日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「アルバイトが捜せないのは、『(自分の)日本語力の問題ではない』と言い張っていた学生」。

2013-10-28 08:01:59 | 日本語の授業
 忙しかった「先週」が、終わりました。おまけに風邪まで引きこんで。学校の職員の間で、風邪のリレーが続いています。バトンを手渡したから、もう安全になったかというと、そうでもない。

 「台風が続いて、気圧が下がったのが原因だ」とか、「寒くなったかと思ったら、急にグッと暖かくなり、それが忙しないので、体調管理ができないからだ」とか、まあ、風邪引きさん達は、様々なことを言っていますが、結局、風邪を引いたという事実だけしか残らないようです。

 というわけで(と言うわけででもありませんが)、今朝は「肌寒い」ではなく、「寒い」候となりました。空は、晴れ渡っています。快晴です。

 「ススキ(薄)」の、伸びた穂と「猫じゃらし」の耄けた姿を見る度に、「猫じゃらし」が茫々としてくると、多分「ススキの時代」が始まるのだろうと、そういう気がしてきます。どちらも、いわゆる「野におけ」といわれる部類の「野草」に属しますから、いつもすぐそばに生えているのです。

 これは、適当な「管理」では、だめのようです。近くのスーパーのお向かいにある、どこかの会社の庭でも、定期的に草刈りは行われているようですが、やはり「時期」になりますと、「猫じゃらし」が生え、「ススキ」が伸びなどしてきます。

 もっとも、「猫じゃらし」も「ススキ」も、風情ある日本の「風景」には欠かすことのできない植物で、子どもの頃から身近な存在でした。そしてそれは、今の子ども達にとってもそうだと思います。親の世代、祖父母の世代が親しんだものは、いくらそれが影を薄くしているとしても、子ども達の脳裏にしっかりと「ある」と思います。

 それが伝統というものであったり、あるいは、単に「懐かしさ」を感じさせるだけのものであったりするのでしょうけれども。

 ただ、これは年が長けてきたときに、急に浮かんでくるようで、一日があっという間に過ぎていくような、そういう頃には、浮かんでなど、きはしないでしょう。思えば、昔は時間があったのでしょうね、貴族階級というのには。だから、月を詠み、俗事にかまけたりせずに(かまけたいけれども、それが許されない)、心を宙に置くことができたのでしょう。

 もっとも、人臭くなると、それも終わりになり、地上に降りてきてしまうようですが。

 さて、学校です。

 今年になってから、いくら「あなたの日本語のレベルが低いから、アルバイトがないのだ」と説明しても、全く聞く耳を持たなかった学生がいたのですが(アルバイトがないのは、「学校が紹介しないからだ」とか、「自分よりもレベルの低いTさんにはアルバイトがあるのに、自分にはないのだから、日本語の能力の問題ではない」などと言って)、こんな学生は本当に珍しいのです。

 素直に学校で勉強をし始めるか、「はい、そうです。けれども、アルバイトがないから勉強する気になりません」と堂々巡りを始めてしまうかするのが、普通なのです。

 「自分の問題ではない」と思えるから、他者に責任を押し付けることができるのでしょう。そして、大きな顔をして、「(だから)お前がどうにかしろ」と言うことができるのでしょう。今は、苦笑いしながらも、「ああ、また、やっている(性根は変わりませんから)」と、遠くから見ることもできるのですが。

 あの頃は、毎日がこれですから。うるさいのなんのって。自分に責任があるなんぞは、端っから考えようとしないタイプなのですから、ある意味では幸せなのでしょうけれども、傍にいるものは、かなり迷惑を被ります。

 しかし、面白いですね。彼女を見ていると、本当に面白くなります。まるで「喜劇」を見ているようです。「自分は日本語ができる、よくわかっている」と言っているくせに、授業中、一言一言、だれかに聞くのです。聞かれた相手こそ、いい迷惑。彼女に付き合って、答えている間に、勉強が進み、今度はその人が他の人に「今、どこ」と聞かなければならないのですから。見かねて、こちらが「どこが判らないのか」と聞くと、判で押しでもしたかのように、「全部、わかっている」と答えるのです。わかっていないから聞いたのでしょうに。

 実は、こういうタイプには、これまでお目にかかったことがなかったものですから、あの国の一つの典型なのかななどとも思ってしまうのですが。これからベトナム人学生が、同じようなペースで来日するようですと、もしかしたら、同じような学生が来るかもしれません。何と言いましても、同じ国から来ている学生達は彼女と、普通に接しているのですから。日本人だったら、普通は煙たがられて、避けられてしまうと思うのですけれども。

 とはいえ、良いですね。私たちには、彼らが、彼女を、本当にはどう思っているかなんてわかりません。どちらにしても、ほどよく、罪作りをせぬほどに付き合っているのは確かなのです。外国にいて、孤立するほど寂しく切ないことはありません。特に同国人がいる場合は、それなりに「輪」の中に入れてもらえれば、「和み」もするでしょう。

 以前には、完全に同国人の間で浮いてしまった学生がいました。もしかしたら、ベトナム人女性というのは「くせが強い」のかもしれません、他の国の人達に比べて。

日々是好日

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