日本語学校からこんにちは ~水野外語学院日本語科~

TOKYOベイエリア,市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「ビザの更新ができなかったので、帰ります」と言いに来た学生。…どこか、やりきれない思いがします。

2019-07-17 08:01:02 | 日本語学校
曇り。

まだ、時折、小さな雨粒が、はら…はら…と落ちているようですが、今日はお日様がお顔を覗かせる時間帯もあるそうな。それ故にでしょうか、だんだん、ムシムシしてきました。このところ、ずっと梅雨寒で、20度ちょっとという気温が続いていましたから、梅雨季であるとはいえ、どこやら慣れないような、感は否めません。

昨日、卒業生が、ビザの更新がだめだったとやって来ました。すぐに帰国するそうです。「帰国してから、どうするのか」と聞いてみると、「多分、今度は韓国に行く」と言うのです。

この類いの話は、ベトナムの卒業生からも聞きました。

だいたいにおいて、出席率も95%近くで、勉強もよくする。然る上に、規定のアルバイト時間を超過して働いていたという学生は、教師の我々から見て、「体力もある、頑張れる、いい学生」なのです。

大学に行きたい、専門学校で勉強したいという進学が目的。根っこの方では、これがあるから崩れないのでしょう、辛くても。勿論、その後は日本企業での就職です。彼の場合は、七月生ということで、もう一つ、日本語能力試験の「N3」に手が届かなかったのですが、それでも、超過して働いていたこと以外は何も悪いことはしていません。

「(来日時に)借りていたお金もまだ返せていない」と言うので、心配すると、「大丈夫。家から借りたから」。

彼の言う、「家」とは何のことだか、はっきりとはしないのです。両親に借りたということなのか、祖父母に借りたのか、多分、そんなところなのでしょう。家族の絆の強い人たちですから。

こういう人たちが、日本を追われて韓国に流れていくのかなあと、残念になってきます。週に28時間というのではなく、土日の分を入れられたら、日本語もしっかりと勉強している人たちです。それ以外の悪事に手を染めているわけでもない。しかも2年近くを共にして、真面目であることは、日本人にも伝わってくる。そのような人たちが、日本を離れ、隣国へ行ってしまう…。もったいない。そして日本では、人手不足と言いながら、日本語のわからない人たちを直接入れようとしている。

彼等は、金を払って、日本語を学んでいる、あるいは「いた」のです。そして、(自分の金で)専門学校や大学へ進み、その過程で、語学だけでなく、日本社会への理解も一定量培ってきたのです。教室だけで日本語を学ぶのではなく、アルバイトをすると言うことは、そこで既に日本社会との接点ができているということです。

最初のころは、電車の乗り継ぎもできなかったでしょう。それがバイトへ行くうちに、パスモやスイカなどを使って自由に乗り継ぎが出来るようになり、店での買い物も日本語でやれるようになってきた。

アルバイト先では嫌な思いをさせられることもあるでしょう。その一つ一つが日本社会への理解を深めていくことになっていたのは、学生からの質問で知ることができます。

「こんなことがあった。これはどうして?」「こんなことを言われた。その時どうすればいい?」2年目に入る頃から、学生達はバイト先での様々なことを質問し始めます。できる限り、彼等に納得のいくように説明しているのですが、時々、辛いなあと感じるときがあります。

外国での生活は、困らされたり、嫌な思いをさせられることも多々ある。しかし、それは外国で「生活」しているからこそ、味わわされること。旅行者には決して経験できないこと。しかも、それを経験しながら、単刀直入に問いただせる相手(私たちのことです。言いにくいこと、聞きにくいことも聞いてくれます。つまり、日本人から見れば、悪口です)もいる。そうやって、苦労した上で、日本企業に就職するのだから、直接やって来た人たちとは随分違う。良きにつけ悪しきにつけ、彼等には数年の「過程」がある。これは、異国(日本)で暮らしていく上での「財産」です。

実際に、いい会社なら、必ず、どこかで、そういう彼等の姿を見ていてくれる人はいるはずです。

懸命に物事に取り組んでいる人を、天は見捨てるはずがない。帰国しても必ず道は開けると思います。ただ、今は辛いのでしょう。「もう、日本には来ない」と言っていたのが、とても、寂しいのです。

日々是好日
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