変人技術士の備忘録(別称:すいりき板改)

技術士の日々の思いつきを列記。
すいりき板は、出身研究室の掲示板(現在閉鎖)
専門用語を不定期掲載

The willpower instinct (スタンフォードの自分を変える教室)

2016-10-09 21:17:08 | 読書
 図書館から借りた"スタンフォードの自分を変える教室"を読んだので、感想を記す。意志力の改善の仕方を書いた本で、スタンフォード大学生涯教育プログラムの公開講座について書かれている。本文では、本書は、「最も優れた科学的な見解」と、講座で行った「実践的なエクササイズ」を融合したもの(P.18)と書かれている。意志力の改善のための課題として、自分を観察する「マイクロスコープ」と、実践的な戦略を実践する「意志力の実験」がある。全10章のうち、9章にこのマイクロスコープと意志力の実験が書かれている。この戦略を1週間に1つ行うことで、意志力を改善する内容になっている(P.26)。それぞれの戦略を1つの方法を選んで結果を振り返り、たくさんの方法を試すのはやめていてくださいと書いている。
 本を買って、意志力の実験を順番に試していくのが良さそうだ。意志力の実験はどれも納得できるものであり、順番にすれば、意志力は改善できそうだ。詳細を書くことは大変なので、割愛する。
 同じ意志力を扱っている"WILLPOWER 意志力の科学"と内容は重なる個所が多く、"WILLPOWER 意志力の科学"の著者ロイ・バイマウスターの論文の引用もある。この本は、どちらかという実践に重点を置いている。また、分かりやすさを優先しているためか、引用文献を明示していないことが多い。
 人気講座という自己評価や60万部売れたというのも納得できる内容だった。意志力というのは、重要かつ億劫なことを、先送りせずに、少しづつ段階的に進める能力と言い換えた方が分かりやすい。
 気になった箇所を以下に引用する。
 
 Introduction 「自分を変える教室」へようこそ
 P.23 私は科学者になるための教育を受けましたが、そのなかで最初に学んだことのひとつは、理論がいくら優れていようと事実(データ)に勝るものではないということでした。
⇒技術士の端くれとして、肝に銘じておきたい。
 第1章 やる力、やらない力、望む力
 P.34 さまざまな長所と比較しても、意志力に勝るものはないほどです。学業で成功できるかは、知力よりむしろ意志力しだいですし、優れたリーダーシップを発揮できるかどうかも、カリスマ性より意志力が決め手です。それに何といっても、結婚がうまくいくかは、想いよりも意志力にかかっています(そう、結婚を長続きさせる秘訣は、よけいな口を利かないことかも)。
⇒WILLPOWER 意志力の科学にも同様の記述がある。確かにそういう側面が強い。
 第4章 罪のライセンス
 P.153 私たちは何か欲しいものが出てくると、あれこれもっともらしい理由をつけて、楽しもうとします。
⇒経済は感情で動くでも出てきた内容。確かに納得できる。
 第5章 脳が大きなウソをつく
 P.186 経済学者の中には、「退職に向けて貯金をする」「期限内に税金を納める」といった〝あまりおもしろくない〟ことをドーパミン化してはどうかと提案する人たちもいます。(中略) あるいは、納期までに税金を支払い、収入と控除をすべて正直に申告した人のうち、抽選に当たれば1年分の税金に相当する金額が戻ってくるようにします。そうすれば、あなたも4月15日の期限よりまえに申告をすませる気になるのではないでしょうか? 国税庁はこんな提案はなかなか取り上げてくれないかもしれませんが、企業などが社員に経費精算書の提出期限を守らせるためには、かんたんでよい方法かもしれません。
⇒確かに効果的だとは思う。意外と説得は難しいように思う。
 第9章 この章は読まないで
 P.333 この同じ基本のアプローチが、憂うつから薬物依存症までじつに幅広い意志力のチャレンジに役立つという事実は、3つのスキル──自己認識、セルフケア、自分にとって最も大事なことを忘れないこと──が、自己コントロールの基盤であることを示しています。
⇒こういうことが大事だと思う。
 P.333 ほんとうに心の平安を望み、自己コントロールを向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えをコントロールすることは不可能だという事実を受け入れる必要があります。私たちにできるのは、自分が何を信じ、何に従って行動するかを選択することです。
⇒実際そうだと思う。
 第10章 おわりに―――自分自身をじっと見つめる
 P.338 このような自己認識は、自分が困難なことや最も大事なことを行なうときに、つねに力を貸してくれます。それこそ、意志力とは何たるかを最もよく表しているでしょう。
⇒同意する。

 作業時間は60分程度。
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