前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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中高一貫教育、算数WEB,教員の多忙解消、勝山の高校用地問題など・・・2月県議会での質疑

2013年06月17日 | Weblog
福井県議会 2013年3月8日 教育関係の常任委員会での佐藤正雄県議の質疑です。

教員配置問題

◯佐藤委員  第39号議案であるが、以前、この場で質問したときに、高校再編に伴って協議に入るが、ばたついているところは手厚く考えるという答弁をもらったと思う。若狭地区、坂井地区、それぞれどのような教員配置をしたのか。

◯高校教育課長  第39号議案の職員定数条例についてであるが、平成25年度については、高校の場合、勝山南高校の閉校があり、教員定数がかなり大きく落ちる。ただ、奥越明成高校開校時にも再編後スムーズにスタートするように若干定数を手厚く配置したので、今、数字は言えないが、若狭高校、若狭東高校についても同じように、ほかの学校に比べて定数を手厚く配置して、スムーズにスタートするようにしたいと思っている。

◯佐藤委員  再編されるところはきちんと手厚く教員を配置して、対応するということか。
 もう一つは、これまでと比べて学級が減っていないのに、定数を減らすケースはあるのか。

◯高校教育課長  教員定数は県全体で決まる。それを各学校に配置するのであるが、ことしの場合は大きく定数が落ちるので、学級数が変わらないにもかかわらず、例えば定数が1人落ちるとか、そういったケースは出てくる。

◯佐藤委員  それは問題があるのではないのか。学級数は変わらないのに教員の定数が削られることになったら、現場は困るだろう。

◯高校教育課長  定数全体の数が決まっているので、そのようなケースが出てくるが、そのような場合には、例えば非常勤講師の時間数を多目に配置するなどの配慮はしたいと考えている。


放課後子供クラブ応援事業

◯佐藤委員  予算案説明資料14ページの放課後子供クラブ応援事業が大幅に減額になっている。これは先般、一般質問でも取り上げられ、この場でもたびたび言っているが、小学校3年生になるとなかなか入れなくなるとか、拡充の声が出ているわけである。たしか、先日の知事への答弁では、一所懸命取り組んでいるとか、取り組むとかの答弁があったと思うが、減額というのは、知事への答弁の方向と違うのではないのか。なぜ、こういうことになるのか。

◯義務教育課長  この減額については、実績で対応していると理解いただきたい。来年度に向けては、再度、調査をかけている。

◯佐藤委員  実績が減っているから現場は困っているのに、何で減らすのかと聞いているのである。質問の趣旨は、もっと積極的に応援して使わせなくてはいけないのではないのかということである。

◯義務教育課長  各市町に対して、助成等のことについてはそれぞれ徹底して周知しているところであるが、今後も市町との連携をとって、再度、周知徹底を進めていきたいと考えている。

◯佐藤委員  よろしく願う。


生徒が先生を評価するシステム?

◯佐藤委員  今の関連であるけれども、それは生徒が評価することになるわけであるが、これまではある意味では、その学級のテストの点数とか、まとまりぐあいとか、いろいろな形での一つの評価があったと思う。例えば、あの担任の先生のクラスは極端に平均点が悪いので、問題があるのではないかという見方があったと思うが、今回、生徒が教員を評価するシステムを取り入れると、変な言い方であるが、先生と生徒との信頼関係に混乱が生じる懸念はないか。

◯高校教育課長  生徒にもアンケートの結果は返すが、生徒への返し方のところで混乱がないようにしたいと思っているし、委員が言われたように、今までは、模擬試験、あるいは中間・期末試験の点数など、点数だけの評価だったわけであるが、それに加えて、授業に対してのアンケートをすることによって、総合的に指導力を高めていきたい。ただ、点数だけでなくて、その授業が楽しい授業になっているかとか、生徒が興味、関心を引きつけるような授業になっているかというところでの指導力向上を考えていきたいと思っている。

