。
戦争で2度も夫を失う女性。出征中に妻を父親に「とられた」男性。戦争が家族を解体する悲劇が、ユーモアも交えて描かれる。
監督自身の戦争「生き残り」体験の執念が実った重い映画です。だが、みずみずしい。

「今日はお祭りですが
あなたがいらっしゃらないので
何の風情もありません」

1枚のハガキからはじまる物語。

それにしても、大竹しのぶの演技は鬼気迫るものがあります。

ラストシーンは

新約聖書。
一粒の麦 地に落ちて
死なずば 多くの実を
結ぶべし

         
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  懇談会は、鈴木市議の地元の和布地区で。
私やかねもと候補、鈴木市議がお話した後でみなさんからご意見をいただきました。

「領土問題は国の基本ではないか」「議員の視察は政策にどのように反映しているか」
「この地域にも市の施設がほしい」「原発は当面必要ではないか」
「北朝鮮や中国の共産党と日本共産党の関係は」「消費税で得をするのは輸出大企業ではないか」などなど盛りだくさんの質問やご意見をいただきました。

わたしたちが手分けしてお答えいたしました。
残暑厳しい中、ご参加いただきありがとうございました。


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  昨日の毎日福井面に、前支局長からのメッセージが掲載されていました。

  「新たな日本の社会状況から目を背けず、福井が新たな未来へ向けて歩み出すことを願っています」・・・・県民一人ひとり、とりわけ県庁幹部や県議会議員は心したい言葉です。



■毎日・・・・・・支局長からの手紙:東京から見た福井 /福井

毎日新聞 2012年08月31日 地方版


 福井のみなさん、お元気ですか? 空が青く広い福井から、高層ビルが視界をさえぎる東京へ4月に異動し、はや9月です。伊藤雄一支局長の勧めで、東京から見た福井について書いてみます。

 福井の夜にエアコンをかけて寝ることはなかったのですが、こちらではそうはいきません。土のない街は気温が下がらない。エレベーターやエスカレーターに、一日に何度乗ることでしょう。取材で訪ねる先がビルの30階、40階ということも珍しくなく、まったくもって電気仕掛けの都市生活です。

 毎週金曜日、首相官邸前で大勢の人が原発の再稼働に抗議していることはご存じでしょう。福井市ならJR福井駅東口から片町一帯まで、車道を含めて埋め尽くすほどの人出です。何度か取材に行って、その度に驚きました。子ども連れの夫婦やおじいさん、おばあさんも参加しています。電気が東京を支えていることを知らない人はいません。でも、「子どもたちの未来を考えると、このままではいけないと思って」と、誰もが同じように言います。

春に東京で新居を探した時のことです。不動産会社の担当者は、私が新聞記者と知り、仕事そっちのけで原発の安全性について質問攻めにします。福島原発事故直後は首都圏にも放射性物質が降下して影響が懸念されました。この人は関西の兄の元へ子息を避難させたそうです。「二度とあんな目に遭うのは嫌です」と言っていました。こんな風に原発事故への恐れが浸透し、デモの人出につながっているのです。

 福島も取材で訪ねました。事故から1年後の現状を象徴する言葉の一つに、「分断」があることを知りました。補償金の多寡を巡ってはもとより、小中学校の再開一つをとっても、復興のため早期再開を望む人と、子どもの安全を考えて慎重な人の意見が分かれ、そのうちに対立してしまう。心を合わせたいのに、その反対の結果となるのはやり切れないことですね。

デモに参加する東京中心の延べ何十万人、原発事故の被害を受けた福島県の約202万人(3・11前の人口)、さらに隣県の人々……。政府が日本経済を理由に原発の利を説いても通用しないのは、戦後史上ない多数に被害を実感させたことが大きな原因の一つでしょう。日本社会の底に怒りのマグマが形成されました。このマグマは日本の将来にさまざまな影響を及ぼしていくでしょう。

 福井では、この社会の変化に気づいているかどうか。

 震災後の春も、私が離任する前も、福井の産官学各界では「間もなく原発は元通りに動く」という考えが主流でしたが、そうはなっていません。大飯原発3、4号機こそ再稼働したものの、3・11前の稼働水準とは比べものになりません。マグマが見えていないから、読み違えたのではないでしょうか。新たな日本の社会状況から目を背けず、福井が新たな未来へ向けて歩み出すことを願っています。

 追伸 魚、米、野菜、そば……。山と海、広がる田園風景。静けさ、落ち着き。福井には東京にないものが、たくさんありますね。また、ほおばりに行きたいと思います。お元気で。【前福井支局長(現東京本社夕刊編集部)・戸田栄】・・・・・・・・・