前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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もうあれから10年か、えちぜん鉄道

2011年08月18日 | Weblog
NHK・・・・えちぜん鉄道 自立を求める

厳しい経営状況が続くえちぜん鉄道の経営のあり方を検討する協議会が、17日福井市で開かれ、沿線の自治体が赤字を全額補填してきたこれまでのやり方が改められ、えちぜん鉄道の自立を求めることになりました。
協議会には、県の担当者や沿線の自治体の市長や町長など10人余りが出席しました。
沿線の自治体や県ではえちぜん鉄道設立から10年間の支援の枠組みが期限を迎えることから、平成24年度以降の支援の枠組みについての素案が示されました。

素案では、沿線自治体が赤字を全額補填してきた方針を改め、鉄道の運行に必要な経費に限ることや、県からの設備投資の補助も車両や橋りょうなど早期に更新が必要なものに限定するとしています。
この結果、沿線自治体が負担する総額は、6億5000万円少ない、21億9000万円となり、県が行う設備投資の支援もこれまでの約半額の19億7000万円にとどまることになります。

今回の素案では、えちぜん鉄道が「地元にとって不可欠なインフラとして定着してきた」として自治体の援助に頼るのではなく、企業の経営努力を強く求めていて、沿線の人口の減少が進む中でどのように利用の促進を進めるかが今後の大きな課題となります。
協議会では、今回の素案をもとに利用促進策についても議論を重ね、次回の10月の協議会で、正式に支援策をまとめることにしています。・・・・・・・・・



もうあれから10年か、と思う。京福電鉄が二度の死傷事故をおこし、経営を放棄。電車廃線の恐れがつよまった。
地元住民のみなさんの熱心な存続の願いにこたえ、わたしたちもがんばった。
しかし、当時の県議会議員の過半数は廃線派、とみられていた。
沿線自治体の地元の自民党県議が「私はバス転換でいいと思う」と委員会で発言し、民主系議員が「先生、よく言ってくれました」とエールをおくるなど政治的には厳しい局面だった。水戸黄門のように「後ろからばっさり」と感じ、冷や汗がでた。沿線首長のなかにも「バスでいい」と発言されている方もおられた。

電車は線路を走るのであり、すべての沿線自治体の合意・協力なしには存続できない。共産党の市会議員、町会議員と私は沿線の市長、町長をまわって存続への協力をお願いしたりした。当時の自民党県議だった坂川優さんも「ここは自共共闘だ」などと言ってそれぞれの立場で奮闘した。

結果は、住民のみなさんの大きな声が行政や議会を動かすこととなり、電車存続がきまった。降りることがなかった遮断機がおり、武骨だがあざやかなボディの「えちぜん鉄道」の電車が目の前を通過した時は本当に感激した。

10年たって、あの時の決断と運動は正しかったと思う。
人口減少、厳しい財政のなかで、どの分野でも容易でない展開が予想される。
交通分野もそうだろうが、だからこそ、高齢化時代にふさわしい交通、地域を支えるのに必要な交通システムこそ行政の支援で創造していくことが必要ではないか。
地域の発展も、人間の身体同様、動脈だけでなく、毛細血管も働いてこそ、だ。