◯佐藤委員  ちょっとわかりにくい。そうは言うものの、教育委員会の方向としては全国学力ナンバー1など、いろいろな数値目標を出したりしているわけだから、結局、そういうことに活用されていることになると、これも以前、議会でも取り上げたけれども、今、ただでさえいろいろなストレスで病気になる教員がふえているのに、さらにそれに輪をかけて、現場の教員に対するプレッシャーになりはしないか。平たくいえば、これまでは、教育委員会というか、上からプレッシャーがあったが、今度はまた下からもプレッシャーがあると、ダブルで一層ストレスになるのではないかとの懸念を持つのである。その辺の活用法を慎重にやらないと、大変なことになるのではないかと思うが、どうか。

◯企画幹(学校教育)  このアンケートについては、基本的には評価の観点よりも、授業改善の観点でやっていこうと考えている。であるから、例えば板書の仕方とか、授業の進度が速いとか遅いとか、また内容が自分たちに合っているとか、合ってないとか、クラスによって、また生徒の集団によって、授業のやり方は変えていかなければならない。そのために、各先生方が子供たちの意見を聞くことによって、自分の授業を振り返りながら授業改善に資することがあくまでも目的であって、生徒が先生を評価するとか、そういう趣旨でやっているものではない。もちろん、各先生方、また各学校にその趣旨をよく説明して、この制度をやっていきたいと考えている。

◯佐藤委員  それならば、この授業評価制度というネーミングそのものがどうかと思うのである。私はこういう仕事をしていると、きょうの私の話はどうであったかと聞いたりして、批判があれば、それでやめたということも大いにあるわけである。多分、そういうイメージだと思うのだが、それであれば、もう少し簡便に、よかった点、悪かった点、もっとこういう改善をしてほしいなどとするのならともかく、こういう評価制度という形で一律に出されると、どうなのかと思う。実際、現物はまだこれからつくるのかもしれないが、どういう内容で出されるのかもあるので、その辺は慎重にお願いしたいと思うがいかがか。

◯企画幹(学校教育)  今、委員が言われた趣旨を各学校にきちんと説明して、この制度を進めていきたいと考えている。


奥越特別支援学校用地問題

◯佐藤委員  予算案説明資料6ページの奥越特別支援学校建設事業は、これまで、地元の親御さんからの要望もあって、こういう形になったのは大変喜ばしいことだと思う。
 それはそれとして、先日、福井新聞や朝日新聞に、その土地をめぐっての大きな報道が載っていた。要するに、もめているという話だが、県のかかわりはどうなっているのか。

◯企画幹  当時、県が県有財産取得で議会にかけている。そのときの議案を見ると、勝山市での議案にかけてあったような附帯条件はついていない。そういうことで、今起きている問題は、基本的には勝山市で責任を持って対応すると認識している。

◯佐藤委員  県の特別支援学校の土地で起こっている問題だけれども、県は関係ない、それは勝山市の問題だと言われるわけである。県有地で起こっている問題が、県は関係ないというのは、県教育委員会の説明としては、県民から見ると非常にわかりにくいと思う。
 もともとは、昭和33年頃の話だと思うのであるが、経過を伺うと、当時の羽根福井県知事が勝山市に寄附させて、全ての手続が終わった後、適当な時期に建築したいという話を勝山市長にしていると、勝山市長が議会で答弁しているわけである。こういう点では、そういう手続の流れは、県が勝山市へ指示したものであることは明瞭だと思う。
 もう一つは、最近の話で、平成20年に、この土地に養護学校の建設を進めたときに、土地問題に関して新たな要望は出てこないのか、そういう可能性はないのかと、県教育委員会から勝山市に念押しをしていることである。であるから、この土地になる経過と、そして平成20年に奥越に養護学校をつくってほしいという要望に応えて、設置場所はどこにしようという議論の過程で、県教育委員会から勝山市に、土地問題は大丈夫かという念押しをしている経過があるから、無関係とは言えないのではないのか。

