国立大劇場 10/12(木)
”『忠臣蔵』映画のゆうべ”に、当たっちゃった~
客席は高齢者がワンサカ!
やはりこんな古い映画を観るのは、この年齢だけか!
『忠臣蔵』花の巻・雪の巻
昭和37(1962)年/東宝
監督:稲垣浩
超長編なんで、2ヶ月に渡って上映!
今日は『花の巻』出演者は…
松本幸四郎(白鸚)・中村染五郎(幸四郎)・中村萬之助(吉右衛門)
中村又五郎・市川中車・市川団子(猿之助)・市川段四郎(三世)
三船敏郎・加山雄三・小林桂樹・加東大介・佐藤允・柳家金語楼・三木のり平
司葉子・原節子・新珠三千代・団令子・沢村貞子・草笛光子 ほか
ス…スゴすぎる~!東宝オールスター揃い踏み~!!
映画を楽しむ前に、本日のゲスト!
中村吉右衛門登場~!
「播磨屋っっ!」
複数の大向こうが来てる~!
スーツ姿で!動く!播磨屋~!!
貴重だ~~~っっ
かなり至近距離で、ナマ吉右衛門をウォッチングっっ
今年は、国立劇場40周年。二代目も襲名から40周年
大きな拍手っ!おめでとうございます~!!
まずは、今月上演中の『元禄忠臣蔵』について
「10日経って馴染んできました。」
プロンプがつかなくなったの?
「中盤になるとダレますが(笑)」
コラコラ~
10月のチケットは完売という知らせに
「え!知らなかった。…有難うございます」
膨大な台詞の量ですが
「9月が大変だったので、8月から稽古に入りました」
『秀山祭』だね。
「台詞覚えが悪くて…。
動いて、その世界や感情に入らないと駄目なんです」
でも、家でウロウロ動くと怒られます(笑)」
初代吉右衛門の教え
「台詞を1度忘れて、その役になって台詞を言え」
それ!演劇人の理想~
でもそんな事、神業だと思う…。
「内蔵助が、本当に痛い思いをするのは1回だけ、
でも役者は25日間、痛い(笑)」
毎日、初心に戻れってことだよね
音がありませんね
「ワーグナーの音楽の様に、
最後になると感動したり泣いたり出来ます。
台詞劇も最初は辛抱です(笑)
台詞の中に音楽があります。
そういう風に作品が出来ているんです。」
真山青果賞を2度受賞している
吉右衛門ならではの言葉っ。奥深~い
こちらもどうぞ →岩波文庫 「元禄忠臣蔵 上・下」
さてさて、映画の話
撮影当時、萬之助19歳
「松竹から東宝へ移りまして、
男所帯から、きらびやかな女優さんに囲まれて…
その心中は”お察し下さい”(笑)」
オオ!次郎左衛門~
萱野三平役。
歌舞伎とは理由が違うけど、切腹しちゃうんだ…。
恋人おかる(団令子)が、明るく健気でカワイイの。
「映画は待ち時間が長いんですが、
何を喋っていいか判らなくて…(笑)」
萱野三平は、早駕籠に乗って4日で赤穂に!
「あまり覚えていないんですが、
撮影で、少し乗っただけでも大変でしたので、
本当だったら…」
実父・幸四郎(現:白鸚)が大石内蔵助役。
息子の主税は、団子(現:猿之助)
右衛門七の染五郎(現:幸四郎)が言う
「私も大石殿の子供になりたかった」
みたいな(定かじゃなくてゴメン…)台詞がある、
と聞いた吉右衛門、爆笑してっ!
「そうですか!!」
楽しそうだ~。アハハ~
小学生時代、映画チームに入っていたとか
「猿之助さんと兄と、言っちゃっていいのかな?…
雅子様のお母様と。
猿之助さんが大きいカメラを持っていて…。
映像がどこかに残っているかな」
見たい~!
稲垣監督と親しいそうですね
「吉右衛門を襲名した時に、”歌舞伎に専念します”と言ったら、
”これからは何でも演らなきゃダメだ”と、こんこんと諭されまして」
それってターニングポイント!
じゃなければ『鬼平犯科帳』は幻で終わったかも~。
最後に一言
「国立劇場と共に、今後とも
二代目吉右衛門もどうぞ宜しくお願い致します」
照れくさそうに言う播磨屋って!キュ~ト
進行役の葛西聖司アナ(NHK)も、
思わず「ステキ」と呟いちゃう。
男女を問わず魅了してしまう人だなぁぁぁぁ
舞台には、古の里のあったか~い風が吹いてた。
きっと、周りにいる人は落ち着くだろうな。
しびれるぜ!播磨屋~!LOVE
20分休憩の後は、2時間タップリ~!
映画業界華やかなりし頃、
日本映画界を代表する各社が創った『忠臣蔵』
日活(1938年)
阪東妻三郎の内蔵助。片岡千恵蔵の内匠頭
大映(1958年)
長谷川一夫の内蔵助。市川雷蔵の内匠頭
東映(1956年)
片岡千恵蔵の内蔵助。中村錦之助の内匠頭
私のお気に入りは、日活版と大映版
東宝版は、畳職人の頭が柳家金語楼だったか…?
みたいな記憶しかなくって…。
それをクスリーンで見れるとは~!
吉良上野介(市川中車)が浅野内匠頭(加山雄三)を
いじめていじめていじめぬく~。
映像ならではの連続っっ。東宝版はスッキリ系だ。
でも、生身の人間としてグロに描かれる吉良。
歌舞伎俳優が演じてこそ!だね。
観客を完全に敵にまわしてるぞ~!
妻(沢村貞子)の冷やかな眼がまたナイス。
松の廊下の大事件はロングショットで。
加山雄三は美しく一本気!
内蔵助からの文と、妻・あぐり(司葉子)の琴の音を支えに
乗り切るって、誓った内匠頭だったのに…。
皆さんご存知の、切腹シーンなどは、省略しま~す
「昼行灯と呼ばれて一生をおくれると思っていた…」
大石内蔵助登場!
『鬼平犯科帳’71』かと思った。
裏切り者もいれば忠実な者もいた。
ついに城を明け渡し…。
自由になった内蔵助は放蕩三昧~。
山科で帰りを待つ、妻・りく
原節子だっっ!美しい~
これが引退映画だったんだって。
廓で踊る幇間(三木のり平)の踊りが楽しい~。
なんて華やかなの~。
廓では浮雲太夫(新珠三千代)の膝でゴロン…。
誰にも本心を明かさない内蔵助。
でも、切腹を覚悟して本音を問いただす
萱野三平・中村萬之助(現:吉右衛門)の涙には勝てず、
初めて打ち明ける…。
今日も今日とて大豪遊の内蔵助。
萱野三平死去の報せに
「可愛がっていた雀が死んだ…」
「浮様、泣いてござる」
「バレたか、わしのはこれだ」
器の水を皆に掛ける内蔵助
「皆も泣け」
自らの顔にもパシャ…パシャ…。
りくと子供達を里へ帰して
いざ、東へ
『花の巻 終』
場内から拍手がっっっ!もちろん、私も~
ロードショーの初日みたいな盛り上がり!
夢のひとときでありました
お茶の間で見よう「忠臣蔵」 → DVD
まだまだつづくよ『忠臣蔵祭』
いざ!『元禄忠臣蔵』へ~
ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)