アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

ひょうご舞台芸術「獅子を飼う」

2006年07月18日 | 演劇

 

TV舞台中継  8(土) 

いつOAしたのだぁぁぁ?たぶん3月…
今は…7月っ!シェ~~~

1/10~15
兵庫県立芸術文化センター中ホール(兵庫県西宮市)
1/21~26
東京池袋 サンシャイン劇場

作:山崎正和
演出:栗山民夫

天正16(1588)年。日本国は豊臣秀吉のものであった。
誰もが彼にかしずいている。利休もまた…。

秀吉:坂東三津五郎 VS 利休:平幹二郎
2人で火花を散らして戦いたい!
TV中継のイイ所は、楽屋訪問なんて事をしてくれること。
平幹の楽屋は椅子なのに、三津五郎は畳なの!ハハハ

ねね役は平淑恵
文学座トップの風格は、2人に挟まれても迫力充~分!
秀吉とねね、抱きついたり、ほっぺにチュッしたり、
この仲の良さは『功名が辻』で柄本明浅野ゆう子組も発揮してたな

堀尾幸男の美術は”金”を基調に抑えた雰囲気。
これが秀吉と利休の心を表しているようでもあり、
世相を反映しているようでもあり。
でも、お茶の間桟敷席では、その輝きがくすんでる…。残念…。
劇場の中央列あたりからだど、美しかっただろ~に。

音楽はパーカッション!上手と下手に1人づつ!ナマ演奏っ!イイね~。
ガムランっぽい場面もあってナイス!

南蛮人に教わる秀吉の西洋ダンスもナイス
踊りながら、アレクサンドロス大王の物語りを聞く
”その男が死んだ後は名前だけが残った。後の世の”評判”が残った…”

利休はドンドン秀吉から離れてゆく。
「俺には宗易がいるのだ。生意気で強情な男。
宗易のあの眼が要るのだ。この俺を値踏みする男。
宗易を呼べ。
あいつもまた俺の顔が見たくてたまらんのだ」

人を惹き付けることにかけては天下一の名人と、
魅力を見知ることにかけては稀代の達人。

「天下様と逢ってから長い間酒に酔ったような、
茶室で御目にかかる時、獅子と戯れるような、
危うい快楽を味わいました。
一歩誤まれば命を落とす恐ろしさと、
正しく御仕えした時の、あの打てば響くような御眼の輝きに
酔ったのでございます」

百姓出身の秀吉。
堺の裕福な商人の子、利休。
政治家と文化人。
親密になればなるほど深くなる羨望と嫉妬。

「宗易を殺せ!殺せー!」

「利休は死にませぬ。畏れながらお上の身にも心にも
もはや利休の茶は隅々まで染み込んでいるはず。
いつかこの茶室にたった独りお座りになれば、
その時宗易が風の様に天地の間に満ちておりましょう。お上」

実際2人の関係は、いまもって謎だとか…。
人間の感情って、おでんの具みたい。
色んなものがグツグツ煮えてるんだ。
人と人が接する時、そどれをどう出せばいいのか…。

平幹の”オドロオドロシイ光線”は、去年『ドレッサー』の時よりも
本領発揮してたんじゃないか?
三津五郎にガンガン当たってたぞ。

『互いの心に獅子を飼う』

好敵手を得て、初めて出来る断崖絶壁な生き方。
果てしない人間力を見た。


この作品は『ひょうご舞台芸術』発信の演劇っっ!!
東京じゃなくって!!”兵庫県”っっ!!
こいつぁ♪チャリラ~ン鼻から牛乳~♪(by嘉門達夫)っっ!!(フツーに驚けっ

劇場(ハード)ばかりを作り、そこで上演する内容(ソフト)の育成に
あまり目を向けてこなかった。
兵庫県では1990年よりハードの完成前から
ソフト育成に力を注ぐ「ソフト先行事業」を開始。
その中で
山崎正和を芸術監督(現:芸術顧問)に据え
『ひょうご舞台芸術』を立ち上げた。


3年後には劇場が建つと思っていたら、阪神・淡路大震災(1995)など色々なことがあり、
”文化は不謹慎”という風潮が渦を巻く。
しかし、人間がギリギリで生きる様を描いた『GHETTO/ゲットー』(1995)の上演は、
暗い物語にもかかわらず、被災者の心に届くものがあった。
2005年念願の『兵庫県立芸術文化センター』完成。
震災の心と文化の復興のシンボルとして、様々な芸術文化を発信している。

震災から1年後、阪急電車に乗って西宮を通った。
窓から見える風景は、そこにあるはずの建物がなく、
ポッカリ穴が開いた黒い口の様だった。
涙をやっとの思いで堪えたっけ…。

そうして去年、西宮北口に劇場が生まれた。
やったな!兵庫県!先行予約会員にも即入会!
ワンコインコンサートは500円!
関西の若手音楽家が自由に作るコンサートはオモロイらしい

「判り易く面白い。そうしてちょっと先端性のある作品を展開して行きたい。
新人の発掘にも力を入れる。
それが、公共劇場の役目だと思っています」


佐渡裕が芸術監督に就任し、クラシック音楽が主流にみえるけど、
芸術顧問の山崎正和は、今後もやってくれるだろ~!

詳しくはこちら →兵庫県立芸術文化センター

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