◯教育長  これは、その時々のいろいろな経緯があると思うが、昭和30年当時も、私立を県立にする中で、地元としては存続するためにとうことで、協力していただきながら、県立に移管したのだろうと思う。そういった意味においては、県議会での議論などがあって、附帯条件は特についていない状況であり、しかも半世紀以上前の話であるので、地元のもともと寄附された方と勝山市の関係については、県としてはそれ以上深く関与できない。
 平成20年当時に、奥越地域に特別支援学校を建てる時にも、勝山市としてはぜひとも現在の勝山南高校の跡地に設置してほしいという思いがあった。過去の経緯を見ると、そういうこともあったようであるけれども、県としても、立地するにあたっては、ほかの地域の皆さん方を含めて理解いただき、協力していただく必要があることから、改めて勝山市に確認をしたときにも、勝山市の問題として対処するということであったと聞いている。県としては、この問題については、勝山市と勝山市へ寄附された所有者の方との話だと受けとめているので、勝山市とはいろいろな話を聞きながら進めるが、現時点で県が介入するような問題ではないと考えている。

◯佐藤委員  介入ではなく、実際、平成20年当時にも、勝山市に問い合わせをしているわけであるから、県としてはそういう問題が起こってくる可能性があると認識は持っていたのだろうと思う。今回、勝山市議会にその問題に対応できるような土地購入代金の予算が出されていると新聞では報道されていた。県民や市民に対して、県は無関係であるということをもう少し丁寧に説明しないと、非常にわかりにくいと思う。県の土地で、ずっと県立高校であったのが、今度、特別支援学校になる。しかし、その土地についてもめているのに、県は関係なくて、勝山市だけで処理すればいいという言い方がいいのかどうか、非常に疑問だと思う。県も知りながら、その責任を勝山市に押しつけるのでは、不誠実ではないかと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、今の話についての県の姿勢としては、勝山市の対応をしっかりと見きわめるということである。県議会あるいは県が、こういう場で議論し出すことになると、かえって現場も混乱する可能性があるので、この点については、これ以上議論がないように引き取っていただきたい。

◯佐藤委員  実際、勝山市議会では議論になっているわけであるから、県としてもきちんとその辺は注視して、対応願うと要望しておく。


中高一貫教育導入について

◯佐藤委員  今の中高一貫の問題であるが、教育長が言われたように、先行県を視察してそれなりにうまくいっているという話であるが、うまくいってない学校もあるわけである。
 うまくいっている学校でも、全体の検証がされているかというとそうではなくて、まだスタートして数年であるから、6年間教育して、7年後、8年後と、その後その教育成果がどのようにあらわれているかなどの検証がされているわけでもないのである。だから、非常に未知数なところが多い教育システムだと考えていかないと、先行県でうまくいっているからいいシステムだと断定するのは問題があるのではないかと思うが、どうか。

◯学校教育政策課長  我々が委員会の中で議論している中では、各都道府県とも、小学校6年、中学校3年、高校3年と進まれる方、あるいは中高一貫教育で小学校6年、中学校と高校の6年と進まれる方、いろいろな多様性を導入している。通常であると、3年間いる学校に、12歳から18歳までの子が6年間一緒にいるということで、お互いに助け合い、お兄ちゃんからすると弟に対するように接することで、人間性が出てくることを各県とも利点として挙げている。
 ただ、心配があるとすれば、委員指摘のように、必ずしもなじめる子ばかりではないということで、なじめない子についてはしっかりとしたケアが必要だという意見を伺っているし、我々もそうしたいと考えている。

◯佐藤委員  県立高校の全県5学区制を撤廃して全県1学区になって、高志高校にも多分各地から入学されているのだろうと思うが、例えば、越前市や敦賀市、あわら市、坂井市から、中学校を卒業した子供が高志高校に通学するのと、小学校を卒業した子供が通学するのとでは同レベルには論じられないような、防災も含めたリスクも出てくるのではないかと思う。県内各地で説明会を開催するとの説明があったので、多分、同じような発想で、エリアを限定せずに全県から広く募集されるのであろうが、小学校を卒業した生徒が遠距離通学するリスクへの対応は、どのように考えているのか。

