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「晴れときどき涙雨」~思ひ出す事など

2023-04-07 | 日々のこと
髙田郁(タカダカオル)さんの
エッセイ『晴れときどき涙雨』(角川春樹事務所)を
電車の中で、読んでいました。

「みをつくし料理帖」シリーズで知られる高田さんは、
大好きな作家さん。
(「あきない世傳」は挫折中😓


本は、20年近く前から、
版元を変え、そのたびに加筆されてきたとか。
この版が3冊目となる、エッセイ集です。



その中に、車椅子の話がありました。

お母様は、通院に車椅子を利用、
高田さんは、交通事故の影響で右手が不自由なとき。
十分に下見をしていたものの・・・

朝のラッシュ時。
条件が全く変わっていました。

15年も前、世の中が階段ばかりの頃です・・・

髙田さん母娘が途方にくれていると、
警備員さんが二人駆けつけてくれ、
車椅子ごと、お母様を運んでくれました・・・

「見知らぬひとの優しい思いやりに幾度となく救われた。
...介護で一杯一杯だった私は
ちゃんとお礼を言ったのかどうか・・・」149頁



髙田さんと同じ頃、
わたしも父の介護を手伝っていました。

パーキンソン病を患って
最晩年は寝たきりの父。

母が自宅で介護を続け、
わたしも週に何度か、実家へ通っていのたです。

月に一度は
胃瘻と導尿の管を替えるため、
母の運転で、通院。

これが大変でした。


父は、筋力が衰え
座っていられないので、
座席で、どんどん身体が傾いてしまうのです。

後部座席で、ふんばって、
わたしは、父を押さえ続けていました。
(支えきれず、ずり落ちちゃったことも)


とりわけ、大変だったのは、
病院に着いて、車椅子に移乗するとき。
車に乗せるよりも、下ろす方が大変で・・・

非力な私には、難儀なことでした。

「お手伝いしましょうか」と
声をかけてもらえると、
涙が出るほど、うれしかったものです。


当時、髙田さんと同じく、
目の前のことで一杯一杯だったので、
わたしも、十分にお礼を言えたかどうか・・・



父が亡くなって17回忌も過ぎた今。

昨秋、母の検査に付き添い、
久しぶりに、父が通った病院へ行きました。

車椅子の高齢者が目立つこと!

父の頃は、車椅子で通ると、
皆さんが顔を上げられたものです。
ジロジロと見られることもありました。

今は、車椅子が周りに溶け込んでいます。


たぶん・・・
車椅子に難儀していたら、
手伝ってくれる人も多いのだろうな。

街中で、シルバーカーやベビーカーを
手伝う場面も
よく見かけるようになったもんね・・・。

(わたしも、お節介オバちゃんなので、
率先して動いちゃう!w)


時代は変わってきたのですね~~




ーー本から顔を上げ、
そんなことを、つらつら考え
ふと気づいたら・・・

ちょうど、亡き父にゆかりの川を
通り過ぎるところでした。

ガキ大将の父が
川遊びをし、ウナギを捕ったという川。
(「ごんぎつね」みたい♫)

桜の名所で、毎年、楽しみにしていた川べり。
晩年には、車椅子で花見をしましたっけ。
(亡くなった後は、写真になって花見)


電車の中なのに・・・
父の面影が離れてくれず、
涙が出てきて、困りました。


***************
長々と、おつきあいいただき、
どうもありがとうございます。

全国的に雨模様、
どうぞお気を付けて・・・・・・

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2 コメント

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Unknown (あっこちゃん)
2023-04-08 00:45:24
高田さんのエッセイはまだ手に取ったことはないです。
みおつくし料理帖、あきない世傳も最後まで読みましたよ。
そして、珍しい現代の物語『ふるさと銀河線』を先日読みました。
高田作品に流れる優しさを感じさせるご本でした。
『晴れ時々涙雨』ぜひ読んでみようと思います。
我が母は若年性パ―キンソン病で長く寝たきりでしたが父が何も言わず、独りで介護しておりました。
どんなに苦労しただろうと今になってなにも手伝えなかったことを悔やんでおります。
そんな父も亡くなり・・・私も父を思うたびに
涙が流れます。
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あっこちゃんさま (ぴあ野)
2023-04-08 06:06:40
あっこちゃん、コメントをどうもありがとうございます。
あっこちゃんは「あきない世傳」も読破されたんですね~
わたしは4巻目あたりで止まっています(^_^;)
でも、エッセイから松坂屋さんとの関係を知り、
俄然、読みたくなってきたところです♫

「ふるさと銀河線」は、確か最近版が変わったのでは無かったかと・・・
現代版でも良いお話揃いだったと覚えています。
この本を読んでいるから、エッセイもグッときたのだと思います。
なので、あっこちゃんにも、オススメです!!

そうでした。あっこちゃんのお母様は若くして・・・
お父様が介護をなさった由。
そのお気持ちは、子どもの頃はわからないですよね・・・
わたしも、そんなことばかりで、今、すぐに涙してしまいます。
忘れないことがご供養ですよね、きっと。
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