ひざの痛みはガチョウの足

~いま、整形外科医の診察力がヤバイ! ~

パテラセッティング

2017-08-04 03:50:40 | 日記
夏ですね。
大好きな夏、しばらく銀座で仕事しています。
今月は銀座にいる時間が長いので、休みも多くとれそうです!

今日の股関節ブログは『診る力』です。膝関節にしろ股関節にしろ診察力は重要です!



実は、先週の記事の『ためしてガッテン』には続きがありました。
もうご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

この動画の中で『大腿四頭筋セッティング』という言葉が出てきます。
非常に簡単すぎて「こんなので良くなるの?」という方が多いようです。

恥ずかしい話ですが、私も右膝が悪いのです。
正座できません。
3年前からです。
筋肉をほぐしたり、お皿を動かしてみても改善しない厄介な状態です。
これと言ってケガをしたわけではないのですが、ゴルフの後から痛くなったところをみるとひざの中のどこかの組織を傷めたように感じていました。
しかし、この大腿四頭筋セッティングで改善傾向にあるのです!



その動画はここから見れます。

https://m.youtube.com/watch?v=6Xw457cQIPU



この方法は『パテラセッティング』とか『クアドセッティング』とも呼ばれる方法です。

パテラとはひざのお皿の英語名です。
日本語では膝蓋骨(しつがいこつ)、一般的には『ひざのお皿』、英語ではパテラ(Patella)です。

これからは『ひざのお皿』なんて呼ばないで『パテラ』と呼んでくださいね。
その方がカッチョ良いでしょ? パテラからのお・ね・が・い!



クアドセッティングの『クアド』とは『四』という意味で、大腿四頭筋(QuadricepsFemoris)の略になります。

私は以前から『パテラセッティング』と呼んでいましたので、ここではパテラセッティングという表題にしています。




番組の中でも説明されていましたが、この方法は簡単かつ安全で効果的なんです。




足首を上げてひざの裏を床に押し付けるだけ。
私は痛みが無かったので強めに押し付けました。
パテラが少し上に動くのを確認すると良いかもしれません。
ももにある大腿四頭筋は強く収縮します。


この方法は昔からある方法ですが、大腿四頭筋の筋力低下を防ぐため筋トレ法と習ってきました。
もちろん、その考え方に基づいて患者さんにも指導してきました。
最近では、ひざが伸びない患者さんのひざを伸ばす目的で指導することが多かったです。


番組の中で素晴らしかったのは、超音波エコーを使って大腿四頭筋セッティングをしている時の関節包の動きを確認していたことです。
すると、大腿四頭筋の収縮に伴ってひざの関節包が伸ばされるのが良く分かりました。


ここでの大腿四頭筋セッティングの目的は、ひざの関節包を柔らかくするということです。
そう、あの痛みを感じやすい関節包をストレッチするのです。

関節包が硬いから膝を動かしたときに痛みが出る。
だったらひざの関節包を柔らかくすれば痛みは無くなるでしょ?・・・そのような考え方なのです。


私は、ひざの痛みは関節包内の炎症か筋肉の病気と書いてきました。
この番組で説明していた“関節包の硬さ”は、かつて関節包内に起こっていたの炎症の後遺症と考えられます。
筋肉の病気も、関節包内に起こっていた炎症の後遺症のことが多いです。


一般的に、関節の動きが硬くなる原因は、筋肉、靭帯、関節包が硬くなることです。


ひざに変形が起きると、関節の動きが悪くなることが多いです。
しかし、その原因は軟骨でも骨でもありません。

ひざ関節内に炎症があるときや、その炎症の後遺症が残っている時は、関節包の硬さ(痛み)も関節の動きを悪くすることもあります。


この番組のレベルは非常に高く、先進的で非常に多くの知見が得られましたね。



みなさんも動画を参考にパテラセッティング、是非お試しあれ!





関節の痛みは、本当に関節の痛みですか?

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