◯学校教育政策課長  高校改革のとき、平成16年度から全県1学区制にしたわけであるが、委員指摘のように、高校生と違って、去年まで小学6年生が学校に入るわけであるから、各県の状況を聞くと、やはり我々としても通学時間に何時間もかけることが適正かどうかは考えるべきかと思う。各県とも1時間程度の通学範囲ということで、これについては先ほど教育長が申し上げたように、石川県、滋賀県等も同じようなことを考えているということである。

◯佐藤委員  きのうも総務部関係の常任委員会があって、県立大学のあり方で大分議論があり、新聞にも報道されているとおりであるが、先ほど山本正雄委員の質疑にもあったように、目指す方向が、学力を最も効果的に伸ばして世界に通用する人材をつくっていくということになると、福井県の人材を育てるという面との兼ね合いは、どのような位置づけで考えているのか伺う。

◯学校教育政策課長  大学進学のことになると思うが、いわゆる難関大学であれば、東京都や関西圏などに出ていって、その子たちが戻ってこないとか、あるいは、本県のものづくりを進める上で、地元に残ってしっかり教育するということを、先生は兼ね合いとおっしゃっている。必ずしも、県外のいわゆる難関大学を勧めるわけでもないし、当然、地元に残って、よりきわめていっていただきたい気持ちもあるので、それについてはしっかりと教育する中で、必ずしも何々大学へ行けということを言っているものではないので、その辺については他部局とも相談しながら進めていきたいと考えている。


算数WEBシステムの課題

◯佐藤委員  以前も尋ねたが、教育委員会や教育研究所がやっている算数Webのシステムについて、各学校との関係では、活用は任意ということであるが、どの程度利用されているのか。

◯義務教育課長  委員指摘の算数Webであるが、昨年10月1日に稼働し、県下の小学校1年生から6年生までが対応できる問題、各9単元提示している。今の実施の状況を見ると、全ての小学校で問題を活用しているということである。

◯佐藤委員  評判はどうか。

◯義務教育課長  子供たちのつまずきの状況を的確に把握できるかという点で、それぞれの小学校から聴取しているのであるが、非常に好評であると認識している。

◯佐藤委員  現場の声とは大分違う。好評であるというのはどういう調査に基づいたものかであるが、ある調査によると、歓迎されているのが3.6%、賛否両論というのが7.1%、おおむね不評だというのが89%と、学校の現場の先生からほとんど不評なのである。だから、教育委員会はいろいろと頭で考えて、教員に押しつけることをやっているかもしれないけれども、不評がこれだけ9割近いということは、現場の先生から見れば迷惑しているシステムではないかと思う。それをよくお互いにフィードバックせずに、そのまま押しつけ続けることはお互いに不幸だと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、その根拠となる数字は、具体的にどういうところで、どういう対象の方に、どのように統計をとったものであるか。

◯佐藤委員  学校の関係者を対象にしたものである。

◯仲倉委員長  学校の関係者というのは。

◯佐藤委員  それぞれの学校の関係者である。

◯仲倉委員長  そういうアンケートを何かとっているのか。

◯佐藤委員  民間の団体が、福井市内の小学校28校、中学校14校、合計42校を対象に実施したものである。

◯仲倉委員長  根拠となるその数字については、もう少し具体的に言っていただかないと、何を根拠にそういう数字を出しているかわからない。どういう団体が、どういう人を対象に、どういう数字のとり方をしたのか、そういうことをしっかりと明らかにしなければ、議論の根拠にならないわけである。

◯佐藤委員  わかった。福井市内の小学校、中学校合わせて42校、算数Webについていえば小学校ということになるが、アンケートをとり、実際に現場の学校から返ってきたアンケートの回答の一部である。私も全部見せてもらったわけではないが、集計結果の一部を見せていただくと、そういう回答が非常に多くなっている。
 実際には、印刷、テスト、採点、入力、見直し、解説で時間がかかり過ぎて非常に効果が疑問だとか、算数の主任会に出す議論をしたら、学年の全員がこれは必要ではないのではないかと言っていたと、現場の学校の教員からは不評である。全教員が不評と言っているかどうかは別として、そういう声が非常に強いわけである。その辺については、現場でどう思われているのか、どう活用されているのかを教育委員会としても調査して、改善する姿勢が必要ではないか。

◯義務教育課長  1月であるが、県下7ブロックの小学校教育研究会の代表が、本課の算数担当者と協議会を開催した。その中で、全ての地区からの状況を確認したところ、先ほど申し上げたとおり、非常に児童のつまずきの状況がわかるとか、また、リアルタイムに県下の状況と自分の学級との状況が比較できるとか、指導方法の工夫、改善に大変役立っているとの意見が多数を占めていた。
 ただ、上位層の子については、さらに難易度の高い問題も提示してほしいとの意見があったようなので、難易度の高い問題についても、2月中にインターネット上に提示した。
 県下200校の校長先生方の代表として来られた先生方との協議の中では、先ほど申したとおり、押しなべて大変好評であると私どもは認識している。

◯佐藤委員  2月中に難易度の高い問題をさらに提示したと言うけれども、算数Webのシステムでは、実際の学習の要領というのか、この学年ではこの範囲で勉強するという範囲を超えて出題をしていて、学習の範囲では解けない問題まで出題されているとも聞いている。難易度の高い問題を出すこと、また、さっきの議論にもつながるけれども、とにかく先学び、先学びで、その学年で学ぶのではなく、上級の学年で学ぶことを下へ下へとおろしてくることが、何かいいことであるかのように、どんどん現場に押しつけるのは問題ではないか。

◯義務教育課長  それぞれの学年での問題、例えば6年生であると、全単元が18単元あるが、それに応じたプリント等を提示しており、時間でいえば20分程度で解ける問題である。低位層、中位層、下位層の子たち、それぞれ学級の中にいるわけであるが、下位層の子も十分解ける問題も当然そこに載っている。
 進度であるが、それぞれ学級に応じた進度があるので、担任の先生がそれに対応できるような形で進度を提示しており、この時間帯には必ずこれをやりなさいとは私どもは言っていない。それぞれの学校の状況に応じて対応できるように提示している。その率を見ますと、10月1日から導入したのであるが、全ての学校で約5割の単元の消化という形でやっている。

◯佐藤委員  実際の現場の先生の声と、今、義務教育課長が言われたような校長先生のレベルでの評価とは、どうしても乖離があるのではないかと思う。だから、これを活用している先生全員に、一度、無記名でアンケートをとってほしい。実際に、どう活用されているか、授業に役立っているかのアンケートをやらないで、教育委員会の目線だけで判断していくと、現場の先生の思いとは、ずれが出てきてしまう。それが結局、さっき言ったように、現場にいろいろな課題や仕事だけどんどんふえて、非常にまずい状況になることがあると思う。この算数Webにしても、朝学習のときにやっているとの話も聞いているが、現場にそのような過重負担がかかる一つの要因になりかねないと思う。調査とその調査に基づく改善を求めたいと思うが、いかがか。

◯教育長  算数Webだけの問題ではないかもしれないが、我々は子供たちに対して、いかにいい教育をするかの観点で行っている。であるから、先生方には少し負担をかけることもあるが、例えば先生方も、自分が教室で教えていることがどうかの評価をするためには、これまでは他校の公開授業に行ったり、研修に行くしかなかったが、その労力をいかに省くかということで検討した結果、今はウエブを活用することでいつでも見られる状態であり、効率化の意味では使っていただきやすくしたつもりである。
 それについての先生方の意見についても、学校は一つの組織であるので、我々としては、校長先生が先生方の話を聞いて集まっていただき、話していただいていると思っている。であるから、先生方の意見を踏まえた形として、先ほど話したような状況を踏まえているので、指摘された点については、校長等も通じて、どうであるかの実態をいろいろと聞いて、システムの改善すべきところはこれからどんどん改善しながら、子供たちにとってよりよくなる形を進めていきたいと思うので、よろしく願う。

◯佐藤委員  今、教育長も言われたけれども、教員にとってではなく、子供たちにとっていかに効率的、効果的にやるかが大事だという言葉に象徴的だと思う。今度、高校でもDVDを活用するとかいろいろと言われているけれども、結局、突き詰めていくと、一人一人の教員は何のために存在するのか、そういう名人の授業をビデオで流しておけばいいのかということにもなってくるわけである。やはり、一人一人の教員には、授業をする思い、授業をする権利があるわけで、昔、僕らの小学校のときには、それぞれの先生が自分でガリ版を刷って、プリントをつくってくれていた。当然、隣のクラスとはプリントの内容が違う等があって、それはそれで思いが伝わるわけである。そういうものを全部失って、機械的にとにかくこれでやれという教育で本当にいいのか。そういうやり方では、教員のやる気がますますなくなってしまう。

◯教育長  まさに、委員が言われるように、各教員がどのように授業を工夫するかのために、そういうことをやっているのである。少し誤解があるようであるが、例えば授業名人のDVDも、どこかの予備校のように、インターネットで児童全員にその先生の授業を見せるためのものではなく、先生自身が自分の授業のやり方とほかの先生の授業のやり方とを見比べたときにどうであるかの評価をするときに、わざわざどこかへ出かけていかなくても見られるように考えた方法である。最終的には各教員がどのように工夫していくか、もちろんそのためにはせっかく優秀な教員が本県にたくさんいるので、そういう知恵を結集してやっていこうとのことであるので、決して一律的なものを統一的にやるのではなく、むしろ個々の教員がいかに質を高め合うかのための、協力し合えるシステムとして使っていこうと考えている。委員が言われるような、一律的なものを進めることとは全く趣旨が違うと思う。


教員の多忙の改善は

◯佐藤委員  今の関連であるが、学校改善運動などいろいろと実施されていると思う。しかし、実際の現場では、山本正雄委員が言われたように、多忙感、これは職員も含めて、多忙な感じではなくて、実際に多忙なので、多忙感という言葉がいいのかどうかわからないが、多忙感についてのいろいろな問題が出てきているわけであるから、それを具体的にどう改善していくのかが、余り見えてきていない。以前は、何%書類を削減したなどの答弁があったけれども、実際の多忙感が、それで具体的に大分改善されているのか。

◯学校教育政策課長  昨年、夏前に、各教員の居残り時間について調査した。改善したことによる調査結果は出ていないが、これは一学校一改善の活動として、いろいろな形で先生自身が取り上げていただき、自分自身が授業を見直していただくことで普及していくものだと考えているし、県教育委員会としてもいろいろなシステムを活用しながら応援していきたいと考えている。

◯佐藤委員  一学校一改善が、学校現場で共有されて、きちんと議論されているのかを伺いたい。

◯学校教育政策課長  例えば、毎朝行っていた職員会議なども、みんなが集まるのではなくて、メール等で配信して集まる時間を減らし、子供に向き合う時間をふやしたという各学校からの報告等もある。

◯佐藤委員  そういうことの努力もいろいろされているのであろうけども、実際には現場の中での改善感が余り見られないとの声も多いので、引き続き、続けていただきたいと思う。
 もう一つ、平成25年度(当初)予算案説明資料にも出ているが、先日、視察した坂井地区の高校再編のことであるけれども、前回に聞いたときには、坂井総合産業高校トータルで幾らの予算かは答えられないということだったので、それを答えていただきたい。それから、春江工業高校で校長先生から話を聞いたときに、坂井総合産業高校と春江工業高校の両方で必要になる施設もあり、生徒の異動はさっきバスでと言われたが、教員も行ったり来たり移動しなければならなくなる問題が指摘された。また、レポートなどでも、普通は二度、三度、書き直してようやくレポートになるが、そのあたりのフォローをどうするかなど、現場の教員の間で教育上の不安が強いようである。全体の事業規模と、そのような現場の教育面での不安についてどう対応されるのか、2点伺う。

◯教育振興課長  まず、一つ目の事業費であるが、今回の予算で工業実習棟テクノラボの設計費を計上させていただいており、詳細な数字については、今後詰めていく必要があろうかと思うのであるが、現時点の試算では30億円程度になるのではないかと見込んでいる。
 学校の形態が違うので一概に比較はできないけれども、参考までに最近の事例を申し上げると、4月に開校する奥越特別支援学校は約23億円、平成23年4月に開校した奥越明成高校は、大きな施設整備はなかったが、約9億円であり、それらと比べれば、金額的には大きいものになっている。これは、今申した新たな工業実習棟の建設であるとか、耐震化に関連して第1体育館も新築する建築費などが他の施設と比べて大きな金額になる要因となっている。

◯高校教育課長  工業の実習の移動についてであるが、これまでも説明しているように、1年生については週3時間、週1回程度で、移動はバスで行う。現在、県有バスも1台あるし、借り上げバスも当然検討しなければいけないと考えている。時間的には10分から15分で着く距離である。他府県においても。工業高校を統廃合した場合、移行期2年間は、工業の実習はそのように移動して行っている。
 レポートについては、常に設備を使えている状態で3日かけていたものを、例えば、実習をやったその日のうちに提出させるなど、提出の仕方を検討することで、十分に対応できると考えている。

◯佐藤委員  答弁にあったように、うまくいけばもちろん問題はないとなるのかもしれないけども、現場の実際の校長先生、教員の方々、不安が出ているので、そういう場合には代替教員も含めてきちんと対応するように要望しておく。

請願陳情審査

◯仲倉委員長  これより請願、陳情の審査に入る。
 今回、付託を受けた陳情2件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、陳情第27号「坂井地区の県立高等学校再編に関する陳情」を議題とする。本件に対して各委員より発言願う。

◯畑委員  この陳情については、平成26年4月の坂井総合産業高校の開校に向けて、県はこれまで地域の方々に対して説明をしてきているが、その中で、坂井地区の高校再編を平成30年に延期することは、地域の方々の混乱を招くだけであり、当陳情は不採択に願う。

◯佐藤委員  今、議論があったが、現場の教員が今の拙速な再編については延期の要望をされているわけであるから、その要望に応えて採択とすべきだと思う。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるから、採決する。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。
 よって、本件は不採択と決定した。
 次に、陳情第28号「坂井地区学校再編計画に関する陳情」を議題とする。本件に対して各委員より発言願う。

◯佐藤委員  地元の父兄から出ている件で、先ほどの陳情とも共通する内容がある。やはり地元のニーズからしても、ここに書いてあるように、中途半端な再編は反対、きちんとしてから統合するなり、開校してほしいというのがメーンの要望だと思うので、採択願いたい。

◯山本(正)委員  私どもは、坂井総合産業高校については、予算についても校舎の建設促進についても、当初おくれていたのを、相当尽力いただいたので、陳情書の最後に記載があるように、十分な環境整備を強くお願いするということで、ぜひ皆さんの賛同を得て採択願いたい。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるから、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成全員である。よって本件は採択と決定した。
 この際、お諮りする。会議規則第93条第3項の規定により、ただいま採択された陳情第28号については、これを執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求することにしたいと思うが、これに異議はないか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  なしと認める。よってそのように決定した。
 これで、請願・陳情の審査を終了する。



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